PASMOとは、2007年3月18日からサービスを開始したパスネットおよびバス共通カードに変わるICカード乗車券(電子マネー)である。
PASMOあれこれ
- メリットは繰り返し使え、記名式PASMOは、紛失時に再発行(デポジット代500円+再発行代520円の合計1020円がかかる)が出来る。
- オートチャージサービスの登録をしたPASMOは、鉄道の自動改札機に入場した際に、利用者が設定した「オートチャージ設定実行判定金額」以下であった場合に、「オートチャージ設定実行金額」が入金される[1]。
- 大きく分けて記名式PASMO(定期券もこちらに入る。ただし持参人式バス定期券を除く)と無記名式PASMO(持参人式バス定期券の情報を付与することができる)がある。現在持っている無記名式PASMOを記名式PASMOに変更する際には最寄りの駅窓口(事業者によっては券売機で発行することもある)まで赴くこと。
- 記名式PASMOは紛失再発行が可能だが記名人しか使えない。一方無記名式PASMOは紛失時の補償はないが他の人と貸し借りしてもよい。
- また、小児用PASMOもあり、こちらは記名式のみ(定期券を発売する鉄道事業者もある)になる。購入する場合は、利用する12歳未満の人の公的証明書(この場合は、保険証や旅券)を駅窓口(駅によっては購入が不可)に提示すること[2]。
- 定期券としての利用[3]が出来、5万円までなら券売機で購入が出来る。5万円以上の場合は駅窓口にて購入すること。また既に所持している磁気定期券をPASMOに移すことが出来る[4]。
- 購入の際に500円のデポジット(例えば1000円であれば、デポジットが500円ひかれ、残額500円になる)がかかるので、注意すべし。購入の際にはチャージ1000円でなく2000円の購入を推奨する(ただし、小児用は2000円以上の購入となる)。また、支払いは現金のみの利用となる。
- チャージ出来る金額は1000円、2000円、3000円、4000円、5000円、10000円の中から選択する。ただし、PASMOの中に入金できる額は20000円まで。これはFeliCa規格を採用した多くの交通系電子マネーと共通する。事業者によっては10円(東京メトロ、京王電鉄など)、500円(JR東日本など)からのチャージも可能。
- 振替輸送の場合、対象となるPASMOは運行不能区間を発着ないしは経由する定期PASMOのみ。利用の際には、自動改札ではなく駅窓口まで行き、出場処理を受ける。
- 払戻の場合、カード内の残金-手数料220円+デポジット(500円)となる。残金220円以下の場合はその残金全てが手数料として徴収されるため、すべて使い切って払い戻した方がお得となる。
- 記名式PASMOは再発行可能。但し、翌日以降の再発行となるので注意が必要。また、一度手続きを取られると取り消しは出来ない(定期券の有効期限が切れているものでも)。定期券情報がある場合[5]、含まれていない会社では再発行はできない。再発行登録[6]はできる(例:京王⇔小田急⇔東急の場合、再発行が出来るのは京王、東急)。
- PASMOが突如使えなくなった場合は駅窓口・バスの営業所[7]まで。無料で再発行手続きを受けることが出来る[8]。
- PASMOを紛失した場合は、本人確認(公的証明書を持参のこと)を行い再発行登録の手続きをとる。その後、整理伝票を受け取れるので、翌日以降14日以内に駅窓口まで行くこと。その際、手数料520円+デポジット500円が必要となる。
- 紛失したPASMOが見つかった場合、デポジットの500円を払い戻すことが出来る(その際、見つかったPASMOは返却する)。
- 記名式PASMOは再発行などの各種手続きの際、前述の通り身分証との照会作業がなされる。トラブル防止のため、芸名、ハンドルネームなどでの発行は避けたほうがよい。
- クレジットカードとの一体型PASMOを紛失したり、使えなくなったりした時は、鉄道・バス事業者への申出・登録後、クレジットカード会社への連絡を行なうこと。その後クレジットカード会社より新しいPASMO(この時点ではまだ使用不可)と案内状が送られるので、再発行する際は、本人の公的証明書、再発行伝票等と一緒に持参する必要がある。
詳しくは駅窓口、バス営業所へ尋ねるか、PASMO公式サイトを参照のこと。
PASMOの種類
JR東日本が発行するSuica・ビューカードと同様、クレジットカードと一体化したPASMOや、クレジットカードとリンクしたPASMOも存在する。
しかしながら、Suicaは駅に設置されたVIEW ALTTEというATM、それにPaSoRiを用いて自宅のPCから、ビューカードを用いてSuicaへチャージすることが出来るのに対し、PASMOはアプリを用いてのクレジットカードからチャージ以外には基本的に対応していない。(現金チャージはコンビニやスマホ対応の券売機からできる)
