2020/02/29
やはりというべきか、案の定というべきか、今回のコロナウイルス騒動に「天空の富嶽なクロスボンバー」も加わったようでして…(;´д`)トホホある意味
「自主防衛なくして同盟なし&同盟とは相互扶助」&
「令和の大攘夷体制」の履行&構築で
「諸外国並みの危機管理体制確立」するいい機会では?(思案)
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新型肺炎で北朝鮮崩壊、3つのシナリオ
2/28(金) 6:01配信 JBpress
北朝鮮は米国などによる制裁に加え、1990年代の飢餓以来、穀物生産が最悪の落ち込みを見せており、約1000万人(人口2489万人の約40%)が深刻な食料不足に陥っていると見られる。
金正日が政権継承直後の1995年から98年にかけて約300万人が餓死したが、現在、金正恩朝鮮労働党委員長の下でも、深刻な食糧不足の危機が差し迫っている。
中国で発生した新型肺炎は、それに追い打ちをかけるように北朝鮮に「ダブルパンチ」を見舞う可能性がある。
新型肺炎拡大で中国から北朝鮮向けの物流が途絶し、食糧を含む支援が大幅に低下する事態となり、北朝鮮人民は文字通り「命綱」が絶たれる事態になった。
それに加え、北朝鮮国内で新型肺炎の感染が拡大すれば、食糧不足で免疫力が低下した人民は夥しい犠牲を強いられる恐れがある。
食糧不足による飢餓の深刻化と新肺炎による夥しい人命の犠牲は、金王朝(金正恩)の体制崩壊につながる可能性がある。
本稿では、北朝鮮の体制崩壊事態がいかに生起し、その後どのように展開するのか、具体的に分析をしてみたい。
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■ 北朝鮮の体制崩壊3つのシナリオ
飢餓と新型肺炎によるダメージが起因する北朝鮮の体制崩壊のシナリオは無数にあるだろう。本稿では筆者が最も可能性が高いと思う3つのシナリオについて分析する。
筆者の考えるシナリオは以下のとおりである。図と併せてご覧いただきたい。
シナリオ1:飢餓と新型肺炎などの蔓延により暴動・反乱が生起し、最終的には金正恩が殺害される場合。
ルーマニア革命(東欧革命の中で唯一多数の市民の流血を伴った革命)がモデル。後継体制がスムーズに決まる場合と抗争・内紛に発展するケースがあろう。
シナリオ2:金正恩氏が死亡(病死、事故死、暗殺など)した場合。
金日成・正日の死亡がそのモデル。後継者がすんなりと決定する場合と抗争・内紛に発展するケースがあろう。
シナリオ3:図の通り、シナリオ1もシナリオ2も共に金正恩氏の死亡・暗殺以降は、同じ推移((1)後継者がスムーズに決まる場合と(2)抗争・内紛が起こる場合に分かれる)を辿ることになる。
それゆえ、本稿では「金正恩氏殺害から内紛抗争に至るまで(シナリオ1)」、「金正恩氏死亡から内紛抗争に至るまで(シナリオ2)」および「内紛・抗争以降の展開について(シナリオ3)」という3つの区分で説明することにする。
■ 新型肺炎の流行で暴動発生(シナリオ1)
シナリオ1は、北朝鮮人民は、飢餓と新型肺炎による死の恐怖が引き金となって、暴動や反乱が起こり金正恩氏を殺害するという展開である。
飢餓の苦しみと新型肺炎による死の恐怖が金正恩氏による弾圧よりも勝れば、人民は金正恩に挑戦する道を選ぶことになる。
このシナリオを理解するうえで参考になるのはルーマニア革命であろう。
チャウシェスクのルーマニアと北朝鮮は酷似
ルーマニアはチャウシェスク個人の独裁国家であり「チャウシェスク王朝」と呼ばれた。
この点、3代にわたり続いている「金王朝」と瓜二つだ。
2つの王朝は、「経済の疲弊で苦しむ人民と、贅の限りを尽くす独裁者で、人民怨嗟の的」という点でも酷似している。
金正日は、チャウシェスク夫妻が軍により処刑される映像を見て戦慄したといわれるがそれは、自分と人民の関係がチャウシェスクと同じであることが理由だったからではないか。
ルーマニアでは、1980年代に入ると経済政策で失敗し、国内経済の疲弊が始まった。
チャウシェスクは、対外債務の返済のために外貨を稼ぐ目的で国内の消費を切りつめて輸入を抑制する一方、国民の生活必要物資の輸出までも強行した(飢餓輸出)。
これにより、国民の生活水準は著しく低下し、多くの国民は飢餓状態に陥り、燃料にも困る状態になった。
その一方で、チャウシェスク自身は豪華な宮殿を建設し、一族を要職に就けるなど国民生活を無視するような政治を続け、国民の間では独裁政権に対しての不満が日増しに強くなった。
この有様は、国民生活を犠牲にして贅の小限りを尽くす金王朝3代と酷似している。
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ルーマニア革命の経緯
1989年12月16日、ルーマニア西部辺境のティミショアラでデモが発生した。これに対して治安警察が発砲、多数の死傷者が出た。
12月21日 、首都ブカレストで約10万人を動員した翼賛集会でチャウシェスクの演説中にティミショアラ事件に抗議する若者2人が2発の爆弾を爆発させた。
この様子は、国営放送で生中継されていたが、群集が爆発でパニック状態になっている姿を見てチャウシェスクがたじろぐ姿が映し出された。
この爆発が引き金となって「チャウシェスク翼賛集会」が真逆の「独裁への抗議集会」に激変した。
これに対して治安警察が発砲し、多数の死傷者を出す事態となった。軍隊も動員されたが、車両で抗議集会の妨害をする程度にとどまり、直接市民を殺傷することはなかった。
この状態に危機感を覚えたチャウシェスクはミリャ国防相に対し、軍隊による群集への発砲を指示した。
国防相はこの命令を拒否したためチャウシェスクの逆鱗に触れ、その後ミリャは自室で死体となって発見された。
翌日、国営放送は「国防相が自殺した」と報じたが、市民の間では「処刑」の噂が広まった。
軍首脳の中にも国防相処刑説が広がり、これが大統領に反旗を翻すきっかけとなった。同日夜には軍隊が広場に集まる市民の側に立ち、共産党本部等の政府機関の占拠が始まった。
12月22日、チャウシェスクはブカレストから脱出し、政権は崩壊した。
チャウシェスクは妻や側近と共にヘリコプターでの脱出を図ったが、逃亡劇において多くの裏切りに遭いついには逮捕された。
12月25日、チャウシェスク夫妻は「大量虐殺と不正蓄財の罪」により死刑判決を受け、即日銃殺刑が執行された。
ルーマニア革命の注目点は、
(1)チャウシェスクの暴政に国民の不満が沸点近くまで上昇していたこと
(2)軍がチャウシェスク側から国民側に転じたこと
