2013/02/26
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韓国初の女性大統領、朴槿恵氏が就任 経済格差の是正訴え
(CNN) 昨年12月の韓国大統領選で勝利した朴槿恵(パククネ)氏(61)の就任式が25日に行われ、同国初の女性大統領が誕生した。
朴氏は朴正熙(パクチョンヒ)元大統領の長女。元大統領は韓国近代化の基礎を築いた人物と評価される一方で、人権軽視や反対派弾圧が批判の的となった。朴氏は選挙前に元大統領の独裁と弾圧を認め、被害者に謝罪した。父親の「負の遺産」を清算できていないとの声も根強いなか、所得格差の是正や財閥規制を訴え、得票率52%で当選した。
北朝鮮に対しては李明博(イミョンバク)前大統領よりも柔軟な姿勢を示し、南北間の信頼構築に努める方針だ。
経済政策では、「漢江の奇跡」と呼ばれた朴元大統領時代の高度経済成長の再現を目指すと表明している。(
CNNより抜粋)
中国、朴政権に好意的 “対日共闘”へ友好演出
【北京=矢板明夫】中国外務省の華春瑩報道官は25日の記者会見で、韓国の朴槿恵大統領の就任について、「中国は韓国と大変良好な関係にあり、今後ともに各分野における友好交流を進め、両国間の戦略的協力関係を充実させていきたい」と述べた。
中国は就任式に女性の劉延東国務委員(共産党政治局員)を派遣したが、報道によると、劉氏は同日、ソウルで朴大統領と会談し、「両国関係を充実させるためにさらに緊密に協力する」ことで一致、両国首脳の相互訪問について調整することを確認した。
これまで外国首脳の就任式にはワンランク下の中央委員級の幹部を送るのが一般的で、5年前の李明博氏の就任式に参加した唐家●(=王へんに旋)国務委員(当時)は政治局員ではなかった。
中国外務省関係者は劉氏について、「近年まれに見る大物特使だ」と指摘する。教育、衛生などを担当する劉氏に外交経験はほとんどないが、共産党内で最も地位の高い女性であることを理由に選ばれたという。中国が朴氏を重視していることをアピールする狙いがあるとみられる。
近年、中国の漁民が韓国の排他的経済水域(EEZ)で不法操業するなど、中韓の間にはさまざまなトラブルがあり、両国の国民感情も決して良いとはいえない。しかし、沖縄県・尖閣諸島問題などをめぐり、対日、対米関係が悪化するなか、習近平指導部は韓国の新政権と良好な関係を築くことで、外交環境を改善したい思惑があるとみられる。
中国政府系シンクタンクの研究者は、「(習政権にとって)日本との歴史認識や領土問題などで、朴政権と共闘できれば理想的だが、少なくとも安倍晋三首相が主導する“中国包囲網”への韓国の参加は阻止したい」と指摘している。(
産経より抜粋)
くすぶる「慰安婦」「竹島」 対日関係探る朴新大統領
韓国の朴槿恵新大統領は25日、大統領就任式後に約25分行われた麻生太郎副総理兼財務相との会談で、日韓の未来志向の協力のために歴史認識が重要だとの考えを示した。政権発足に当たり日本側にクギを刺した格好で、朴新政権下においても両国間で島根県・竹島や慰安婦問題はくすぶり続けるとみられる。日本側は北朝鮮に対する日米韓3カ国の連携を維持しつつ、朴氏の出方を慎重に見極めながら安倍晋三首相との首脳会談を探る方針だ。
日本政府は韓国の李明博前大統領が悪化させた日韓関係の改善のため、朴槿恵大統領の就任を前に秋波を送り続けてきた。
しかし、22日の「竹島の日」に安倍政権が派遣した政府代表を閣僚ではなく政務官に格下げした配慮も、韓国のメディアや世論には通用しなかった。
朴氏は就任演説で、グローバリズムの中で不安定化する世界経済情勢や、ミサイルや核の開発をやめようとしない北朝鮮の存在など、韓国をめぐる情勢は厳しさを増しているとの認識を示している。
同行筋によると、麻生氏と朴氏との会談で両氏は、北朝鮮問題を含め「国際平和と北東アジアの安定にとって緊密な協力が重要だ」「日韓の協力関係が重要だ」との認識で一致した。
ただ、朴氏は日韓国交正常化を果たした朴正煕元大統領を父に持つことから、野党など反対勢力はことあるごとに「親日派」として攻撃する。朴氏側にとって「歴史認識」は特に譲れないポイントだ。
また、韓国憲政史上最多の得票で大統領となったものの、選挙は接戦で国内には約半数の反対勢力がいるとされ、各種世論調査の支持率も40%台と、政権発足時75%を超えた李明博前政権を大きく下回っている。
