写真5-4 改良した三角木 正面からの撮影
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写真5-5 改良した三角木 上空へ向けた状態での撮影
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作成した前回の治具は傾けて使用する場合、地平からの角度が固定されている。(中央の位置の工作画用紙で固定した角度で重りを垂らして使用)この方法では任意の角度で使用することができない。
この解決策として、重りに接する工作画用紙(目盛の角度入り)を任意に位置で、移動できるように改良した。具体的には主軸からS字型の吊り下げフックを使用する。このフックは重りの重さを利用してフリーで動けるようにする。任意の位置の空に向けた場合、自重に重さにより重りは常に、地面に対して垂直になる。南中時の高い位置、あるいは地平線に近い低い位置でも使用できる。
9月頃から11月頃まで、今回の治具について製作した改良を加えた。10月22日の当日は、ほぼ快晴の天気だったが、金星が双眼鏡、望遠鏡でも観察できなかった。事前のリハーサルでも10月上旬に1日のみのわずか5分程度の時間だけだった。金星の明るさは最大離角の時ではない。観測日の当日は、最大光輝の時期ではなかった。条件がよいときは、肉眼でもかすかだが観察できるときもある。また機会をみてトライしてみたい。
また今回作成した治具は、横軸の長さを最大離角以上にとっている。金星のみの使用なら、最大離角まででよい。横軸の長さもその分短くなり、取扱や移動も楽になる。この理由は、月の観察にも使用したいために考えた。日没前からの三日月を望遠鏡でとらえるために、使用を予定している。過去に夕方から夜にかけての天体観察会を担当してきた。日程を決めるに当たり、過去の経験から月齢2~5あたりに決めている。日没後、薄明の時間から月を観察する方法を取り入れてきた。観測前の早い時間から月を見つけるのにも活用できること。天体の運行の説明で半月程度になった場合、離角がどのようになるのかを説明するにも、この治具が活躍すると考えたためもある。
タグとして2023年11月25日とする
補足
北極星や太陽を使用した緯度の測定方法は、昔からの天測と同じ原理になる。太陽は約30秒の見かけの大きさがある。夜の恒星と異なり、南中時刻から正式に緯度を決定することは難しい。しかし1度程度の精度なら太陽で転用できる。
吉村昭 著 「間宮林蔵」の著作の中で、江戸時代の樺太探検を行った記述がある。この中で伊能忠敬との関係や記述が興味深い。樺太探検を行うにあたり、間宮は磁石(磁針)を持っていた。しかしその大きさは小さく、柿の種のような形状で正確さには欠けていた。樺太探検で正確な地図を作るためには、精度の高い磁針が必要だった。しかしこの磁針では正確さに欠ける。このため5両のお金を知人に託して、伊能忠敬から磁針を譲りうけてもらうように依頼をした。樺太探検で幕府から支度金として支給された金額は12両であった。手持ちの資金のかなりの額をこの磁針のために費やした。それほどまでに価値が高いものではあった。
数か月して待望の磁針を得ることができた。その大きさは、約5㎝の長さで、先端がとがっている。とがった部分はわかりやすいように、赤色の色付けがされている。さらにメノウ製の台に設置してあったので水平が保て、かなりの精度があった。しかも当初は1台しか希望をしていなかったのに、同じものが2台もあった。伊能は間宮の熱意にも惚れていたのかもしれない。伊能の晩年には、病床で間宮も付き添っていた。
ただし実際の樺太探検は、周辺海域の船による方法が大半だった。本来なら地上での歩いての距離の測定などがあれば正確であったかもしれない。このため日本の国土よりも正確さがやや欠けていた。しかし地名としての間宮海峡の由来のように、樺太探検は大きな成果を上げたと思う。
最初に間宮林蔵が伊能忠敬にあったとき、測量の方法についての質疑応答があった。距離を測定するときにどのような手段で行う話になり、間宮は「主に徒歩で行う」と話した。その話を受けて伊能は、縄、竿、鉄の鎖の他に、量程車(りょうていしゃ)を示した。量程車は箱型で底に丸い円盤があり、回転しながら距離を積算していく。最初にこの量程車をみて、間宮は「便利なものだ」と話をした。しかし伊能は「道の状態が悪くて、全く役に立たないものだ」と話をして、お互いが苦笑したという。
下記のホームページによるとこれは、限られた狭い地域で限定的に使用された記述がある。量程車は、測量の際に土地の所有者の許可が得られないため、縄や鎖などによる方法ができない場合のみに活躍したとのこと。
http://www.mizunotec.co.jp/doboku/inou_sokuryou/inou
