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太陽の死は地球からどのように見えるのだろうか?

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 太陽の寿命は100億年程度だと言われている。現在、太陽系は約46億歳であることがわかっている。

 あと数十億年もすれば、中心核の液体水素燃料が枯渇し、激しい燃焼が内側から太陽の表面へと広がる。

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 これは赤色巨星と言われるもので、これによって太陽はより輝きを増し、強烈な光の放射が地球にも破壊的な影響を及ぼすと言われている。

 そんな太陽は、地球からいったいどのように見えるのだろうか。

 これは、海外サイトio9のロン・ミラー氏による、太陽の死が地球に与える影響とその予想図である。

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 地球の表面温度が、平均的だった20℃から75℃まで上昇し、海水は蒸発し、地球は生命のいない砂漠と化す。

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 水素をヘリウムに変えてエネルギーを作り出していた太陽は、ついに水素を使い果たしてしまう。

 この頃には残りのヘリウムが太陽の中心核に充満し、その重みで崩壊し始めて不安定になる。中心核は高温高密度になり、太陽はこれまでの1.5倍ほども膨れ上がり、明るさも二倍以上になる。

 次の7億年はそれ以上は明るくならないが、膨張は続く。焦土と化した地球からは、もやのたちこめた空に巨大なオレンジの球が浮かんでいるように見えるだろう。

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 太陽の表面の1/4以上が吹っ飛び、容量が減るせいで、まわりの惑星の軌道が変わる。金星は今の地球と同じくらいの距離になり、地球もさらに太陽から遠くなる。

 膨張した太陽は赤い巨大な火の玉になり、しまいには現在の166倍もの大きさになる。これは今日の地球の軌道の大きさとほぼ同じだ。

 水星と金星は巨大な太陽の炎に飲み込まれ、地球の山々は溶けて、灼熱の糖蜜のような溶岩の海が広がる。膨れた太陽は空の半分を覆うほどになるだろう。

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 太陽が熱と光で地表を暖め、冥王星はかつて地球で見られたものよりもくっきり見えるだろう。

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 太陽の中心のヘリウムの温度が超高温になり、ヘリウムの原子が互いにぶつかって巨大なエネルギーを放出する。太陽がまたいったん息を吹き返したように見え、大きさも少し縮み、そのままの状態が次の1億年ほど続く。

 水素の原子が融合してヘリウムが作られるように、ヘリウムが融合して、新しい元素、炭素と酸素がつくられる。これら三つの元素が太陽の中心に蓄積し、新たな反応が始まる。

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 再び太陽は膨張し始め、ついに中心核のヘリウムが枯渇する。炭素と酸素も崩壊するが、新しい融合反応が始まるほどの威力はない。燃料がなくなって、太陽は終焉に向かい始める。

 大量のガスが宇宙へ放出され、太陽の半分近くの容量が失われる。そのせいで燃えかす同然になってしまった金星と地球は、さらに遠くへ離れる。

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 炭素と酸素のまわりに残ったヘリウムの薄い層が不安定になり、太陽は激しく脈動するようになり、そのたびに容量が減っていく。

 ついに太陽の外面が全部吹っ飛ぶと、むき出しの中心核だけが残る。その大きさは現在の地球の大きさくらいで、高温だが余熱にすぎず、ここからは何も生まれない。

 バーベキューグリルの炭のように、ゆっくりと冷えて、ついには冷たい消し炭になる。地球の残骸である燃え尽きた惑星から、かつて私たちの太陽だった白色矮星が見えるだろう。

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What Will Happen To Earth When The Sun Dies?

※この記事は海外サイトの原文に基づいて意訳・抄訳したもので、日本での解釈と異なる場合もあります。(via:What the Death of the Sun Will Look Like)原文翻訳:konohazuku

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この記事へのコメント、110件

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  1. ひええ、古代のなんとか族とかが太陽崇めてた意味が理解出来るわ

  2. 太陽が年を取るにつれて火星の軌道以上の大きさになるまで膨張して、
    それからしぼむように死んでいくから
    太陽の最期のとき地球はすでに太陽の中で消滅しているって言う説を聞いたことあるけど

  3. しにたくないなー
    世界の終わり観たい 宇宙コロニー行きたい

  4. へー!昔読んだ科学の本だと
    なんか、物凄い高温のまま30分くらいで銀河系飲み込む
    大きさに膨張した後急速に縮小して大爆発するみたいなこと書いてあったけど
    こんな感じなんだ…。

  5. 大丈夫、俺らには関係ない時代だ
    と、年金制度考えた奴らも思ったんだろうなー全然関係ないけど。

  6. 怖い。
    自分の人生なんて一瞬だけど、もう折り返し地点に来てるのか。
    そこまで人間は居るのかな。
    どの道悲惨だ。

  7. 現代技術なめたらあかんよ。
    数十年後には時空を捻じ曲げたり、人工的な太陽も作れそうな希ガス。

  8. 人類が生き残るにはマクロスに出てくる宇宙空間を移動できる(ワープも可能)な
    移民宇宙船団やガンダムに出てくるMSや宇宙コロニーが必要だな。

  9. 「太陽の熱と光で地球からもくっきりと見える冥王星」
    というくだりがよく分かりません。誰か詳しく説明して!

