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曖昧な表現や相手をイライラさせる文章を書いていては、仕事力は上がらず、周囲の信頼も得られません。文章力を2日間で磨きませんか。

 読む相手をイライラさせるような文章は、もちろんNGだ。とはいえ、無意識のうちに書いてしまっているかもしれない。今回は、読み手をイライラさせる表現5パターンを押さえておこう。

イライラ表現1:不ぞろいの箇条書き

 イライラ表現の1つは、「不ぞろいの箇条書き」と呼べるものだ。その典型例を以下の図に示した。

不ぞろいの箇条書きの例
不ぞろいの箇条書きの例
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 3つの事項のうち1番目の「利用者からの問い合わせ対応」と2番目の「アプリケーション障害の原因切り分け」は、どちらも体言(名詞)で終わっている。ところが3番目の「ハードウエア障害が起こった場合は、ベンダーに通知する」だけは用言(動詞)で終わっており、続けて読むと違和感が生じる。そこで3番目を「ハードウエア障害発生時におけるベンダーへの通知」と修正すれば、他の2つとそろえることができる。

 そろえるべきは文体だけでない。中堅・中小企業向けのシステム開発を手掛けるFさんは、「様々な観点で箇条書きの事項が不ぞろいになっていないかチェックしている」と話す。例えば、問題指摘のなかにその原因や解決策が混在していないか。1つの事項がそれ以外の事項のまとめになっていないか、といったことだ。

全体がいい加減な内容に見える

 箇条書きが不ぞろいだからといって、致命的な問題が起こるわけではない。しかし「不ぞろいな箇条書きによって、ドキュメント全体がいい加減な内容なのではないかという不信感を読み手に与える」(Fさん)。

 大手メーカーのシステム子会社に勤務するGさんも同じ意見だ。特に、利用部門の要求を取りまとめるとき、整理せず箇条書きにすると、途端に信頼を失うという。「箇条書きには、ITエンジニアの論理思考力や真剣さが表れる。そのため細心の注意を払って書いている」(Gさん)。