(3)ソ連が介入する意思も能力もなかったこと
の3点である。
飢餓と新型肺炎で暴動・反乱が起き金正恩氏が殺害される場合
ルーマニア革命前夜のように、北朝鮮は金王朝3代にわたり、人民は圧政・飢餓などに苦しんでいる。
それに耐えられずに脱北する者も後を絶たない。その点では、ルーマニアと同じように、機会さえあれば金正恩体制に対して暴動や反乱を起こす下地は出来上がっている。
それに対して、金王朝3代は国民に対する監視・統治を強化し、軍を手懐け、軍は人民の暴動・反乱を封殺してきた。
しかし、飢餓と新型肺炎(コレラや結核も)の蔓延が深刻化すれば、人民の暴動や軍の反乱が自然発生的に起こる可能性がある。
その様相は、ルーマニア革命がヒントになろう。
首都平壌から程遠い、国境の僻地で起きた小規模デモが平壌に飛び火し、首都を中心に燃え上り、金体制を打倒しようという大規模な暴動・反乱に発展するケースだ。
その際、金正恩氏は、父の金正日が「先軍政治」で手懐けたはずの人民軍に鎮圧を命ずるが、軍やそれに背いて人民側に与する。
挙句には、軍と人民は手を組んで金正恩氏を処刑するというシナリオだ。
人民の暴動・反乱のほかに、軍のクーデターが考えられる。実は、これまでにも何度かクーデター未遂が起きている。
1992年には、軍のソ連留学組のエリートが中心となり、金日成・正日親子の暗殺を計画した。
1994年には朝鮮人民軍第6軍団が蜂起を計画したが、いずれも実行前に情報が漏れ、制圧されている。
もしも、金正恩氏が処刑されることなれば、その後は金正恩体制に替わる権力体制がスムーズに確立される場合と、抗争・内紛に発展する場合とがあろう。
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■ 金正恩死亡の場合(シナリオ2)
シナリオ2は、金正恩氏が、病気、事故、暗殺などで死亡するという展開である。
新型肺炎で金正恩氏が死亡する可能性は低い。とはいえ、彼が過度の肥満であるのは明白で、糖尿病の疑いもあるほか、心臓・腎臓疾患という家族歴もある。
そんな彼に、飢餓に加え新型肺炎の流行で人民の死亡が激増する事態になれば彼に対する怨嗟の声は高まるのは必至だ。
それが彼のストレスを高め、健康を損なうリスクに繋がる。
また、3代も続く金王朝政権は、体制を維持するために鎖国状態を続けているが、今に至るも人民の生活を改善できる展望が開けない。
人民の不満を背景にレジームチェンジを図る目的で、金正恩氏の暗殺を狙うグループが出てくるのは当然だ。
北朝鮮が「お荷物」と感じる中国はそれを狙っている可能性もある。
金日成、正日が死亡した際は、「白頭山の血筋」を引く後継者が決まっていた。
しかし、金正恩には3人の子供がいると言われるが、後を継ぐには早い。まるで、豊臣秀吉と秀頼の関係に似ている。
それゆえ、金正恩氏が死んだら後継者問題は難題になろう。金正恩が重用している妹の金与正(キム・ヨジョン)が過渡的な「女帝」になる選択肢もある。
しかし、金正恩氏が後継する際に後ろ盾となった叔母の金敬姫とその夫の張成沢のような後見人は見当たらない。
現状から判断すれば、後継問題で紛糾し、抗争・内紛が始まる可能性は高い。
■ 内紛・抗争以降の展開について(シナリオ3)
シナリオ3においては、後継体制を巡り抗争する北朝鮮内の各派閥に加え利害関係を持つ米国、中国、ロシア、韓国が深く関わることになろう。紙幅の関係で要点のみ簡潔に述べる。
内紛・抗争後の展望
北朝鮮内の各派閥に加え利害関係を持つ米国、中国、ロシア、韓国が関わる抗争・内紛は、次の3つに収束するパターンが考えられる。
(1)(従来通り)親中体制の誕生
(2)韓国による統合
(3)中国による併合
これらに加えて、最悪の場合は
(4)第2次朝鮮戦争にエスカレートする可能性も排除できない。
また、「(2)韓国による統合」の場合も「統一朝鮮国家(仮称)」の外交スタンスは「中立」「親米」「親中」のパターンが考えられるが、地政学的に見て「親中」となる可能性が高いだろう。
コップの中の嵐:中国の影響が支配的
朝鮮戦争以来70年近くも続いた半島を「韓国と北朝鮮に分断した枠組み」は米国、中国、ロシア、韓国が受け入れられるものであった。
シナリオ1・2のように、金正恩氏が死亡して体制が崩壊しても、これらの4国は基本的には、北朝鮮の内紛・抗争を「コップの中の嵐」に留め、後継体制がスムーズに決まることを望むだろう。
これまで中国が北朝鮮の事実上の宗主国であった関係から、後継体制の決定は中国の強い影響下に置かれるだろう。
波乱要素:第2次朝鮮戦争の芽
米国と韓国は、北朝鮮におけるクーデター、革命、大規模亡命・大量脱北、大量破壊兵器流出、北朝鮮国内における韓国人人質事件、大規模自然災害、その他「体制を動揺させる急激な変化」が発生した場合に備えて作戦計画5029(OPLAN 5029)を策定済である。
冷静に判断すれば、韓国の経済力・人口では破綻状態の北朝鮮を統一するのは至難であろう。
韓国は、現実的には、統一は望まないはずだ。
しかし、政府の一部には、千載一遇の「統一のチャンス」と捉え、韓国軍を限定的に「38度線」から北進させるかもしれない。
そうなれば韓国軍が北朝鮮内の抗争・内紛に巻き込まれる可能性がある。
韓国軍が限定的とはいえ北進させれば、中国も軍事介入し、結果として米国も巻き込んで第2次朝鮮戦争にエスカレートする可能性が出てくる。
一方の米国は、このドサクサの機会に北朝鮮の核・ミサイル・ノウハウを完全に破壊・撤去することを望むだろう。
米軍はそのために空爆や海兵隊を投入する作戦計画を有しているはずだ。
もしも、その計画を発動すれば、中国が敏感に反応して、米中が戦端を開く可能性がある。
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■ 結言
新型肺炎は従来の世界秩序を変える「世界的な世直し」に繋がる可能性がある。
特に、朝鮮半島においては朝鮮戦争以来の大激変が起こるかもしれない。
日本は、「金正恩体制の崩壊」などと言葉だけで片づけることなく、そのシナリオについて深く究明し、それが日本に及ぼす脅威を徹底的に分析し、それに対する備えをしなければならない。
筆者は、浅学にもかかわらずその一案を示した。(
Yahoo!より抜粋)
韓国文政権の寿命に新型肺炎「失策」で赤信号、元駐韓大使が解説
2/28(金) 6:01配信 ダイヤモンド・オンライン
● 文在寅政権にとって新型肺炎は 優先課題ではなかった
文在寅政権にとって、今年は成し遂げなければならない2つの重要な課題があった。それは、(1)北朝鮮との関係改善をよりいっそう進め、南北平和共存を図るとともに、南北経済協力を進めること、(2)4月15日に行われる国会議員選挙に勝利し、左派長期政権の基盤を固めることだ。