「竹島の日」式典への政務官派遣について、韓国側の抗議が別所浩郎駐韓大使ではなく公使にとどまったことを、日本政府は“変化の兆し”と解釈しているが、朴政権下で関係を劇的に好転させられるかは確信を持てないでいる。(
産経より抜粋)
朴槿恵大統領 「奇跡」再現へ日韓協力を 安倍首相は早期会談に動け
韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領の時代がスタートした。初の女性大統領で、しかも親子2代の就任である。父の朴正煕元大統領は1965年、日韓国交正常化を実現した決断の人だった。娘の朴槿恵氏も「度胸と品位の指導者」といわれる。
就任をお祝いするとともに、世界で重要な位置を占めるに至った国の新指導者として成熟し安定感のある内外政策を期待したい。
朴槿恵氏は両親ともに政治テロで失うという数奇な人生を歩んできた。政治家の経験は15年だが、その前に青瓦台で同じぐらい過ごしている。父がテロで倒れた時は27歳だったが、悲報に接しての最初の言葉は「南北休戦ラインは大丈夫ですか?」だったという。
≪中国への注文忘れるな≫
指導者としての心構えは十分できているとみていい。
韓国はその後、成長を続け、戦後の世界で「途上国として経済発展と民主化を実現した最初の国」と呼ばれる。「援助される国から援助する国」になったのである。今や経済力では世界の上位を占め、文化やスポーツなどを含め国際的に注目される存在だ。
韓国では近年、国際化や先進国化がよく語られる。「国際化」という意味では、既に国連事務総長は韓国人だ。現在、韓国は国連安全保障理事会の議長国である。今や国際社会に重要な責任を負う国になったのだ。
朴槿恵氏が国際関係で日米韓協力体制の維持、強化を強調しているのは大いに歓迎できる。核実験を繰り返す軍事独裁国家・北朝鮮の脅威に対応するためには、これは不可欠である。
同時に、朴槿恵氏はこれまで中国との親しい関係が伝えられる。就任演説でも、「米、中、日…」と中国を2番目に挙げて重視している。経済を中心とした韓中関係の深まりを背景に、中国への配慮は当然かもしれない。
しかし中国の軍事的膨張、領土問題に見られる覇権主義的態度、さらには北の核開発への「黙認」などを見過ごしてはならない。中国指導部との親しい関係を通じ必要な場面では、中国を厳しく説得し、注文してもらいたい。
大きくなった韓国は以前のように他国に不平、不満、批判ばかり言ってすむ状況ではなくなった。国の品格として、国際協調や国際貢献とともに、国際的マナーに合った行動が求められている。その点でいえば、日本との関係では、いまだ国際的感覚に欠けているようにみえる。
韓国社会でしばしば見られるいわゆる「反日無罪」がそうだ。例えば、在韓日本大使館前の慰安婦記念像は国内的にも国際的にも不法な存在だが、今なお放置されたままだ。日本への批判、非難なら「何でも許される」という感覚は韓国の品格にふさわしくない。
≪「反日無罪」は品格欠く≫
朴槿恵氏は、就任演説でまず経済を課題に挙げ、「第2の漢江の奇跡を起こす」と宣言した。昨年度の成長率は約2%で、既に低成長時代に入りつつある。高齢化社会も急速に進行中だ。「増税無き福祉」が公約だが、その実現にはかなりの困難が予想される。
いずれも日本が経験してきた道である。日韓は領土問題や歴史問題を除けば、高齢化対策などでいくらでも協力し合えるのだ。
韓国に国民感情があるように、日本にも国民感情がある。李明博前大統領の竹島上陸や天皇陛下への謝罪要求は、日本の国民感情をいたく傷つけた。日本人の多くはこれを挑発と受け取った。
相手を批判、非難ばかりしながら協力というのは難しい。相互理解とは自分の立場や考え方を相手に押しつけることではない。抑制と同時に、時には不平不満を互いに棚上げにする知恵がほしい。
朴槿恵氏の父は対日関係改善を追い風に利用して韓国発展の基礎を築いた。日本との協力関係がいかに重要だったかは、南北の発展の格差を見れば明白だ。そのことも改めて確認したい。
就任式後、朴槿恵氏と会談した麻生太郎副総理は安倍晋三首相の祝意を伝えた。日韓新政権が未来志向で緊密に協力することでも一致したことは評価できる。
だが、本来は首相自ら出席すべきだった。祝賀訪問として互いに懸案抜きで会えば、首脳同士が親近感を確認するいい機会だったはずだ。安倍首相は早い時期に初会談の場を設定し、胸襟を開いて信頼関係を築いてほしい。(
産経より抜粋)