ホンダ全固体電池、コスト40%減へ 「液体ではなしえず」
ホンダは2020年代後半に電気自動車(EV)への採用を目指す全固体電池の実証設備を25年1月から動かす。子会社の本田技術研究所の大津啓司社長らが21日までに全固体電池の説明会を開き、既存の液体電解質のリチウムイオン電池に比べ、コストを20年代後半に25%、40年代には40%下げるとした。大津氏は「液体の電池では到達しえない目標。日本が一歩リードできる技術だ」と語った。 ホンダの全固体電池 既存の液
電動車特許で中国勢急伸 BYDが熱マネ、吉利は電池交換
世界の電気自動車(EV)市場が踊り場にあると言われている。ただ、中長期ではEVなど電動化の流れは疑いようがない。一過性の動きに翻弄されることなく、冷静な分析に基づく投資や研究開発の判断が重要になる。そこで電動化分野の特許情報に注目し、世界各国の有力企業の戦略をあぶり出す。 NIKKEI Mobilityは企業や業界動向に詳しい識者やジャーナリストの寄稿を掲載します。今回のテーマは電動車戦略です。知
航続1割伸ばすEV部品、AIが提案 ニデック系が支援ソフト
ニデック子会社で検査装置を手がけるニデックアドバンステクノロジーが電気自動車(EV)部品の開発を支援するソフトを開発した。電費やバッテリー出力、車体の材質などを入力すると、航続距離が最長となる部品の組み合わせを提案する。ニデックの設計ノウハウも取り込んだ。部品メーカーの開発ツールとして2024年度中にも販売を始める。 ソフトはまずバッテリー出力をはじめ、車体の材質・重さ、タイヤのサイズ、インバー
スバル、次世代アイサイトに画像認識AI オンセミと協業
SUBARU(スバル)は19日、運転支援システム「アイサイト」の次世代版開発で米半導体大手のオンセミと協業すると発表した。オンセミはスバルが手掛ける画像認識AI(人工知能)向けの専用センサーを提供する。 オンセミは車載向け画像センサーで世界シェア首位。両社は10年以上にわたり、アイサイトの開発で連携してきた。次世代アイサイトは画像認識AIを使った物体の識別機能を盛り込み、スバルが2020年代後半
横浜ゴム、自動運転車のタイヤ遠隔点検 T2と公道実験
横浜ゴムは19日、トラックの無人運転技術を手掛けるスタートアップのT2(東京・千代田)が実施する自動運転トラックの公道実証実験に参加すると発表した。タイヤの遠隔点検サービスを提供し、将来的な実用化に向け知見を蓄積する。 実証実験は、運転手が乗車し状況に応じて運転に介入する「レベル2」を想定する。11月から2026年3月までに東名高速道路と新東名高速道路の一部区間で実施する。 自動運転車両ではタ
ポルシェと車OS開発 米アプライド「ソフトのティア1に」
自動運転のテストツールを手がけるスタートアップの米アプライド・インテュイションが、次の一手と見据えるのが自動車のソフトウエア基盤(ビークルOS)だ。独ポルシェとの共同開発を決めた。アプライドのカサール・ユニス最高経営責任者(CEO)はNIKKEI Mobilityの取材に「消費者はソフトの品質で車を選ぶようになる」と語り、ソフトが主役の時代でティア1を目指す考えを明らかにした。 アプライド・インテ
不二越、ギガキャスト向けロボ 摩擦熱で鉄とアルミ接合
自動車の大型部品をアルミ鋳造で一体成型する「ギガキャスト」の普及を狙い、不二越が鉄とアルミを接合するロボットの開発を進めている。既に日本の完成車メーカーによる採用が決まった。車体の軽量化やコスト低減につながるギガキャストの普及が見込まれる中、課題となる素材が異なる部品の接合技術の開発が活発になってきた。 不二越は「摩擦攪拌(かくはん)接合(FSW)」と呼ぶ摩擦熱で素材を柔らかくして接合する技術を
トヨタ、水素エンジン搭載車の航続伸ばす HVや液化で
トヨタ自動車は水素を燃料とするエンジンを搭載した車両を巡り、航続距離の延伸を目指す。1つの方法がハイブリッド車(HV)の開発で、1回の水素充塡で走る距離を従来の水素エンジン車と比べて25%伸ばした試作車を開発した。気体の水素を液体にして搭載量を増やす液化技術などの活用も狙う。 サーキット「富士スピードウェイ」(静岡県小山町)で16日、試作のHVを報道陣に公開した。気体水素のエンジンを搭載し、商用
ルネサス、ADAS向けSoCに3ナノ採用 消費電力3割削減
ルネサスエレクトロニクスは14日、先進運転支援システム(ADAS)や車載インフォテインメントなどの複数の機能に対応するシステム・オン・チップ(SoC)を開発したと発表した。回路線幅を最先端の3ナノ(ナノは10億分の1)メートル級にして電力効率を約3割高めた。2025年前半にサンプル品の出荷を始め、27年後半に量産する。 製品名は「R-Car X5H」。現在主流の5ナノ品よりも消費電力を30〜35
トヨタSDV、カギ握る「抽象化」 50車種1000万台を強みに
トヨタ自動車がめざすソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)の事業モデルが明らかになってきた。開発するビークルOS(基本ソフト)「アリーン」は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など約50の車種を持つことによる複雑さを打ち消し、世界首位の販売規模を生かすことを狙う。カギを握るのが多様な車種の違いを覆い隠す「抽象化」の技術だ。米テスラや中国勢にない強みをSDVの競争力につなげられるか