しかし、新型コロナウイルスによる肺炎(新型肺炎)のまん延によって、この2つには赤信号がともってしまった。
北朝鮮は国内に新型肺炎に感染した人はいないとしきりに否定しているが、既に原因不明の高熱を出した人がいると伝えられ、その人を銃殺して直ちに火葬したとの噂が広がっている。また、新型肺炎対策の一環で中朝国境を閉鎖した影響で、北朝鮮の食糧・物資不足が加速している。北朝鮮は金正恩政権の存続を確保することで手いっぱいであり、韓国との関係改善の余裕などないのが現実だろう。
もっとも、北朝鮮の状況については不明な点が多く、北朝鮮との関係については次回以降に譲り、本稿では韓国の状況に絞って論じていく。
韓国では2月27日夕方現在、感染者1766人、死者13人が確認されている。感染者のうち、大邱・慶尚北道が1477人で、両地域が全体の約83%を占めており、集団感染が発生したことが被害を大きくしている。既に感染者数は中国に次いで2番目の多さになっており、感染急拡大を招いた最大の要因は、文在寅政権の対応のマズさにあったといえる。
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● 文政権は国会議員選挙で 勝つことを優先した
対応のマズさを端的に示したのは、政策の優先順位を誤ったことだった。
文大統領は13日、大企業のトップを招いた席で、「コロナは近く終息するだろう」として通常の企業活動を続けるよう求めた。さらに21日には、消費業界関係者を招いた席でも「防疫と経済の2匹のウサギをどちらも捕らえなければならない」として、「ツートラック」戦略を改めて強調した。
文大統領の頭の中には、世界中のリーダーが考えている「防疫が最優先で経済はその次」という優先順位は存在しなかった。これは4月の国会議員選挙において、文政権の経済運営が最も重要な争点になるとの意識があったからだろう。
その上で文大統領は、「一部のメディアが過度に恐怖や不安を大きくして経済心理や消費心理を極度に萎縮させている」とメディアへの批判を強めた。
政権幹部も新型肺炎に対する危機感のない発言や行動が目立った。
集団感染につながる懸念のある集団行事は延期すべきではないかとの専門家の警告にもかかわらず、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は「外食産業(自営業者)を助ける気持ちで外部の食堂を利用せよ」とまで言ったと伝えられている。
また朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官は、数十人の感染者が確認された直後の19日夜、KBSとのインタビューで「地域社会で感染が拡大する時期が来るということを“実は”予測していた」「予想していたことなのでそれほど慌てていない」と語っていたと中央日報は報じている。
そのような予測をしていたのなら、大統領やその側近の発言や行動を、国民はどう読み取ればよかったのか。保健福祉部長官は事実を大統領に報告していなかったというのか。
青瓦台は感染者が少なかった時期から、前もってヘリコプターを動員して空中防疫していたし、青瓦台の進入路も徹底して防疫をしていたようだ。こうした対策をより強化して、まん延を防ぐ努力をどうしてもっと続けなかったのだろうか。
文大統領が言うように「防疫は重要」で「経済も重要」であることは議論の余地がない。特に文大統領にとって今年の国会議員選挙に勝つためには経済を犠牲にはできない。しかし、そのため防疫がおろそかになって感染拡大が始まってしまうと、拡大を抑制するのはますます困難になる。結果として経済の被る犠牲は、当初から防疫を最優先にするよりはるかに大きくなることをなぜ考えなかったのか。新型肺炎の抑制は「危機管理」の問題であり、選挙対策より優先されるべき問題であるはずだ。
国会議員選挙に意識があるにしても、まず新型肺炎を落ち着かせた後、経済の回復を図るべきである。順序が逆になったところに現在の悲惨な状況がある。
● 中国への遠慮が 感染拡大を招く
国内での感染拡大を防ぐ対策が生ぬるいのと同様に、海外からの流入を防ぐ対策についても、有効な手は打てていない。
文政権は日本に追随し、中国武漢市及び湖北省からの外国人の入国を規制した。だが、大韓医師協会などは規制する対象者を中国全体からの入国に広げるべきだと主張し、それに同調する70万人以上の人々が要望書を提出した。しかし、青瓦台はこれを拒否している。
入管行政の責任者である秋美愛法務部長官は19日、「国際社会は韓国の感染病拡散遮断について、効果的だと評価している」と自画自賛した。しかし、この発言が行われた日に韓国の感染者はそれまで30人程度と安定していたのが一気に20人増えて50人となり、翌20日には100人を超えた。
24日にも、金剛立(キム・ガンニプ)中央事故収拾本部副本部長(保健福祉部次官)は「現在としてはこの水準で維持するのが妥当だと思う」と述べた。また、丁世均(チョン・セギュン)首相も「韓国人も中国に出入りしなければならないため、われわれが何らかの措置を取れば相互主義のようなものも働くかもしれない」として否定的な見方を示した。
しかし、中国から韓国に留学している学生のうち、冬休みで中国に帰っていた留学生3万8000人が、新学期を前に今週にも韓国に戻ってくる。高麗大学の予防医学教室のチェ・ジェウク教授は、このうち少なくとも69人、多ければ813人が『感染危険群』と推計される」と指摘し、「入国禁止措置を急がなければならない」と警告している。
韓国に戻る中国人学生への対応を誤れば、韓国国内の新型肺炎はますますまん延するだろう。入国を拒否するのか、二週間程度隔離するのか決断すべき時が迫っているが、韓国政府は何ら決断を下していない。
そんな韓国の、中国の反発を恐れた優柔不断な態度を知ってか知らずか、中国は「新型コロナウイルスが韓国から逆流入するのを遮断」するとして、一部の国際空港では韓国発の航空機に対する防疫強化を始めている。
一体、何のために中国に気を使っているのだろうか。
● 宗教団体に責任を 押し付ける文政権
感染者数の激増に直面している文政権は、責任を感じて対策に本腰を入れるどころか、他人に責任を転嫁しようと躍起になっている。
そもそも、文政権は発足当初から責任転嫁が多かった。経済政策と不動産政策の失敗など、他者へ責任転嫁した例は数え切れない。今回の新型肺炎についても、新興宗教団体「新天地イエス教会」に責任を転嫁している。
