BYD、GMに迫る26年600万台 中国・政府系が見る近未来
10月末、中国国務院傘下の国営研究機関、中国自動車技術研究センター(CATARC)が5年ぶりに「日中自動車検査認証と基準法規セミナー」を都内で開いた。日本の自動車メーカーやサプライヤーなどに中国の最新規制や業界標準を紹介し、政府目線で中国の電動化・知能化シフトの現状と課題を分析した。 NIKKEI Mobilityは企業や業界動向に詳しい専門家による国内外の動向を分析したリポートをお届けします。今
混沌のトランプ2.0 トヨタ北米副社長が語る期待と警戒
米大統領選で勝利を収めたトランプ前大統領は、来年1月の就任直後に断固とした行動を取ることを約束していた。「就任初日に独裁者として行動する」と宣言したこともあるほどだ。自動車会社はどう対応するのか。筆者はトランプ氏が次期大統領に決まった6日、北米トヨタのグループ副社長であるデビッド・クリスト氏にインタビューした。ほかの識者への取材も交えて考察する。 NIKKEI Mobilityは海外在住の専門家や
トランプ氏「勝利」、トヨタに危機か EVへの影響を読む3本
米大統領選は5日(現地時間)に投開票され、6日未明にトランプ前大統領が勝利宣言しました。今回の選挙結果が米国での電気自動車(EV)の普及など世界のモビリティー産業にどんな影響を与えそうか、これまでの記事で振り返ります。 「トランプ氏ならBYDが米上陸」 伊藤忠総研・深尾三四郎氏 トランプ氏は、BYDを含め中国勢が米国内で電気自動車(EV)を生産することを歓迎している。米国でつくれば雇用を生み出す
トヨタも現状は未達、25年強化の欧州CO2規制 ICCT調べ
欧州連合(EU)が2025年に強化する新車(乗用車)の二酸化炭素(CO2)排出規制について、現状の水準ではトヨタ自動車など自動車大手が軒並みクリアできないことがわかった。米非営利団体「国際クリーン交通委員会(ICCT)」がこのほど調査をまとめた。23年実績で規制値を達成しているのは大手では米テスラとボルボ・カー(スウェーデン)だけにとどまる。 ICCTは独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正を
日本版ライドシェア半年 「地方の足」供給不足、秋田や富山
「日本版ライドシェア」が解禁されてから10月で半年がたった。タクシー会社が安全に関する責任を負う独自の制度で始まったが、それが運転手確保の足かせとなるなど移動手段の不足に対する根本的な解決につながっていない。野村総合研究所(NRI)は、特に公共交通機関が脆弱な地方でライドシェアを生かし切れていないと指摘している。 日本版ライドシェアはタクシー運転手の不足を補う目的で始まった。最大の特徴はタクシー
CATL、電池5割に再生リチウム 「42年に新規の鉱山不要」
「2042年に鉱物原料の(新規)採掘は不要になる」。9月末、中国海南省で開催された「世界新エネルギー車大会」で寧徳時代新能源科技(CATL)の曽毓群(ロビン・ゼン)会長は資源循環型の電池サプライチェーンを構築する方針を示した。電池需要の増加に伴い、レアメタルの枯渇が懸念されるなか、CATLが示したスケジュールは中国の電池業界で大きな注目を集めた。 世界の電気自動車(EV)向け電池で圧倒的な存在感を
「トランプ氏ならEV補助金縮小」 みずほ銀・大沢秀暁氏
米大統領選の投開票まで2週間を切った。民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の接戦が予想される中、選挙結果が米国や世界のモビリティー産業へどんな影響を及ぼすのか。日米3人の識者に聞いた。最終回はみずほ銀行産業調査部・米州調査チームヴァイスプレジデントの大沢秀暁氏だ。 米大統領選とモビリティー㊤㊥ ――民主党と共和党それぞれが掲げるEV政策をどう見ていますか。 「民主党が支持母体である労働
「ハリス氏、IRA継承もEV目標下げ必至」 S&Pロビネット氏
米大統領選の投開票が2週間を切った。民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の接戦が予想される中、選挙結果が米国や世界のモビリティー産業へどんな影響を及ぼすのか。日米3人の識者に聞いた。2回目は米自動車業界に精通するS&Pグローバルモビリティのエグゼクティブ・ディレクター、マイケル・ロビネット氏だ。 【米大統領選とモビリティー】㊤ ――ハリス氏、トランプ氏の両陣営の電気自動車(EV)政策を
「トランプ氏ならBYDが米上陸」 伊藤忠総研・深尾三四郎氏
米大統領選の投開票が2週間後に迫る。世論調査では民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の支持率が拮抗しており混戦が予想される。選挙結果が米国や世界のモビリティー産業へどんな影響を及ぼすのか。日米3人の識者に聞いた。初回は伊藤忠総研の深尾三四郎エグゼクティブ・フェローだ。 ハリス氏なら中国勢排除を継続 ――トランプ氏とハリス氏では、米自動車産業にどんな変化が生まれますか。 「ポイントは中
JALが断腸の「ボロ」切り 空飛ぶクルマ、開発遅れ資金不安
日本航空(JAL)の「空飛ぶクルマ」の戦略が揺れている。2025年国際博覧会(大阪・関西万博)では乗客を乗せて飛行する「商用飛行」を断念するとともに、デモ飛行で使用する機体を独ボロコプター製から米アーチャー・アビエーション製に急きょ切り替えた。万博開幕があと半年に迫る中での異例の方針変更は、空飛ぶクルマを実用化するための資金面での課題が浮かび上がる。 「決してボロを諦めたわけではない。ただ、万博