_sokuryou.html
研鑽をつめば、歩いて歩幅で測定する方法は、かなりの正確さがあるとのこと。しかし高低差があるので、どのような手法を用いても、高低差、緯度の差などを計測しながら地図を測定していく手法は変わらない。
参考サイト 間宮林蔵と 伊能忠孝との経緯を記述したサイト
http://www.asahi-net.or.jp/~xc8m-mmy/s01kika1.htm
経度の測定については、江戸と各地の差を元に行っていた。下記のホームページ。西洋の三角測量とは異なっているらしい。
https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E4%BC
%8A%E8%83%BD%E5%BF%A0%E6%95%AC
_%E6%B8%AC%E9%87%8F%E6%96%B9%E6%B3%95
下記のサイトに導線方と公会法の記述がある。
https://f.osaka-kyoiku.ac.jp/tennoji-j/wp-content/
uploads/sites/4/2020/09/41-05.pdf
伊能は天測で緯度の測定をかなり正確に行っている。この測定器は象限儀と呼ばれ、様々なサイズがある。天測用は一番大型(直径 180㎝の1/4)のもので、北極星が見えるように望遠鏡を使用。天の北極と北極星は約1°離れている。その目盛りは、細かい単位まで読み取れるように独特な方法になっていて、北極星に対して緯度をかなりの精度で読み取ることが可能だったそうだ。(対角斜線目盛)
当時の測量の方法は、伊能が独自に開発手法した方法ではないらしい。伊能自身が天測を含めた観測方法は記録を残していない。もし伊能独自の方法であれば、内弟子にも伝えたと思うが記録に残っていない。
測量用の縄は、藤などの伸縮の少ないものを使用したこと。複数回測量し随時、他の地点と補正をしながら行うこと。測量の結果はその日のうちに、和紙に記録するなど正確かつ丁寧な方法で行っている。今でこそ、人工衛星などで正確な地図がすぐに入手できるが、当時の伊能の功績は高いと私は思う。
(タグとして2023年10月13日とする)
写真23 太陽を中心に三角木の使用したイメージ
(地平座標を中心に考える)
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1陽を導入し、水平方向を決める。
(2)南側からのズレの角度(南中した場合の垂直方向のズレ)の分だけ回転させる。
(3)ズレの角度は、太陽の位置の変化(地平線に対しての公転面の傾き)により変わる。たとえば、9月23日(秋分の日)の朝、太陽は真東から観測地の90°‐緯度(三次市なら90-34.8=55.2°)に傾いて上がる。→地平線に対し55.8°傾いて、43°の離角で金星が上がることになる。(明けの明星として日の出前まで肉眼で金星が見られる)
2023年10月21日差し替え
図8 三角木を使用した時の動き
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2023年10月21日差し替え
写真24 各時刻の公転面の角度
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2023年10月21日差し替え
4. 赤緯・赤経座標と地平座標と違いの検証
2023年10月22日の観測会に向けて今回、自分なりに極軸合わせなどの準備などを行っていた。昼間の金星を望遠鏡で観察したい場合、極軸があっていれば、目盛環で導入できることは、多くの天文書籍で記載されている。
一方、今回、三角木のよる方法を今回、私は初めて知った。この方法は、公転面、太陽との離角などについて、三角木という実物の模型を使用して、観察したい空に向けて金星を探す。天の北極、赤経や赤緯などと違って、一般の人にも直観的に分かりやすい模型だと思った。改めて、望遠鏡による導入方法と三角木の導入方法の違いについて、自分なりにまとめてみた。
写真22 太陽を中心に 赤道儀を使用したイメージ
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(1) 太陽を導入し、赤経方向の右(西)へ 2:40(2時間40分) ずらす。
(2) 赤緯方向へ、上(天頂側)へ .7.2° ずらす。
(3)写真21の座標は、地平座標ではなく赤緯・赤経座標で移動する。 図9 太陽、金星の赤経、赤緯差の表示 →チェック用
2023年10月22日 10:00
① 太陽 赤経 13:45、赤緯 -10°53’
② 金星 赤経 10:32、赤緯 +6°45’