文大統領は23日、新型肺炎の危機段階を「警戒」から「深刻」に引き上げた。文大統領は、「新天地イエス教会集団感染前と後では全く状況が異なる」として同教会について七回言及し、「信者たちに対して特段の対策を取っている」と述べた。だが、政府の初期対応の失敗については言及せず、謝罪もしなかった。
その間に新型肺炎の感染拡大は進行しており、教会ばかりでなく、国会の休会や裁判所の休廷、慶尚北道亀尾市の工業団地内のサムスンやLGなどの企業の操業停止など、政治、経済、社会活動にも影響を及ぼしてきている。
韓国で最大の感染経路となった「新天地イエス教会」は、1月に教組の兄の葬儀を清道テナム病院で行ったが、この時、新天地の中国支部(武漢)から来た人も参列したといわれており、感染を広めた31番目の患者を含め多数がここで感染したようである。
感染が広がったのは、31番目の感染者が「新天地イエス教の大邱教会」の礼拝に参加した後、10人の感染者が確認された時からといわれ、この女性は検査を拒否しながら4回ミサに参加したようだ。また、病院内での感染も広がっている。
韓国政府は同教会から信者の名簿を入手し、ハイリスク群の信者から調査するとしているが、信者は全体で21万人に及ぶといわれており、同教会から新型肺炎を締め出すことは容易ではない。
さらに、8~16日に行われた天主教慶尚北道安東教区信者のイスラエル聖地巡礼から帰国した中からも、多くの感染者が判明した。この飛行機に乗務した大韓航空の客室乗務員にも感染が確認され、その後この乗務員は米ロサンゼルス便にも乗務していることが判明した。
2次感染、3次感染は起きないのだろうか。
宗教関係者に広がった感染は、韓国軍内部にも及んでおり、陸海空軍と海兵隊の将校クラスを含め13人の感染者が出ている。これを受けて韓国軍は7500人の将兵・軍務員を隔離する措置を講じるとともに、全国で野外演習を中止すると決めた。
サムスンとLGも大邱から通勤している人、確定患者と接触した人など2400人を自宅隔離や事務所立ち入り禁止にした。大邱最大の伝統市場では、2月25日から3月1日まで全面休場とすることを決定したが、これはSARSやMERSの時にもなかったことである。
韓国政府が責任を新天地イエス教会に押し付け、有効な対策を講じないまま、新型肺炎は次々と新しい集団を侵そうとしている。韓国政府が自ら責任を取り、思い切った施策を講じなければ、対策が後手に回ることになるだろう。政府の各部署や民間に対応を任せるのではなく、青瓦台が確固たるイニシアチブをとるべきである。それはあくまでも感染防止を最優先課題としたものでなければならず、選挙や中国への配慮はひとまず横に置くべきである。
文在寅大統領は、野党時代に朴槿恵政権を批判していた時に朴大統領が犯した同じ過ちを犯そうとしている。このことを、韓国国民はどう見ているだろうか。文大統領弾劾の請願が25日までで20万人を超え、その後2日で100万人に達した。ただ、これに対抗して、文在寅応援の請願も50万人となり、再び対立が激化している。
● 韓国人締め出しの動き 世界各国に広がる
世界各国は、韓国人や韓国から来た外国人の入国規制を広げている。
24日現在、イスラエルやバーレーン、ヨルダンなど6カ国が入国禁止。英国、カザフスタンなど9カ国が別の場所で検査するなど、様々な入国制限措置を講じている。25日には香港が入境禁止措置を取り、台湾も14日間の義務隔離とした。米国も不要不急の韓国訪問を自制するよう国民に求めている。さらに日本も26日に、大邱と慶尚北道に滞在歴のある外国人の入国を拒否する対象に加える方針と伝えられている。
特に、イスラエルは先月、聖地巡礼でイスラエルを訪問した韓国人一行から多くの陽性反応が出たことを重く受け止め、22日に韓国から到着した170人をそのまま韓国に送り返した。さらに同国は、短期滞在している韓国人を、イスラエル側が手配したチャーター機で帰国してほしいという要請を出した。またモーリシャスは、一部に発熱があるという理由で韓国人の新婚夫婦の入国を保留した上で、保護施設や病院などに隔離した。
中国滞在外国人の入国禁止に一線を画すなど政府の対応が甘いといわれる中、各国の韓国人入国規制への対応の陣頭指揮を取るべき康京和外交部長官が、スイス・ジュネーブの国連人権委員会と軍縮会議に出席していることが批判されている。
康長官は各国の外相と会い、「韓国国民が不利な待遇を受けないよう説得している」という。また、国連人権委員会における演説の中で「最近報告されているコロナ感染出身者に対する嫌悪および憎悪事件、差別的な出入国統制措置および恣意的な本国送還に対して深く懸念している」と述べた。さらに、患者急増の背景として新天地イエス教会があるとして政府の対応策を紹介した。
しかし、各国とも韓国の現状を憂慮して入国規制しているわけであり、康長官の言葉による説得で方針を変えるはずがない。ましてや韓国政府が新天地イエス教会に責任を押し付けても、各国がそれに納得するはずがない。あくまでも韓国政府が責任をもって有効な対策を取り、結果を出す以外に、現在の状況を改善する方法はない。韓国政府のこれまでの国内でのやり方は国際的には通用しないものだ。
文政権がやっていることは、国内向けに努力していると見せかけるだけで、外交的成果は得られないし、ほとんど意味がない。外交は内政の延長でもある。内政がうまくいっていないときに外交で取り戻そうとしても限界があるのだ。
文政権はまず国内の新型コロナウイルス対策をしっかりやることが基本である。康長官は言葉を弄(ろう)するよりも、入国拒否に遭い、困っている国民をいかに支援するかが役割ではないだろうか。(
Yahoo!より抜粋)
中国と縁切る好機到来、米国が新型肺炎を最大活用
2/28(金) 6:01配信 JBpress
新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、経済に深刻な影響が出ている。
特に新型肺炎発生の地である中国はサプライチェーン(製品供給網)の中心拠点であるため、操業がストップするなどして大きな打撃を受けている。
そんななか、コロナウイルスの痛打を逆利用して、昨今の流れを変えられないかと模索する一派が米国にいる。
まるでこのタイミングを待っていたかのような言説を展開してさえいる。
その代表格がドナルド・トランプ政権のピーター・ナヴァロ国家通商会議議長である。
米時間2月23日夜、フォックステレビに出演し、「米国経済は大変強靭で、いま中国で起きていることに対して脆弱ではない」と強気の発言をした後、次のように述べた。
「今回の新型コロナウイルス危機で、私が政権内ですべき職務というのはサプライチェーンを見直すことなのです」