  10. 確か、うろ覚えだが
    太陽の寿命は後50億年位だけど、30億年位過ぎると赤色巨星になった太陽に飲み込まれるって話だったと思うが

    1. ※19
      惑星というのは恒星の光を反射して輝くものだから、太陽の輝きが増せば
      遠くにある冥王星もがそれによって明るく輝いて見えるってことじゃないかな
      この場合太陽自体が膨張しているので光源からの距離も短くなっているけど

  11. 太陽は膨張するが、それに伴い惑星も離れていくから結局飲み込まれることはないって
    なんかで見た気がする。

  12. 半端なく恐ろしい話だけど、物が滅びていく様には得も言われぬ美しさがある…枯れて朽ちた植物にも生い茂っていた頃とは別の風情を感じるし。

  13. 徐々~に平均気温が上がっていく(というか上がってる)から
    50億年を待たずに10億年で生命が住めない星になるらしいよ。
    そう考えると地球生命の歴史はもう終盤に入っているとも言える。

  14. 太陽が膨張するよりも先に地球が凍りつくのが早いだろ。人類に限っていえば、今後どこかの時点で核爆弾で滅びるんだろうな。しかも地球の歴史から見ればそんな遠くない未来にな。

  15. そうなる前に宇宙人が来て人類が助かる技術を提供してくれることを祈る!w

  16. いつか滅びる事は確実だし、わかってはいるんだけど、はっきりと説明されると寂しいような怖いような感じがする

  17. 「太陽の熱と光で地球からもくっきりと見える冥王星」は
    「太陽の熱と光で冥王星からも地球がくっきりと見える」の間違いだろう
    意味は同じだが、CGが灼熱してなくて涼しそうなところだから
    冥王星からみた絵なんだろうし

  18. 単位が億だからね
    その頃には今生きている人の骨とか、痕跡は微かにも残っていないレベル
    少なくとも今後1000年人類が滅びてなければ、良い方だと思うわー

  19. 俺今木星を通過中なんだけど太陽さんは今どれくらい膨張してる?
    逃げ切れるかなぁ・・・

  20. 人類はノアの方舟で地球を脱出し、新たな新天地へ
    ってよくあるSF展開

  21. その頃には概念となって地球だけではなく宇宙を見ていられるようになりたいね。

  22. こういうの読むと、いい意味で「すべてどーでもよくなる」
    絶対だと思っていたこの世界での出来事は、全てがいつかはなくなるお遊戯のようなちっぽけなものばかり。
    そう思うと気が楽になる。

  23. 反物質か核融合が燃料の宇宙船早く作れよNASA。そして地球脱出してグリーゼに行こうぜ。俺もつれてけ。いずれ来る時代のうねりだ。

  24. 星が新しく誕生するには星の死(超新星爆発のエネルギー)がないとダメなんだよね。
    とゆうことは、また新しい何かは生まれるのかな。。。
    この地球が屍の様になるのは恐い。文明も全て無になるのは恐いです。

  25. 俺らの世界ってほんと一瞬のうたかたのようなもんだね
    どんなに人間が努力しても必ず滅ぶ運命なんだな

  26. 私が死んだ後だからいいかと思いつつもまた私が出現したときだったら苦しみを味わうわけで…
    あかん考えたら眠れなくなる

  27. 人間50年 下天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり 織田信長
    人間世界は宇宙に比べると一瞬の夢のようなものでしかないんだね。

  28. こんなスペクタクルをリアルで体験できないなんて、幸い中の不幸と言うか

  29. こういうの見たら、子どもを持った事が辛くなる。
    怖い目に遭わせたくない。
    そりゃずっと先の事だけれど、子どもの子どもも、そのまた子どもも、可愛くない訳ない。

  30. 10年位前に読んだニュートン?か何かに、
    約50億年後、太陽は地球を飲み込むまで膨張して、
    暫くたって今度は縮んで小さなぼんやり光る星になって、
    その間だけ火星が一時的に地球と似た環境になるって書いてあった。
    10年以上経てば予想も変わるんだなぁ。(歳とったなぁ)

  31. ==> 56
    現在推定されている宇宙誕生から現在 = 138億年
    距離も推定で470億光年
    現在の科学ではここまで
    全宇宙の3%位は解明されつつある。

  32. 今の人類の文明なら1億年も続かないと思うよ
    またロストテクノロジーとして何億年か後に発見されるかもしれないけどさ

  33. つかこの時までに人類は絶滅してるだろうし
    仮にまだ繁栄してたら、何かしらの対策は出来てると思う
    というワケで寝る

  34. 膨張した太陽に飲み込まれると思ってたけど
    太陽のガスで吹っ飛ばされ地球も金星も
    梅干みたいな状態になりつつも生き延びるってことか

  35. 釈迦入滅後、56億7千万年後の弥勒菩薩の人類救済をまたずに地球は消滅か。
    悲しくなるな。

  36. 数十億年後、そこには太陽をメンテナンスしつつ使い倒す人類の姿が・・・
    滝の水量を自分の都合でコントロールしてる人類を見ると、
    太陽も利用できる自然物に成り下がる気がしてならない。