太陽を最初に導入し、赤経を西へ2:50、赤緯を+17.10’北(天頂方向へ移動させる)
2023年10月22日 10:00
① 太陽 赤経 13:45、赤緯 -10°53’
② 金星 赤経 10:32、赤緯 +6°45’
太陽を最初に導入し、赤経を西へ2:50、赤緯を+17.10’北(天頂方向へ移動させる)
(タグとして2023年10月11日とする)
図5 極軸合わせのイメージ
写真18 太陽を導入 西側からのテスト
写真19 太陽を導入 東側からのテスト 1
図6 極軸望遠鏡の見え方 天の北極と太陽
赤緯90°(天の北極に平行)で極軸望遠鏡は、天の北極に向ける。約1°離れた北極星を元に、離角と地表からの角度の差で計算する。内蔵の極軸望遠鏡は約1分の離角の位置に10分単位で目盛りが刻まれている。10月1日 10:00の時、北極星は約1時の方向になる。
図7 極軸望遠鏡の見え方 天の北極と太陽
赤緯を -0.3°とした仮想の天の北極とし、中心に太陽があれば、極軸があっていることになる。赤緯(垂直方向)が正確にあっていても、地平に対しての水平方向がずれている。このため架台を左右(水平方向)へ動かし、中央に持ってくる。
写真21 架台の水準器
(タグとして2023年10月9日とする)
赤道儀の赤緯目盛りの校正と昼間の極軸合わせの方法
1. 経緯と目的
(1)昼間の金星観測では北極星が見えない。
(2)傾斜地での観測地となる。
(3)赤道儀の赤緯の目盛環が正確に表示していないので補正する必要がある
(4)架台の下にある三角板はあるが、変形し水平になっていない。
2. 方法(条件)
(1) 赤道儀の架台内に極軸望遠鏡を内蔵している。
(2) 極軸望遠鏡に水平、垂直方向、角度の目盛りがある。(本来、北極星を使用して天の北極を補正して使用するため内蔵されている)
(3) 極軸望遠鏡に水準器が付属しているため、北極星が仮にみえれば、上記(2)の機構を使用して極軸を合わせることが可能になる。
3. 方法(概要):極軸合わせを北極星の代わりに太陽を使用する
(1) 最初に太陽の位置から極軸を合わせる
(2) 南中時刻のときに、赤緯の目盛環を補正する。
4. 手順 1 極軸合わせ
(1) 各時刻の太陽の地表座標(地平方位、地表高度)太陽の赤緯を調査する。
(2023年10月1日の例 10:00。 方位角度 136.8°、高度 43°15‘ )
(2) グーグル地図ソフトなどで北の大まかな位置を把握し、架台をセットする。
(3) 三脚などを利用して糸を付けた重りを(垂直線 A とする)使用し、太陽の地平高度を元に、南北線をできるだけ正確に長い棒やアスファルト上ならマジックなどでマーキングする。(マーキング用の長い棒をBと呼ぶ) 例 2023年10月1日 11:00時点で太陽の方位角度:156°(南北線から24°)。
(5) Bを使用して赤道儀の架台の南北方向を固定する。
(6) 仮に合わせた目盛環の赤緯をー0.3°(暫定値)に合わせ、赤経と赤緯を動かしながら、太陽の影が中央になるように固定する。
(7) 仮に合わせた太陽の移動方向を見ながら、架台の水平軸を移動させて、できるだけ天の北極が架台にあうように調整する。
5.手順 2 赤緯目盛環の補正
(1)南中時刻 11:58に太陽の地平高度は最大の52°56’で赤緯目盛りはー0.3°になっている。
(2)精密ドライバーで仮に合わせた赤緯目盛環をー0.3°に固定する。
5. 手順 3 最終チェック
(1) 南中時刻前後は、太陽の地表高度はほとんど変わらない。(例えば12:30~12:30の間は、 約0.5°)この間を利用して、新たに補正した目盛環の位置で、手順1を再度、行う。
(2) 手順1で左右の極軸を最終的に補正する。
写真16 南東側からのテスト
写真17 北側からのテスト
(タグとして2023年10月8日とする)
写真8 当日の観測の様子の外観
南東側から撮影
写真9 極軸合わせの時の様子
東側から撮影
写真10 極軸合わせの段階で
自家製 緯度測定治具による様子
写真12 赤経目盛
(2) テスト撮影 2
① 日時:2023年9月24日 11:30頃~14:30頃
② 場所:三次市生涯学習センター屋上
③ 観測機材:タカハシ 10×60㎜ 単眼鏡。MT-130(130㎜反射 赤道儀)
④ 結果:極軸合わせがうまくできず検出できず 詳細は下記参照
・組み立ての段階で赤緯の目盛がずれていた。(本来なら固定されているのだが)→12:00頃の南中時刻の太陽の最大高度、遠方の東西の水平に近い建物や山などの目標物を頼りに、精密ドライバーで目盛を修正したが、完全に修正できなかった模様。
・南中時刻(秋分の日の翌日で11:59頃)に太陽が最大高度となる。この時刻を利用して架台を左右の修正を試みたが、赤緯の目盛が正確でないためか、上手くできなかった。