「米国は製造工程をオフショアに頼りすぎているので、国内(オンショア)に戻さなくてはいけません」
コロナウイルスを論じている中で、ナヴォロ氏は医薬品製造を含めて、国外に依存している米企業の製造工程をもっと国内に戻すべきであると主張した。そしてこう付け加えた。
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「何もコロナに限ったことではないのです」
世界的な医療問題に発展している新型肺炎を論じながら、サプライチェーンの見直しを迫る好機と捉えたわけである。
テーマがコロナウイルスであるにもかかわらず、貿易相手国である中国の安価な労働力と不公正貿易慣行にも言及した。
そして「中国には断固とした態度で臨む必要がある」と結んだ。
一気に新型コロナウイルスを通り越してしまったが、少しだけ今回の新型コロナウイルスが与えた経済的影響を眺めてみたい。
世界的な株価の下落だけでなく、米国ではフォーチュン誌が挙げる1000社のうち94%が新型コロナウイルスによる影響を受けていると回答した。
そればかり、1000社の多くはいまだにオペレーションがどれほど深刻な影響を被ったのか、把握し切れていないという。
SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した2003年時の中国のGDP(国内総生産)は、全世界の約3%に過ぎなかったが、現在では20%にまで拡大している。
今回の新型コロナウイルスの悪影響がどれほどなのかは、もうしばらく時間が経たないと分からないだろう。
感染者・死亡者も中国では増え続けている。日本時間27日午前1時の時点で、中国本土での新型コロナウイルスの感染者は7万8497人、死者は2744人に達した。
新型ウイルスのため、いまだに特効薬やワクチンはない。医療機関によっては他の疾病に使われる抗ウイルス薬を投与しているところはある。
一方、中国では感染後、治癒して退院した患者数が3万人を超えたが、重症化して入院中の患者も依然として8000人を上回っている。
こうしたなか、驚くべきことがあった。
2月26日の人民日報で、習近平国家主席が6分野での安定工作(就職、金融、対外貿易、対外投資、投資、先行き)を発表。
包括的に取り組まなくてはいけないと強調した後で、中国が「世界の工場」であるとの認識を示してからこう述べたのだ。
「サプライサイドからの最も緊急を要する経済任務は、しっかりと経済社会秩序を正常に維持すること」
そしてこう続けた。
「企業・事業組織の再稼働、再生産を積極的に推進し、プロジェクトの再始動や新しいプロジェクトのスタートをしっかり行うこと」
この発言は新型コロナウイルスの拡大が止められない中で、人民に対して「労働に戻るように」と促したことに等しい。
見切り発車的にサプライチェーンを再稼働させることの悪影響はどう判断しているのだろうか。
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これまで中国は文字通り、破竹のごとく躍進を遂げて世界経済の一翼を担うまでになった。
だが今回は中国に代わるライバル国の台頭やサプライチェーンの汚点ではなく、予期せぬところから綻びが出た形となった。
それはあたかも、病気知らずで小学校で一番元気だった男子が急に大病で入院したことで、クラスメートだけでなく家族もショックを受けている状態に似ている。
英フィナンシャル・タイムズは22日、社説でこう書いている。
「(新型コロナウイルスによる)混乱により、多くの企業は中国から他国に事業の多角化を加速させようとするかもしれない。ただ中国経済に代わるところはないのである」
「ベトナムは中国のサプライチェーンに埋め込まれているし、市場規模が小さすぎる。(中略)米政府関係者はいまコロナウイルスを使って非グローバル化を進める動きを見据えている」
この非グローバル化、すなわちオンショア(国内製造)を加速させる好機と捉えているのが、冒頭のナヴァロ氏なのである。
中国だけでなく、インドや東南アジアに拡散している製造・調達・配送・販売の流れを米国に戻す機運が今後、生まれてくるかもしれない。
米PBS(公共放送サービス)テレビに出演したコンサルタントのマイケル・ドゥーン氏は2月24日、その転機になりうるとの考えだ。
「今回の新型コロナウイルスの件で、多くの企業がリスク回避として(中国だけに依存しない)経営の多角化計画を打ち出してくると思います」
実はナヴァロ氏のボスであるドナルド・トランプ大統領も、新型コロナウイルスの蔓延が長引けば長引くほど、自分にとってはある意味でプラスになると踏んでいる一人なのだ。
というのも、今年の再選スローガンは「キープ・アメリカ・グレート(アメリカを偉大のままに)」であり、前回の大統領選から繰り返している製造業の米国回帰を本格化させようとの狙いと合致している。
新型コロナウイルスによる企業業績や経済指標の低迷が確実視されるなか、最近では中国でのコスト上昇もあり、生産効率の高い米国内生産への回帰という流れを加速させる意味でも、トランプ政権の思惑と今回の新型コロナウイルスの発生には深い関連性が見て取れる。(
Yahoo!より抜粋)
新型コロナ対策、EUの本気度と日本政府の「甘すぎる危機管理意識」
2/28(金) 7:01配信 現代ビジネス
EU崩壊に直結する可能性も
新型コロナウイルスが北イタリアで急速に広がり始め、EUにとっても対岸の火事ではなくなっている。今や中国の様子などすっ飛んでしまい、トップニュースはEUの感染状況の報告ばかりだ。
WHO(世界保健機関)のテドロス・アドノム事務局長は25日、「中国ではすでに感染の峠は越した」と言っているが、信用できない。独ロバート・コッホ研究所は、すでに12日、パンデミーの可能性を示唆していた。
当初、日本のメディアでは、新型コロナ肺炎はインフルエンザと同じで大したことはないなどという意見が多く出ていたが、それにしては、漏れ伝わってくる中国の様子も、EUやアメリカの警戒の仕方もただ事ではなかった。
現在、非常事態となっている北イタリアでは、26日13時現在、感染者が370人を超え、死亡者12名。11の自治体が封鎖されており、町に入ることも、町から出ることも固く禁止されている。人の出入りは警察が厳重に見張っており、「脱走」を試みた人は罰せられるという。監視が警察の手に負えなくなったら、軍隊を派遣するというから、まさに「本気」だ。
現在、一番たくさん感染者の出ているのは、産業の中心であるロンバルディア州で、その他、ヴェネト州、エミリア-ロマーニャ州、ラツィオ州、ピエモント州と、北イタリアはほぼ全滅。封鎖地区の住民は、危急の用事でない限り外出しないように言われており、町はどこもゴーストタウンだ。
