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吸血イカの異名をもつコウモリダコ、実はおとなしい草食系だった。

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 英名はヴァンパイア・スクイード(吸血イカ)。青く光る眼、ヒレの付け根には青白い光を放つ発光器を4つ具えており、足についている膜をグワっと広げるとそこには傘の骨状にならんだ牙のようなトゲが。その奇妙な容姿から獰猛な捕食形態を持つ鬼畜なのでは?と思われがちな深海生物、コウモリダコ。ところがどっこい、そんなことはない。

 とってもシャイでおとなしく、草食系(実際には腐食系)であることがわかったそうだ。

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 コウモリダコが温厚な生物であると判断された理由は、細長い糸状の触手の形によるものだ。これまで研究者たちは、この奇妙な付属肢が一体なんなのかに頭を悩ませていた。交尾に使うのか?それとも身を守る為に使うのか?

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コウモリダコの細長い糸状の触手

 今回、米カリフォルニア州モントレー湾水族館研究所の研究者らは、コウモリダコが、この長い触手を釣り糸のように使用し餌をとっているのを観測した。

 捕えている餌は、生きた餌ではなく、マリンスノーと呼ばれる海の底に沈んだ藻類や微生物の死骸であることもわかった。

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 コウモリダコはこの薄黄色の触手でマリンスノーをすくい、それをちゅうちゅうと吸っていたのだ。人間でいうところの、指しゃぶりのような動作である。

via:This vampire’s surprising secret・原文翻訳:Copris

 人の血を吸う吸血鬼が、実際には血を吸うどころか人を襲うことすらもできない穏やかなベジタリアンだった。という設定はラノベ的にはありかもしれない。

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 コウモリダコを含む系統はジュラ紀に出現したと言われている。その系統樹がかなり古いため、コウモリダコはイカともタコとも言い難い。

 暗く冷たい深海で、ひっそりと暮らしているおとなしい生き物である。そっとしておいてあげてほしい、でもそのストイックな容姿がとてつもない興味をそそる、深海のかわいこちゃんなんだ。

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この記事へのコメント、37件

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  1. 内側のおぞましいトゲトゲは、実際は捕食ではなく外敵から身を守るための器官なのかな

  2. 深海は宇宙と同じぐらい神秘的だね!
    動画の3:58のところから、脳内でスター・トレックのテーマ流れた。

  3. マリンスノーをチューチューしてるだけで
    こんなにデカくなるもんなのか…

  4. >深海のかわいこちゃん
    なんと素晴らしい表現。
    今度からそう呼ぶことにしよう。

  5. 陸上へ進出して、背骨や骨格で支えるよう進化するはるか以前の動物

  6. 草食だったら吸盤の代わりについてる棘の使い道がますますわからん
    深海で捕食されそうな外敵って丸呑み系が多いから、吸盤で吸い付いて抵抗のほうが効果ありそうなんだよね

  7. ある意味今の深海探査の興味を世界的にひきつけた発見だったよね
    こんな生き物が海の底不覚に存在してるんだって世間に見せ付けた、やっぱ深海はロマンがある

  8. 興味深い記事だった。素晴らしい!
    ただ、「草食系」「ベジタリアン」という、
    明らかに誤解を招く単語は、
    ここでは使わないでほしかった・・・・・・。

  9. 吸血イカ
    コウモリダコ
    …結局イカとタコどっちなの(´・ω・`)?

  10. コウモリダコさん好きー。
    君のその蒼い瞳に乾杯。
    深海で重力のせいで時間進むの遅くて、浦島効果であまり進化していないんですかね?

  11. 俺のストイックイカが意外に草食系だという件 というタイトルのラノベだと予想してみた。

  12. 吸血イカとして知られるコウモリダコ(草食)
    殺伐としたスレに颯爽となんちゃらかんちゃら!

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