・ファインダーのキャップを外し、約1m離れた白いパネルに太陽の像を映した。しかし光量が少なく、太陽の像が分かり難い。ファインダーの長さも短いので、ファインダーの影の形からの太陽の方向を知ることが難しい。
・メインの主鏡の影から太陽の位置の測定が可能かもしれない。以前、主鏡を落下させて、主鏡の前の部分が変形して真円でない。光を遮断させるために、この時は鏡筒の前にアルミスポンジシートをつけたが、このシートも真円ではない。
・マルチプレートと鏡筒の間には厚さ約10㎜の化粧合板を使用。プレートと合板の間は M10のボルトとナットで固定。しかしこの固定が不十分で、鏡筒と極軸とがずれていた可能性がある。また観測中にバランスが悪くなり、プレートの穴の下(西側)に少しずれていた。本来ならプレートの中心に鏡筒が位置している必要がある。
(1) テスト撮影 1
①日時:2023年9月23日 13;00~14:00頃
②場所:自宅から西側 150m 江の川東側の土手
③機材: タカハシ 10×60㎜ 単眼鏡
④結果:雲が多く検出できず
(タグとして2023年10月5日とする)
使用する望遠鏡:タカハシ製作所 MT-130 口径 130㎜、 f=6
参考サイト:天文我楽多工房
http://garakutakohbo.web.fc2.com/idea/setting/pol_set.htm
(1) 昼間の太陽を使用した極軸合わせ(ファインダーはキャップする)
① 架台を大まかに北方向へセットする。
② 水準器があれば、大まかでよいので、三角板の上で水平にとる。
③ 自作の傾斜角測定治具でマルチプレートに沿って三次市の緯度の32.4°に合わせる。
④ 当日の太陽を赤緯に目盛を合わせる。(2023年10月22日 10:00の場合、36.7°)→赤道儀の 赤緯目盛が正確であるのが前提
⑤ ファインダーの影を利用して赤経を回し太陽の位置へ導入。このときに大体、赤緯の緯度はあ っている見込み。→ただし、仮合わせなので実際には、太陽は水平方向がずれているので入っいない。
⑥ 赤緯の目盛を固定したまま、架台を水平方向へ動かし太陽をファインダーの画像を見ながら 極軸を調整する。
⑦ 上記⑥の操作を繰り返し、水平方向を固定して極軸を合わす。
(正確にあえば10月22日 10:00の時点で 赤経は13:45 赤緯は‐0.7°になる)
(2) 金星の導入
① 太陽の赤経目盛を当日の赤経時間に合わせる。(10月22日 10:00なら13:45 )
② 赤緯は固定したまま、赤経を移動する(10月22日 10:00なら 13:45-10:52=の西に向ける →2:53西へ移動)
③ 赤経を固定したまま赤緯を金星の位置に動かす。(+7.15天頂方向へ上げる)
④ 導入できたらモータドライブで追尾開始
(タグとして2023年10月4日とする)
金星観察用治具の作成記録 5
2023年10月22日の太陽、金星の位置などの各種データを計算した。また、当日の空の様子を天文ソフトで計算した。使用したサイトは下記の通り。
引用サイト:
お星様とコンピューター:http://star.gs/
太陽系と天体の位置:https://stdkmd.net/ssg/
KEISAN 生活や実務に役立つ計算サイト:https://keisan.casio.jp/
太陽系の天体位置 STUDO KAMADA: https://stdkmd.net/ssg/
つるちゃんのプラネタリウム:https://turupura.com/
表1 2023年10月22日の太陽、金星の位置 方位角、高度のデータ
太陽 | ||||
時刻 | 方位角 | 高度 | 高度 | 距離(AU) |
9:00 | 130.1 | 28.4 | 61.9 | 略 |
9:30 | 136.9 | 32.8 | 略 | |
10:00 | 144.60 | 36.7 | 58 | 0.679 |
10:30 | 152.7 | 40.2 | 略 | |
11:00 | 162.3 | 42.2 | 50 | 0.680 |
12:00 | 182.3 | 43.9 | 40 | 0.680 |
12:30 | 192.4 | 43.4 | 略 | |
13:00 | 202.0 | 41.2 | 28 | 0.680 |
13:30 | 211.6 | 38.9 | 略 | |
14:00 | 219.0 | 34.9 | 16 | 0.680 |
14:30 | 226.4 | 31.3 | 略 | |
15:00 | 232.0 | 23.5 | 4 | 0.68 |
表2 2023年10月22日の太陽、金星の位置 赤経、赤緯のデータ
太陽 | 金星 | ||||
