米アップル(Apple)が2018年6月4~8日にカリフォルニア州サンノゼで開催した開発者会議は、WWDCらしくソフトウエアにフォーカスしたイベントとなった。
ただ、大規模な刷新はなく、高速化や安定化、プライバシーやセキュリティの強化といったテーマが中心。開発者からは新しいAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)が「極めて少ない」との声も聞こえる。
ここ数年を振り返ると、アップルはWWDCで紹介したものを1年かけて実装していく傾向があった。このため、向こう1年間は同社のプラットフォームに大きな変革が起こらないのではないかと見る向きもある。
しかし、初日の基調講演では重要なメッセージを受け取ることができた。それは、テクノロジー企業のなりわい、さらには我々のデジタルライフに関わるものだ。
ユーザーをだしにビジネスするな
アップルは今回、一般ユーザーの時間とデータを食い物にするシリコンバレーのビジネスモデルに強烈な「No」を突き付けた。米フェイスブック(Facebook)へのアンチテーゼだ。
一つは、株主からも圧力がかかっていたスマホ中毒の問題への対処である。米グーグル(Google)も既に次期OSで対策に乗り出したが、対象は限られた新機種のみ。来年の今頃でも同機能を享受できるのは10%に満たないだろう。
これに対してアップルは同じく次期OS「iOS 12」でスマホ中毒対策を搭載するものの、既に81%のユーザーが利用するiOS 11の対応デバイスが対象だ。グーグル以上に効果的と言える。