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ダイヤモンドは止まらない!数千年の寿命を持つ世界初の炭素14ダイヤモンド電池が誕生

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(著) (編集)

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放射線で励起した高速電子を利用する炭素14ダイヤモンド電池。その仕組みは光子を電気に変換する太陽光発電にも似ているこの画像を大きなサイズで見る
炭素14ダイヤモンド電池 Image credit: University of Bristol

 「ダイヤモンドは砕けない」――これはジョジョの奇妙な冒険パート4の副題だが、現実の科学技術はこれを超える驚きの発明を生み出した。数千年にわたり電力を供給し続ける「ダイヤモンドは止まらない」電池が開発されたのだ。

 ダイヤモンドと放射性同位体を用いた世界初の「炭素14ダイヤモンド電池」は、一度交換すれば5000年経ってもようやく性能が半減するという圧倒的な長寿命を誇る。

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 これは、世界最古の文明が誕生してから現在までの時間に匹敵する、まさに悠久の耐久性だ。

 さらに、この電池は動くパーツがないためメンテナンスフリーで、温室効果ガスも排出しない。電子機器や医療機器、さらには宇宙旅行など、多岐にわたる用途での活用が期待されている。

放射線をダイヤに埋め込み安全に発電させる

 英国ブリストル大学をはじめとする研究チームが開発した炭素14ダイヤモンド電池は、放射性物質にダイヤモンドを近づけると発電する性質を利用したものだ。

 その電気は放射線によって励起される高速電子によって発生するが、これは太陽光発電が光子を電力に変換する仕組みに似ている。

 そのために機械的に動作するパーツも必要ない。つまり、通常の発電装置では必要になるコイル内で磁石を動かしたり、アーマチュア(鉄心にコイルを巻きつけたパーツ)を回転させたりといった動作がいらないのだ。

 もう1つのポイントは、放射線を利用するということだ。2017年に開発されたダイヤモンド電池のプロトタイプでは、放射能源として「ニッケル63」が使用されていた。

 今回の最新型は、それを「炭素14」に変更して性能を改善したものだ。

 炭素14のメリットは短距離放射線を放つことだ。このタイプの放射線はどんな固体の物質にもすぐに吸収されるので、安全に扱いやすい。

 炭素14は素手でつかめば危険な代物だが、ダイヤモンドに埋め込めば安全に利用できるのだ。

 ブリストル大学のニール・フォックス教授は、「ダイヤモンドは人類が知る中で最も硬い物質であり、これ以上の保護材は存在しません」と、プレスリリースで説明する。

 ちなみに炭素14は自然界にも存在するが、原子力発電所の黒鉛炉で生成される。そのため炭素14ダイヤモンド電池は、核廃棄物の削減にもつながる一石二鳥の発明なのだという。

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文明が滅んでもまだ使用できる圧倒的な長寿命

 炭素14を1gを利用した炭素14ダイヤモンド電池は、1日に15ジュールの電気を発電する。

 ちなみに一般的なアルカリ単3電池なら、1gあたり700ジュールの電気を溜めておける。短期間でならこちらの方が大きな電力を得られるが、24時間もすれば切れてしまう。

 一方、炭素14ダイヤモンド電池は圧倒的に長寿命だ。炭素14の半減期は5730年だ。だから、それほどの長い年月が経ってもなお、この電池は50%消耗しただけにすぎない。

 世界最古の文明メソポタミア文明が興ったのは5000年前のことだが、炭素14ダイヤモンド電池の寿命は文明の興亡すら凌駕するのだ。

 しかも動作するパーツがないので、メンテフリーで、温室効果ガスを排出することもない。

 その特徴を利用すれば、電子機器・医療機器・宇宙旅行など、さまざまな用途に使用できると期待されている。

 たとえば、大きな電気はいらないが、長期間動かし続けなければならない心臓ペースメーカー、あるいは海底の石油・ガス採掘現場のような危険な環境で利用される装置などが挙げられる。

 地上や宇宙で物の識別・追跡に利用する無線タグに使えるほど小型化もできるそうだ。

References: December: Diamond battery media release | News and features | University of Bristol / World's 1st nuclear-diamond battery of its kind could power devices for 1000s of years | Live Science

本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに独自の視点で情報を再整理・編集しています。

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この記事へのコメント 34件

コメントを書く

  1. これを複数積んでボイジャーで飛ばせれば良かったな。 したら機械そのものが壊れても
    電力は有効だったかも。
    まあボイジャーが必要とする電力がどの位なのか知らないのでアレですがorz
    場合によってはプルトニウム電池より長寿命なのかな