イタリア経済の中枢ミラノでは、大聖堂やスカラ座が閉鎖されているだけでなく、学校も休校。また、水の都ベニスでは折しもカーニバルの真っ最中で、世界中からの観光客が集まっていたが、ハイライトである24日、25日を待たず、23日の夜にこれも中止。カーニバルはイタリア観光のドル箱の一つだから、言わば、すごい決断であった。
イタリアはEUでドイツ、フランスに次ぐ第3の経済国だ。しかし、ここ数年、経済状態は劣悪で、しかも、今回のウイルスは、運悪く、米中貿易戦争や、イギリスのEU離脱などとも重なってしまっている。ここでイタリアの経済が崩壊すれば、数年前のギリシャとは経済規模が違うので、もう誰も助けることはできない。一気にユーロの崩壊に直結してしまう可能性も否定できない。
ただ、EUのリスクもさることながら、一番危ないのは中国経済だ。EU経済が停滞しても、中国経済が停滞しても、世界の不況がやってくる。万が一、相乗効果が起これば、さらに壊滅的なことになる。EUが必死になっている背景には、感染が拡大する前に何としてでも食い止めなければ、大変なことになるという焦りがある。
それに比べて、日本の新型コロナウイルス対策はあまりにも緩慢だ。他国の取り組みを、大げさとあざ笑っているような感じさえ受ける。それどころか、「経済の落ち込みは一過性のものだ」とか、「SARSの時と同じく中国はまもなくV字回復するだろう」などと予測している人たちが未だにいるが、彼らは本気で言っているのだろうか?
私は先週より日本にいるが、新型コロナウイルスに関してはまったく楽観視していない。外出するときは、これで感染しても不思議ではないと半分諦めている。
このままでは日本の信用が失墜する
さて、イタリアでの感染の広がり方だが、1週間足らずで感染者が3人から300人に増えた。これは、本当に感染者が急増したこともあるのだろうが、検査数が増えたために感染者が見つかるケースが増したという理由も大きい。
イタリアでは現在、感染者や感染経路を正確に把握するため、検査を徹底している。ウイルスの拡大を防ぐには、早く見つけて潰すしかないと思っているからだ。
ところが日本は、検査にいろいろな条件を付けているため、検査数が少ない。気づかないまま感染者が増え、ある時点で、それが手に負えなくなったというのが武漢の状態だ。東京など大都市において、水面下でどんどん感染者が増え、いずれ武漢の二の舞になる可能性はないのだろうか。
医療ガバナンス研究所の上昌弘氏によれば、新型コロナウイルスを特定する検査というのは非常に簡単で、しかも精度も良く、本来なら、民間の検査会社で普通にやれる検査だという。だからこそ、どの国でもどんどん実施し、隠れた患者をなるべく早く探し出そうとしている。日本もその気になれば、1日でほぼ9万件は検査できるそうだ。
ところが、韓国では1日に7.5万件以上の検査が実施されているというのに、日本では、保険が適用されなかったこともあり、25日16時の時点で、これまでの検査の累計がたったの913件だという。
そして、そのうち100件以上が陽性なのだから、検査数が増えたら、恐ろしい結果になりかねない。もし、その恐ろしい結果を出さないため、わざと検査のハードルを高くしているのではないかという疑いが生じれば、日本国内だけでなく、外国でも日本政府は信用を落とすだろう。
なお、感染の疑いのある人に対する対応の仕方にも、当然、日本とそれ以外の国では大きな違いがある。たとえば23日の夜、イタリアとドイツを結ぶ鉄道で、次のようなことがあった。
イタリアのベニス発、オーストリア経由ミュンヘン行きの列車内で、ドイツ人の女性2人が激しく咳をしていたため、乗務員が他の乗客を違う車両に移動させ、2人から離した。しかし、結局、イタリア鉄道の判断で、その2人はヴェローナで下車させられ、検査のため病院に移送された。
そのあと列車は再び発車したが、オーストリアに差し掛かったところで、オーストリアの国境警察が進入を拒否した。そこで、列車は立ち往生のまま、先の2人のドイツ人女性の検査の結果待ちとなった。数時間後、結果は陰性とわかり、未明にようやく列車は発車。朝、大幅に遅れてミュンヘンに到着した。
同じようなことが、現在、スペインのテネリフェ島でも起こっており、ホテル客の一人、イタリア人の感染者が見つかったため、1000人近い宿泊客全員が足止めとなっている。ドイツ人も大勢いるようだが、全員、14日間、ホテルの各部屋から出ることが禁止され、現在、経過観察中。日本ならおそらくありえないことだろう。
オーストリアとスイスは、この原稿を書き始めた25日、まだ感染者が出ていなかったが、26日、感染国の仲間入りをした。両国ともイタリアと国境を接しており、国民を守ることに必死だ。熱や咳の患者への検査は徹底して行っているし、また、同時に、陸と空の国境での監視も一段と強化するという。
EU内の国境は、かろうじてまだ封鎖されていないが、スイスのティチーノ州では「閉めろ」という声が高くなっている。イタリアの方が物価が安いため、同州には毎日イタリアから国境を越えて通勤してくる人が7万人もいるためだ。
なお、ギリシャ、クロアチアにも感染者が出たので、ウイルスはバルカン半島にも広がり始めた。
何のために首相がいるのかわからない
いずれにしてもEUでは、ドイツのような大国も、オーストリアのような小国も、特例措置が必要になれば、首相をはじめ、内務相や保健相が出てきて、さっさと陣頭指揮をとる。それに比べて、日本政府は対応が甘く、指針ばかり示していて実行が伴わない。取られている対策も、法律の枠組みからはみ出ないようにということばかりが重要視され、非常事態という意識が極めて希薄だと感じる。
ダイヤモンド・プリンセス号の乗客を、下船の数日前に陰性だったからといってそのまま解放し、公共の交通機関で帰宅させたというのが、その典型的な例だ。そんな危ないことをした国は、カンボジア以外にはなかったのではないか。他の国々は、D・プリンセス号からの帰還者に対しては、最低14日間、隔離措置を取っている。
なお、日本では、中国からの渡航者も、まだ難なく入国している。それどころか、湖北省、浙江省に滞在したかどうかは本人の自己申告に任せ、厳格な規制はしていないと聞く。日本の危機管理の甘さは、EU、アメリカ、ロシアなどの厳格な防疫態勢に比べて、すでに際立っている。
