困ったもんた。
有名人の親を持つその家族は時と場合に寄ってかなり神経をすり減らす。成功している親の足を引っ張らぬよう毎日の気配りが欠かせない。それは親と子の立場が逆転しても同じ事であるが、一般の社会と違い、芸能界のようなスキャンダラスに充ちた世界に身を置くとそれは更に顕著となって現れる。
先日、タレントみのもんたさんの次男で日本テレビ社員の御法川雄斗(みのりかわゆうと)容疑者(31)が、不正入手したキャッシュカードを使って現金を引き出そうとしたとして、窃盗未遂の疑いで逮捕された。
事実経緯の詳細が現時点で明らかになっていない事から、マスコミ関係者が余り騒ぎ立ててしまうと事の真相が表面に出ず藪の中に隠れてしまう可能性も孕んでいる。
彼が日本テレビのエリート社員と言う立場から見ると、罪状が窃盗未遂と言う部分も大いに気になるところであり、窃盗をするほど金銭に困っているとはとても思えない。
家庭も仕事も飛び抜けて恵まれた環境にあり、順風満帆の人生を歩んでいた御法川容疑者…。そこに降って沸いたような今回の窃盗未遂。この事件の背景にはわたしたち一般人には到底理解の及ばない何かが隠れているような気がしてならない。
彼にしてみれば、父「みのもんた」の存在は計り知れないほど大きかったのだろう。親の七光りを上手く利用して狡猾に振舞う政治家たちほどの神経の図太さを彼は持ち合わせていなかった。常に比較される兄の存在も彼には相当のプレッシャーと感じ取っていたのかも知れない。
自分の方を向いてくれない親の関心を引くために、子が意図的に親を困らせる事がある。まるで駄々っ子のように親の愛を独り占めしたくなる…。大人になりきれない自立心が欠如した心のままで育ってしまった結果ではないだろうか。