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 ネットワーク図を描くにはツールの活用が欠かせない。簡単な図であれば、米Microsoftの「PowerPoint」や「Excel」を使う技術者が多いようだ。

 一方、大規模ネットワークの図を描く技術者の多くは作図専用ツールを活用している。そこで物理構成図に強いといった「個性」を持つツールを4つ紹介しよう。

「飛び越し点」で線の交差を識別

 Microsoftの「Visio」は、1990年代から続く歴史ある作図ツールの1つ。大規模ネットワークを構築するインテグレーターなどの技術者から根強い支持がある。TISの後藤氏は「設計フェーズで使う詳細な物理構成図を描くときに使い勝手が良い」と説明する。

 大規模ネットワークの物理構成図は機器同士を結ぶ線が交差しやすく、機器同士の接続状況を区別しにくくなる。設計フェーズで機器同士の接続を誤ると、大きなトラブルを招きかねない。

 Visioであればこの問題を緩和しやすいという。機器同士を結ぶ線*1の一方が、もう一方の線をまたぐ「飛び越し点」の機能が使いやすいためだ。Visioはこの飛び越し点を、線を交差するように描けば自動的に表示させられる(図4-1)。交差する線の区別に対する悩みが少なくて済むわけだ。

図4-1●線が交差するときに「飛び越し点」を簡単に描ける「Visio」
図4-1●線が交差するときに「飛び越し点」を簡単に描ける「Visio」
物理構成図では複数の線が交差してしまいやすい。そうした場合に飛び越し点を利用すると、どの機器とどの機器を結ぶ線なのかを区別しやすくなる。大規模な物理構成図を描く機会が多いネットワーク技術者の多くが 、Visioの飛び越し点機能の使いやすさを評価している。(画像提供:インターネットイニシアティブ)
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