ちなみにイスラエルは24日から、日本からの渡航者を入国させないことになった。日本人が驚くべき寛容さで新型コロナウイルスに「対処」しているうちに、多くの国は日本を感染国として見始めている。そのうち、日本での感染者が増えれば、アメリカやロシアやEUが日本からの渡航に規制をかけるようになってもおかしくはない。感染を真剣に食い止めなければ、日本は国益だけでなく、信用も失う。
首相官邸は、すでに13回も新型コロナウイルス感染症対策本部というのを開催しているというが、最終の25日の会議のあとの安倍首相の談話を見ると、言っても言わなくても同じような内容だ。では、現在、何をするかということが欠落している。
「今が正に、感染の流行を早期に終息させるために極めて重要な時期となります。このような状況を踏まえ、国や地方自治体、医療関係者、事業者、そして国民が一丸となって、新型コロナウイルス感染症対策を更に進めていくため、今般、政府として、基本方針を取りまとめました。まず何よりも、国民の皆様に対し、正確で分かりやすい情報提供を引き続き行ってまいります」
他国では、どの首長も皆、国民に向かって、「感染者が出たときのため、万全の医療体制を整えた」と言っているというのに、安倍首相は「今後国内で患者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心とした医療提供体制等の必要な体制を整えることも喫緊の課題です」「各大臣におかれては、本方針に基づき、今後の状況の進展を見据えて、各省庁において対策を具体化し、速やかに実行に移してください」である。
これでは何のために首相がいるのかがわからない。責任者がはっきりしないまま、各自治体と医療関係者にさらに負担がかかるばかりではないか。
すでに日本国内では倒産する事業者も出始めている。円も株価も下がった。経済が落ち込んだらウイルスとも戦えない。政府には、やりすぎと言われるぐらいの勢いで感染拡大防止に臨んでもらいたいことは山々だが、国民の生活を本当に守るつもりなら、これ以上の景気の落ち込みを防ぐため、即刻、消費税の値上げを白紙に戻した方が良いのではないか。英断とはそういうものだ。
追記)北イタリアには巨大な中国社会がある。トスカーナ州の人口20万人弱の町プラトには、5000社の中国の企業(ほとんどが衣料品メーカー)が登録されており、正規に居住する中国人の数が5万人。その他、数万人のヤミ労働者がおり、多くは工場で寝泊まりしているといわれる(ときどきドイツでも、同地の奴隷労働がニュースになる)。プラト地方から中国への総金額は、1日平均150万ユーロ。
いずれにしても、イタリアほど中国人を多く抱えているEU国はない。だから、北イタリアで新型コロナウイルスが炸裂したのは、そういう事情も絡んでいるのかと思いきや、なんと、トスカーナ州だけはまだ患者がゼロだそうだ。(
Yahoo!より抜粋)
コロナでイベント中止、政府に補償求めるのは筋違い
2/28(金) 18:45配信 JBpress
(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)
政府が新型コロナウイルス対策でイベントの打ち切りや延期を要請したことに起因する様々な声があがっています。また、昨日、安倍首相が3月2日からの全国一斉休校を要請するとの報道がされました。これらの決断に際して、政府の責任を問う声が少なくありません。私たちはどのように行動することが望ましいのでしょうか。
■ 「自己責任批判」は正しいのか
2月26日、政府がイベント自粛について方針を示した後、ミュージシャンなどから疑問を呈するコメントが寄せられていました。
能楽師・槻宅聡さんは「丸投げに等しい」とツイート。
「能・狂言を主催する側としては、一律の自粛は求めないのに、開催の必要性を検討してほしい、というのは判断を丸投げされたに等しい。中止すればチケットは払い戻し、会場へは使用料を、出演者には違約金を払わなければならない。この損害に耐えられる主催者でなければ開催するしか選択肢がない」(原文ママ)
ミュージシャンの西川貴教さんは、「自己責任は無責任」とツイート。
「なぁなぁ、で結局のとこライブとかイベントはやっていいの? あかんの? どっち? やっても怒られて、やめても怒られる... そろそろ政府でちゃんと決めて欲しい( ⌯᷄௰⌯᷅ ;)<「自己責任」は無責任ッスよ...」
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一方で、時事通信によれば、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため安倍晋三首相が大規模イベントの自粛を呼び掛けた26日、秋葉賢也首相補佐官(自民、衆院宮城2区)が地元で政治資金パーティーを開いていたことが分かったことが報道されました。身内には周知徹底しているようには思えません。
■ 「興行中止保険」で補填されるのか
新型コロナウイルスの感染拡大で多くのイベントが中止に追い込まれるなか、損害を補償する「興行取り止め保険」への関心が高まっています。HP上で中身が検証可能な、東京海上日動、三井住友海上の中身を検証します。
<東京海上日動>
保険金を支払うのは、悪天候、交通機関の事故等の不測かつ突発的な事由により、イベントが中止または延期した場合とし、こちらも、イベントごとにオーダーメイドで設計するとしています。なお、イベントの出演予定者以外の者が、感染症にかかること、かかっている疑いがあることまたはかかるおそれがある場合は補償されないとの記述があります。
<三井住友海上>
コンサート、演劇、スポーツ大会、お祭り、花火大会等の興行(イベント)が、悪天候、出演者の傷害や疾病による出演不能、交通機関の事故等の不測かつ突発的な事由により中止や延期を余儀なくされた場合に、興行の準備のために既に支出していた費用や、中止や延期に伴い臨時に支出が必要となった費用に対して保険金を支払うとしています。感染症が起因となった場合、補償されないものと考えられます。
感染症拡大のため交通機関が運休するなどして中止に追い込まれた場合は補償されますが、今回のようなケースは補償されないようです。被害やリスクの規模、そもそもの危険度が把握できないことが理由です。
■ 日本は民主主義国家
筆者は、今回の政府の決断は英断だと考えています。リスクコントロールとしてはやむを得ない判断だからです。「政府の結論が遅いから」「政府に危機感がないから」という批判あります。しかし、このような批判は筋が通らない話です。政府に決めさせて、それで中止するなら補償してくれという主張は虫が良すぎます。