時刻 | 赤経 | 赤緯 | 離角 | 赤経 | 赤緯 |
10:00 | 13:45 | -0.7 | 43°41“ | 10:52 | 6°45 |
11:00 | 13:45 | 略 | 10:53 | 6°44 | |
12:00 | 13:45 | 略 | 10:53 | 6°44 | |
13:00 | 13:45 | 略 | 10:53 | 6°43 | |
14:00 | 13:45 | 略 | 10;54 | 6°43 | |
15:00 | 13:45 | 略 | 10:55 | 6°42 |
写真 6 2022年10月22日 10:00 南の空の惑星の位置
つるちゃんのプラネタリウム シェア版 より
写真 7 2022年10月22日 12:00 南の空の惑星の位置
つるちゃんのプラネタリウム シェア版 より
図2 2023年10月22日 惑星の位置
図3 2023年10月22日 惑星の位置
左図2のプロット
(タグとして10月3日 その1 とする。)
写真2 改良三角木 上面からの概観 写真 4 改良三角木 側面からの概観
写真5-1 三角木の使用例
写真 5 改良三角木 水平式角度の詳細写真
三角木の改造
(1) 参考とした三角木を同じように作成してみたが、以下のように使い難い点があった。
① 太陽を入れる際に、工作画用紙を四角で約4㎝×5cmを切り取る。四角形の大き目に切り取るのは、強烈な太陽の光を遮るため直接、見ないようにするためであるが、中心の位置決めが難しい。
② 金星の離角は事前に計算しておき、中心からの長さなどをその都度、計算をするが、離角の角度がどれほどなのかイメージが分かり難い。
③ 垂直線からの傾きは、錘で調整する。参考とした錘の位置は、三角木の一番遠い位置にあった。しかし距離が離れているために見にくい。
(2) 上記を解消するために、自分なりに以下のように改造する。
① 太陽を導入する際に遮光用のための赤色のクリアシートを数枚重ねて遮光した。太陽の角度、雲の有無などで太陽の光は変化する。クリアシートを重ねることで調整した。
② 三角木の観測する目の位置に近い部分に、簡易的な水平式角度計を取り付けた。
③ 錘付きの垂直式角度計は、目標の中間点の近い位置に取り付けた。
(タグとして2023年10月2日とする)
写真 1 三角木の例
大日本図書 星や月 昼間の金星観察用具
https://www.dainippon-tosho.co.jp/star/special/kinsei/index.html
この治具は、作成の例では約50cmと約40cmの木製の細い棒を直角に組み合わせT型とする。
写真1は上記サイトからの引用。肉眼で金星と太陽の位置を等倍ファインダーのように導入する原理となっている。太陽、金星は、観測方向に向けて使用するが、一定の角度で傾けて使用する。太陽が観測時刻に真南(南中)になっていれば、角度を傾ける必要がない。しかし実際には南中の時刻以外で観察するため傾けて使用する。また傾ける角度も計算する必要がある。
(タグとして2023年9月30日とする)
1.目的
2023年10月22日 みよし風土記の丘 秋祭りで、「昼間の金星を観察する」のテーマを担当することとなった。望遠鏡を使用すれば昼間でも金星を観察することができる。金星を望遠鏡で導入する方法は様々ある。望遠鏡が固定されている場所で観察する場合、赤道儀が固定されている場合は赤経、赤緯の目盛を合わせれば導入が容易にできる。
それに対して望遠鏡を移動して使用する場合、金星を導入する際には工夫が必要となる。最近は天文ソフトがスマホアプリでも普及し、金星の位置は空に向かってかざすと、大まかな位置を知ることができる。確かにこの方法は簡単ではあるが、太陽との離れている位置、距離、地平線を基準した見え方などの原理は分かり難い。古典的な手段ではあるが、改めて太陽と金星が離れている角度(以下:離角と略す)、移動していく金星をどのように探すかについて自分なりに検討した。
赤道儀式の望遠鏡は手持ちにあるが当日、会場まで移動して使用する。観測場所は傾斜地で視界に多少制限があり、赤道儀の極軸合わせがやや難しい。反射式望遠鏡のため屈折式と異なり、太陽への導入方法など多少の工夫が必要とも考えられた。
このため極軸の合わせ方、最初に太陽の位置合わせをするための工夫について検討した。合わせて観測用の治具を一部改良し、赤道儀式ではなく簡易的な導入で金星を見つける方法を考えた。また治具を使用する際に、どのような原理に基づき活用していくかについても合わせて検討した。
(タグとして2023年9月29日とする)
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