  37. 一万年も一億年もどっちも、漠然と人類にとっては長すぎるとしかとらえられなくて実感わかないけど、例えば自分がいま手元に1万円持ってるのと1億円持ってるのをイメージして比べると・・やはりすごい差があるね・・。

  38. まあ太陽と地球の最期見届けるのは、現在の人類が滅んで
    その後何度か文明が栄え滅びしたあとに出てくる知的生命体たちが遭遇するワニ

  39. 太陽系外に移住できるくらいに
    もっともっと文明を発達させなければ!
    さもないと子孫たちが死に絶えてしまうぞ!

    1. >>74
      西暦になってから2000年。文明が発祥してからだって4000年くらいか?
      万年さえ経過してないのに、億年単位なんて夢のまた夢とさえ言うのも憚られるなw

  40. >太陽が膨張したらタイタンに住めばいいじゃない
    太陽系が無くなるのに何故太陽系内の移動をするの?

  41. 一億年後には、人類は居なくなる。残っているのは、宇宙ジプシー。
    太陽エネルギーが、人類を滅亡に導く!
    科学の発展により、バイオ人しか残れない。
    地球温暖化も大気汚染も大した問題にならない。

  42. どうせみんな死ぬんだ。子孫なんて残しても意味ねえよ・・・(震え声)

  43. しかしすごいな、太陽の死に直面しても地球という惑星は残るわけだ

  44. 観測者が居ない所に現象は無いから過去も未来も定義を成さなくなるな

    1. ※79
      もしかして新天地で弥勒菩薩さんが助けてくれるのかも!(期待

  45. 宇宙空間は絶対零度で太陽がなくなっても同じく絶対零度
    つまり宇宙船で暮らすしかないんだな
    それまでに自給自足可能な宇宙船を作らんと人類は間違いなく滅びる

  46.  映画「ノゥイング」だと、地球は太陽の異常活動で焼き尽くされて、壊滅する。
     逃げるとこなどない。
     でも心優しい?異星人に選ばれた子供たちが新しいエデンな星に移住させられて、人類は種として生き残る。ネタバレごめん。
     

  47. 悩んでいることの小ささにきがついた
    自分の人生楽しく生きてみようと思った

  48. まーその前に1億もしないうちに人類絶滅してると思うけどもしこのときまでいたら恐怖すごいだろうな

  49. それまでに小惑星や隕石が落ちてきて生命は絶滅するだろう
    太陽が死ぬまで数十億年あれば何百回も衝突するからな

  50. 人類を滅亡させるほどの隕石が1年間に地球に落ちる確率は5万分の1。
    よって、5万年間でその規模の隕石が地球に落ちる可能性は約63%。
    10万年間だと約87%。
    何億年後より何万年後かの心配をしたほうがよい。

  51. 悩みも人生における楽しみの一つだぜ
    それはそうとこういう光景は壮絶であると同時に美しくも見えるな
    この目で見てみたい気持ちが湧いてくる

  52. こういう現実的なことに非現実的なことをあえて言いたい
    みんな幽霊になればずっとその光景を眺めていられるのでは?
    それか地縛霊とか戦国時代の霊とかやたら長期間登場する奴になればあるいは…

  53. 大丈夫。死んで幽霊になっちまえば、宇宙のどこへでも自由自在。
    物理的な痛みや苦しみは経験しないし、空腹にもならないし、眠くもならない。

  54. 隕石や太陽の爆発なんかは 人類の進化とどちらが早いか勝負だね。

  55. もし1億年もこのまま人類の文明が繁栄し続ければ、巨大隕石や太陽の膨張など技術的に阻止できそう
    現在でも隕石(小惑星)の軌道を計算できるし、太陽膨張の原因だってわかっているのだから

  56. 50億年待たずとも数千年もすれば地球は人類に食い潰され死の星と化してるのではないかと・・・。そして次なる寄生先を求めて太陽系を脱出していそう

  57. >空に巨大なオレンジの球が浮かんでいるように見えるだろう
    サングラスかければ見れますか?

  58. 40歳過ぎると、20年がこんなにあっという間とは思わなかったと思うことが多く、二十歳の頃は現実味を感じなかった40年後も60年後も1000年後も100億年後も確実に来ると実感出来ます。
    仏教思想のどうせ永久不滅は無いから何事も割り切りなさいというのも分かりますが、1兆年後も存続している人類の進歩も期待したいです。

  59. 今の科学技術の進歩スピードなら1000年もあれば宇宙で生活する技術を実用化できるだろう

  60. 人間が腐っていて云々と言っている人が居ますが、
    「腐った人間」とやらより、地球災害・天文災害の方がよっぽど破滅的ですからね。

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