平成23年2月16日 三次市文化会館にて、総合研究が開催。来賓として当協会の寺重理事より発表を講評
なお、当日の内容については、2月17日付けの中国新聞県北版にも掲載されています。
広島県立三次青陵高等学校の主催で、平成23年2月16日 三次市文化会館にて、総合研究発表会が開催されました。参加者の主体は、三次青陵高校の生徒ですが、三次市内の一部の中学校の生徒も参加されました。
発表の中で、2年次生徒「総合研究Ⅰ」 デユアルシステム(長期企業研修)、3年次生徒「総合研究Ⅱ」「薬について」、3年次生徒「バット立て校歌プレートの製作」、「イノシシ・鹿・熊撃退ロボット」について講評を行いました。
講評の中からの紹介 (その1)
(1)デユアルシステム(長期企業研修):研修で学んだ大切のことのひとつで「あいさつ」がありました。あいさつは人間関係を築いている手段の一つで、科学技術の分野でも大切なこと。20世紀初頭のアメリカのホーソン工場での実験を例にとり、人間関係は生産性にも寄与している。
(2)薬について:同じ大学の先生よりもコメントも引用。鎮痛・頭痛薬として知られているバッファリンなどの原料になるサルチル酸からアセチルサルチル酸へ合成をする実験は、大学の薬学部で行う実験とのこと。薬品名を分かりやすく紹介する手段として、19世紀にヤナギの木から分離されたことの歴史を取り入れたのは良い点であった。
講評の中からの紹介(その2)
3年次生徒「バット立て校歌プレートの製作
アルミ合金による鋳込みと鉄パイプを集めて、校歌プレートとバット立てを製作。設計から製作、慣性に至るまでの様子をレポート。NHK連続テレビドラマ「てっぱん」で町の鉄工所が身近な存在になっている点にも言及。学校の実習ではガス溶接を行い、その経験を生かす。母材を使ってうまく溶接ができたものの、ガス溶断は、トーチの位置調節が旨く出来ず苦労をしたのも貴重な経験。
「イノシシ・鹿・熊撃退ロボット」
県北でも鳥獣による田畑への被害が大きい。このため、駆除による方法もあるが猟銃の誤発射の危険性もある。被害防また、光や空砲、電気・鉄柵などで対処しているケースもあるが、中々、根本的な解決策に至っていない。赤外線センサで、動物の体温と背後の温度差を感知して動作する様に製作。
センサにより鳥獣が接近したときのみ、音を鳴らして騒音対策を最小限に抑える。音と光のみで対策するので、電気柵と比べて危険性が少ないなどの特徴を持つ。
講評の中からの紹介 (その3)
離れた場所から遠隔操作ができるのも、特徴の一つである。今回は最初に、会場から約10km離れた三次青陵高校からブロードバンドの環境を用いて操作。(映像配信もあり) また、操作をより簡単にするため、この後、市販のI-PADの端末機を用いて操作を行う。(実際、端末機を用いて、会場の観客席からロボットを操作する実験が披露された。)
実用化に向けては、まだ多くの課題(装置がまだ大型な点、屋外に設置するので、電源と防水をどの様に確保するかなど)はあろう。今後は、これらの課題の解決に向けて、より一層、実用化を目指してもらいたい。
| ホーム |