    1.  プルトニウム 238 の半減期は 2.4 万年らしい。 ボイジャーに積まれている原子力電池は熱を使っているみたいなので方式がちょっと違いますね。 プルトニウムを使った場合どうなるかは全然わかりません。

    1. ずっと五千年以上走り続ける車…
      ドラえもんにすら出てこなかったゆめのようですね

      1. 原子力空母とか原子力潜水艦ってそういう考えで作ってあるはずです。 要するに小さい原子力発電所を載せてそれで燃料の心配なく船体の寿命まで水蒸気と電気を作れるんです。 自動車サイズの発電所が作れないから載せられませんでしたが電池なら!って感じですね。 必要電力が重量や費用との比率で間に合いそうなら艦船や潜水艦も置き換わりそうですね。 そうなると電池なら電気を得るのに音がしないから特に潜水艦で革命がおこりそう。 また妄想が爆発したので以下略w

  2. 科学冒険漫画のDrストーンでダイヤモンド電池が出てきたのだけど、根拠のある発想だったんだな

    1. 「ドルオーテ」もダイヤモンドがUFOの動力源だった。原理には言及無かったが

  3. 1つ作るのにいくら掛かるんだろ?
    長寿命なのを考えるとコストは回収できる計算にはなるだろうが、蓄電量が現状の消費型文明に合わない問題もあるし実用化されるまで時間かかるだろうな。

    1. 半導体は全体的に省電力になっているんですよ
      省電力になっているからこそ、より多くの機能を実現するために詰め込み過ぎて消費が増えている
      逆を言えば用途を絞って設計すれば、わずかな電力で稼働させることができるので少ない電力で事が足りる
      記事にある様な医療機器や、身近なモノで言えば電池交換不要なリモコン、時計とかですかね?
      無線マウスやキーボードなども煩わしい電池切れから解放されるでしょうし、
      小型のWiFi中継基地などを"コンセントの束縛"から解き放つことも可能ですね

      ただこの電池が実用化して問題となるのは、電池が無くなるより確実に先に壊れたり、古くなる機械の回収の取り決めなどでしょうか?
      いくら外郭が壊れにくいとは言えども放射性物質なので…

  4. 夢がある!発展して欲しい技術!

    何年か前にも、ここかどこかのコメント欄でこの技術について見たなあ
    RPGなんかで見る謎の宝石がエネルギー源になるのが現実に!みたいな感じだった
    実用化されて欲しいな

  5. 超良いじゃん~
    人類が滅びても使えるまま残ってそうなところがめっちゃロマンある

    1. 詳しくないなら調べましょう。
      そもそも被爆するなら技術としても使えないし発表もしないと思うのですが。

  6. 途中で送信してしまった

    可動部品の少なさも魅力だが
    あと排熱が低いはず、これは大きな利点

  7. > ブリストル大学のニール・フォックス教授は、「ダイヤモンドは人類が知る中で最も硬い物質であり、これ以上の保護材は存在しません」

    なぜすぐバレる大嘘をつくのか?

    「ロンズデーライト」や「カルメルタザイト」はダイヤモンドより硬い

    1. 大学教授に大嘘吐きと言えるのなら、余程凄い研究をなされておるのでしょうなぁ。
      良ければ研究内容を御教示願えませんかね?

    2. ちょっと調べたらその二つは「理論上高い"可能性"がある」だけじゃないですか…

  8. これはもしかすると素晴らしい発明かもよ
    なにしろ、今の原発だって薬罐の湯沸かしと変わらないのだから(熱源で蒸気を回す)
    上手く使うなら家庭や携帯の電源となり送電線が要らなくなる
    悪いと核汚染で水や土地を駄目に変えるかもしれないが(放射線シールドがどうかわからないから)
    有効に活用していきたい技術

  9. そのままでは圧倒的な低い電力をどうするかが課題だけど
    事実上の永久電池と言って良いね

  10. 炭素14の半減期が約5700年だが、発電に使える様な粒子とかが出るのか、って所が気になるな。

  11. ボイジャーみたいな投げっぱなし衛星には最適かも?
    逆に着陸型の探査機には向いてなさそう
    熱はどうなんだろ、ある程度発熱した方が衛星にはいいんだが

  12. 容器や使用場所などの制限で、実用に至ったとたん寿命30年とかになるんでしょうけどね

    1. 放射線☢️がどのくらいなのかわからないけど
      容器を駄目にするから壊れるのは早いね

  13. 古代のお墓や宝物庫で、永久に消えない火のない魔法の灯明があるって伝説があったりするけど、こんな電池や機器がずっと進歩したらそんな魔法のお話がほんとうになるのかも…

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