ネット○○派 part345 善悪是非を誰が決めているか

ネット○○派 part344 「冷温停止宣言」につっこまないニセ科学批判 - 今日の雑談
以下、追記として書こうとしたら長くなったので、エントリにする。

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僕自身は、冷温停止宣言でもなんでも別にかまわないと思う。それはそれで。僕自身、反原発でも脱原発でもないし。


問題は、ニセ科学批判のスタンスのほうで冷温停止宣言は「言葉尻の問題」だというけど、その問題が本当に「言葉尻の問題」かどうか、誰がどうやって決めてんの?


これは、脳トレの扱いによく似ていて、あれも単に書き方の問題で済まされちゃったように記憶している。こうこうと書いておけば別に無問題、みたいな話にされてた。


あるいは血液型性格判断を、「たかが酒飲み話」とみるか「差別の問題」とみるか、誰がどうやって決めてんの?というのと同じ。そこの基準について、どう考えているの。

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これが、ニセ科学批判でもなんでもなく、普通に学者さんのスタンスなら別に問題にならない。しかし、ニセ科学批判と称している人らが普段と違って科学的根拠があるんだかないんだか怪しい話に突っ込まないから文句の一つも出て、「お上のニセ科学には批判できない性」とか言われる(そもそも疑似科学批判をやるようなのは洋の東西を問わず基本的には左派なのに!)。


しかも、日ごろは「科学のレッテル悪用」をことさらに批判していながら、ある問題については「言葉尻」の問題として処理しようとするのがまたダブルスタンダードになってることに気がついてない。

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結局、「叩きやすい」というのは、詐欺でもなんでもいいけれども、分かりやすい「害」とか「悪」があると叩きやすいというのは、ありますでしょう?誰がどうやって「害」とか「悪」とか決めるのか知らないけれど。


たとえば原発が「悪」であるという政治的立場をとる場合、「お上のニセ科学」は当然痛烈に批判されるべきだろうし、「原発は必要だ」という政治的立場をとる場合、「お上のニセ科学」であっても実害なり悪いことは大した問題ではないという話になるので叩かない、「真っ黒」とは言えないということになる。


害悪があるとみなされれば「レッテルの悪用」で、害悪がたいしてないと見なされれば「言葉尻の問題」になる。で、害悪があるないを誰がどうやって決めてるの。


最終的には倫理の問題になったり、あるいは詐欺が悪いということなら消費者問題の話に持っていくしかないんだけれど、にもかかわらず他方で科学の話だという建前を維持しようとして屁理屈を駆使するから、だから「お上のニセ科学は叩かない性」などと言われたりする。


科学者による科学の話にするなら、ホメオパシーだろうが漢方鍼だろうがなんだろうが全部批判するべきであって、その中に「お上のニセ科学」も当然含まれるべきだというのが筋。


そうでないんだったら、何が害で何が悪か、ニセ科学批判の対象になるほど何が「真っ黒」で、何が「真っ黒」でないのか。ホメオパシーの科学の「レッテルの悪用」はダメで、政府による「レッテルの悪用」は「言葉尻の問題」としてたいして突っ込まない理由は何か。


そこの基準、いったい誰がどうやって決めてんの。

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で、もう何度も書いてるのは、こういうなにが害でなにが悪か、何が善で何が正しいか、ニセ科学批判の場合は科学の装いで科学の正誤の問題に、世間の道徳を重ね合わせた上で、もっともらしい装いを作って運動化することで、ことの是非善悪を喚き散らしているだけになっているのであって、その意味でネット右翼と同じじゃないかとずっと書いているわけ。


喚き散らすだけならまだしも、運動化して数を形成することによって、是非善悪を決定する空気を醸成して押し付けてるだけ、乗せているだけの形になっていて、、、たとえば「円を刷って円安にすりゃいいじゃないか」と簡単にのたまうオタクを生んでるのも、全く同じなんだ。リフレ派の学者や「インテリ」の言うことを素朴に信じてるだけ、醸成された空気による是非善悪を鵜呑みしているだけ。


なにせそうやって円安にするのはさまざまな人の救いになる圧倒的な「善」だもの。だから、政治家はバカだ日銀貴族だ御用一般人だという話に。


似たようなことはネットのどこでも見られるわけで、ホメオパシーだって、あれは詐欺だし人も殺しかねないので圧倒的に「悪」であり「害」であって、逆にホメオパシー批判は「善」なんでしょう?だれがその善悪決めてんのかよく知らないけれど、でもそうなってるからホメオパシー叩きの人たちは最終的には罵倒するか踏み絵論法で脅迫するかしかなくなる。


ニセ科学批判やネット右翼やリフレ派や、つまりネット○○派に限ったことではおそらくなくて、どうもネットの住民に一般的に見られる現象なんではないかと最近は疑っている。そのへんがね。どうもおかしいんだよ。


是非善悪を徒党で決めるって、ホントにそれでいいの??

(さらに追記)
つまり「真っ黒」というのは、ようするにホメオパシーにしろ血液型性格判断にしろ、単に科学的見地から見て全く根拠がないから「真っ黒」なんじゃなくて、なんかしら害なり悪があると認定された上でその合わせ技で「真っ黒」と言ってるようにしか見えないわけ。


当たり前だけど、科学的見地から判断できるのは、あることについて科学的根拠があるかないか疑わしいか確からしいかということだけのはずで、何が悪で何が善か、何が害かはまた別次元の問題。


次元の違う問題を一緒にしてることが分かってないのが問題だと、これまた何度も書いてきたところ。

(さらにさらに追記)
早川さんなんてね、あれでまだかわいいもんなんですよ。あの人個人が最終的に責任をとるかっこうになってるから。しかも、一目で暴論なのは分かって判断しやすい。


でも、ニセ科学批判は違うでしょう?見た目がまともっぽい分だけ、問題の所在が分かりにくくて、たちが悪いんですよ。