日本では民主主義国家です。自由な活動や表現は許されていますが、その前提は自己責任です。こんなことで国に補償を求めていたら大変なことになります。補償の元は私たちの税金だからです。今回のことが補償されるなら誰も努力をしなくなってしまうでしょう。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大に関して、国家緊急権の話をされていたコメンテーターがいました。これは、戦争や災害などの緊急事態に際して、政府が平常の統治秩序では応対できないと決断した場合に、憲法秩序を一時停止する措置のことです。しかし、日本国憲法においては人権侵害や独裁につながるという理由から国家緊急権の議論は決着をみていません。
2016年3月30日、第二東京弁護士会は「『国家緊急権』を憲法上に創設することは立憲主義に反し極めて危険であり不要であるとする会長声明」を出しています。「一時的にせよ行政府への強度の権力集中と憲法上保障された人権の制限を図るものであるから、行政府による濫用の危険性が高く、基本的人権の尊重と権力分立を旨とする立憲主義体制を根底から否定するものであって、そもそも日本国憲法上認めがたい」のが理由です。
つまり、いまの日本では国家緊急権の行使ができません。そのため政府には強制力がないので、自粛要請になるのです。
それなのに、政府に責任を転嫁し、イベント中止などについての補償を求める声が一部で出ています。政府が先頭に立って強制力をもってコントロールするのであれば、憲法改正により国家緊急権を制定する必須があります。いま、政府を批判している人は、立憲民主主義にそぐわない体制に移行せよと主張しているようなものです。自らの主張がそれほど危険なものであることに気がついていないようです。
新型コロナウイルスの問題は自然災害と同じようなものです。国に補償を求めるのは道理にかないません。私たちがすべきことは、政府の方針を踏まえて行動することです。感染拡大を抑制するために数週間は活動を控えて、人混みをさけ、手洗いやうがいを徹底し健康状態に留意するしかありません。
元大阪市長の橋下徹氏が27日、感染が拡大する新型コロナウイルスについて「ピンチをチャンスに変える!」と発想の転換を呼びかけました。この時こそ、テレワークの普及、遠隔授業・遠隔診察の解禁、シッター費用の税額控除などを進めるべきだという主張です。こうした取り組みの必要性は、今まさに、過去にないほど高まっています。技術やノウハウ、法的整備などは、橋下氏が言うように、一気に進めるチャンスと言えます。
今回、政府は大きすぎる決断をしました。いまこそ、政治家の叡智が必要とされています。(
Yahoo!より抜粋)
首相の休校要請 説得力ある呼びかけを 「緊急事態宣言」へ法整備急げ
安倍晋三首相が、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国すべての小中高校などに対し3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請した。
政府の25日の基本方針にもなかった異例の対応であり、社会に与える影響は極めて大きい。新型肺炎の流行を抑制するため、必要かつやむを得ない措置を政治決断したものといえる。
問われるのは、この措置についての説得力のある説明だ。流行に関する現時点の見通しはもちろん、なぜ今、一斉休校とし、これを春休みまでとしたのかという理由も聞きたい。休校するかどうかで抑制効果がどれほど違うのかも示すべきである。
≪後手の対応を立て直せ≫
安倍首相は29日に記者会見を開き、国民の協力を求める。1月中旬に日本で感染者が確認されてから初めての会見であり、遅きに失した感は否めない。
政府のこれまでの対応は後手に回り、情報開示も不十分だった。その点への真摯(しんし)な反省はもちろん必要だ。同時に、国民が国政の最高責任者の説明を求めていることを銘記すべきである。首相には新型肺炎と戦う態勢を立て直すよう指導力を発揮してほしい。
休校要請の対象となる児童、生徒らは約1300万人いる。日本の歴史にこれまでなかった規模だ。新型ウイルスとの戦いが容易ならざるもので、日本が緊急事態の渦中にあることを意味する。
休校を決める権限は政府ではなく、全国の教育委員会や学校法人にある。首相の表明を受けて文部科学省や各教委からは驚きの声があがった。首相が打ち出さなければ全国一斉休校は到底実現できない。各地の教委などは要請を重く受け止めて対応すべきである。
学校は、大勢の子供が日々、同じ教室で学び、食事もとる集団生活の場だ。ウイルスにとって格好の温床となる。子供たちがウイルスを持ち帰り、高齢者を含む家族に感染を広げる図式はインフルエンザと共通する。一斉休校の意義は大きく、感染者や犠牲者を減らすことに寄与するだろう。
およそ百年前にスペイン風邪が日本で大流行した際は、学校や軍隊から全国へ感染が広がった。その教訓を忘れてはならない。
一方で全国一斉休校はさまざまな副作用をはらむ。それへの対応策も整えなくてはならない。
一人親や共働きの家庭では、保護者の仕事をどうするかという問題が生じる。文科省は学童保育を朝から開所するよう求めた。千葉市などは休校後も、低学年の児童を小学校で預かる方針だ。
政府や自治体、勤務先、家族が知恵を絞ることもウイルスとの戦いである。東日本大震災の際に多くの人々が助け合ったことを思い出したい。
首相は衆院予算委員会で、収入減となるパート労働者など保護者への支援策検討を表明した。急ぎ具体策をまとめるべきだ。
米国株式市場の株価が史上最大の下げ幅を記録し、28日の東京市場でも一時1千円を超える下げ幅となった。企業の資金繰りへの支援など、万全の対策を講ずべきは当然である。
≪検査態勢の拡充必要だ≫
感染の急拡大を受けた法整備も浮上している。安倍首相は28日の衆院総務委員会で、新型インフルエンザ等対策特別措置法を参考に法整備を急ぐと表明した。今後、同特措法にあるような「緊急事態宣言」を活用すべき局面がくるかもしれない。与野党は協調して早期に法整備を果たしてほしい。
新型肺炎対策は、一斉休校だけで済む話でもない。現時点でも湖北・浙江両省以外の中国から、1日平均800人の入国がある。これで大丈夫なのか。
感染の有無を調べる検査態勢の拡充は急務である。加藤勝信厚生労働相は来週中に検査の公的医療保険適用を決める意向を示したが遅すぎる。現場の医師が必要と判断すれば検査できる態勢を整えなくては、感染の抑制も治療も不十分となる。民間検査会社の全面協力が欠かせない。
企業などは政府の呼びかけに協力し、相次いでイベントの中止・延期を決めている。そのような中で秋葉賢也首相補佐官が26日夜、立食形式の政治資金パーティーを開いた。言語道断で首相を支える任に堪えない。更迭することが当然である。(
産経より抜粋)