バス特(廃止)
PASMOで利用可能なフリー乗車券
JR東日本のSuicaと同様に、PASMOでも各種企画乗車券を搭載可能。現在定期券情報のあるカード、クレジットカード一体型カード、モバイルでは利用不可。有効エリア外を行き来した場合は、境界駅~エリア外間の運賃のみを残高から自動精算するが、もしエリア外~エリア内~エリア外と行き来した場合には、エリア外の運賃のみを足して計算・乗車全区間を通しで計算の両者を比較し、一番安くなる金額を請求する。
- 東京メトロ24時間券
- 東京メトロ全路線が乗り放題。大人600円 小児300円。購入時から24時間有効のため、タイミング次第では終電後翌日に持ち越して利用可能。
- 東京メトロ線・都営地下鉄共通1日乗車券
- 東京メトロ・都営地下鉄全路線が一日乗り放題。大人900円 小児450円。
- 東京フリーきっぷ
- 東京メトロ全路線・都営交通のほぼ全路線・JR東日本の東京23区内普通列車が一日乗り放題。大人1600円 小児800円。東京メトロ・都営交通発行分のみPASMOに搭載可能で、JR東日本発行分はSuicaにしか搭載出来ない。都営の鉄道(都営地下鉄・都電・日暮里舎人ライナー)は全て乗車可能。都バスに関しては多摩エリア(花小金井・青梅・御嶽)も乗車可能な一方で、深夜路線は昼行バスとの差額を請求され、江東01系統(潮見駅~枝川~辰巳駅~潮見駅)は全面利用不可。
- 東京メトロパス
- 東京メトロ全路線が一日乗り放題に加え、提携私鉄の出発駅⇔東京メトロとの指定接続駅一往復が付帯する。価格は路線・出発駅により異なる。小田急・東急・東武・西武・京王はPASMOに搭載可能。
- Greater Tokyo Pass
- 訪日外国人観光客専用の「PASMO PASSPORT」利用客のみ購入可能。大人7200円 小児3600円。鉄道は東京メトロ・都営交通・横浜市営地下鉄・小田急・京王・京成・京急・相鉄・西武・東急・東武・横浜高速鉄道・ゆりかもめが、バスは都バス・東急バス・京王バス・関東バス・西武バス・国際興業・小田急バス・京急バス・京成バス・東武バス・日立バス・横浜市バス・神奈中・川崎市バス・相鉄バス・阪東バス・東京ベイシティ交通・千葉海浜交通・茨急バス・川越観光自動車・朝日自動車・国際十王交通の一般路線が連続3日間利用可能。
- 都営まるごときっぷ
- 都営交通のほぼ全路線が一日乗り放題。大人700円 小児350円。都バスに関しては多摩エリア(花小金井・青梅・御嶽)も乗車可能な一方で、深夜路線は昼行バスとの差額を請求され、江東01系統(潮見駅~枝川~辰巳駅~潮見駅)は全面利用不可。
- 都営バス一日乗車券
- 東京23区内の都バス(江東01系統のみ除く)全路線が一日乗り放題。大人500円 小児250円。PASMO・Suicaどちらでも可。購入時にカード残高から引き落とす。深夜路線は昼行バスとの差額を請求される。
- 都電一日乗車券
- 都電荒川線全路線が一日乗り放題。大人400円 小児200円。PASMO・Suicaどちらでも可。購入時にカード残高から引き落とす。
- 東急バス一日乗車券
- 東急バスの一般路線全路線が一日乗り放題。大人520円 小児260円。PASMO・Suicaどちらでも可。購入時にカード残高から引き落とす。深夜路線は昼行バスとの差額を請求される。
- 東急線ワンデーパス
- 東急全路線が一日乗り放題。大人680円 小児340円。
- 東急線・東急バス一日乗り放題パス
- 東急・東急バス一般路線全路線が一日乗り放題。大人1000円 小児500円。PASMOのみ東急バス一日乗車券からグレードアップ可能(差額を駅券売機・窓口で精算)。
- 東急線トライアングルパス
- 東横線渋谷駅~自由が丘駅、田園都市線渋谷駅~二子玉川駅、大井町線二子玉川駅~自由が丘駅間が一日乗り放題。大人410円 小児210円。
- 東急線みなとみらい線ワンデーパス
- 東急・横浜高速鉄道全路線が一日乗り放題。大人1120円 小児560円。
- 東急線・東京メトロ共通1日乗車券
- 東急・東京メトロ全路線が一日乗り放題。大人1180円 小児590円。
- 東急線・都営地下鉄・東京メトロ共通1日乗車券
- 東急・都営地下鉄・東京メトロ全路線が一日乗り放題。大人1580円 小児790円。
- 国際興業IC一日乗車券
- 飯能営業所を除く国際興業一般路線全路線が一日乗り放題。大人700円 小児350円。PASMO・Suicaどちらでも可。
- 関東バス一日乗車券
- 一般路線全路線が一日乗り放題。大人600円 小児300円。PASMO・Suicaどちらでも可。深夜路線は昼行バスとの差額を請求される。
- 西武バス1DayPass
- 西武バスの一般路線のうち、観光バス・コミュニティバス・イオン東久留米店シャトルバス・メットライフドーム線・メッツァ線・イベント臨時路線を除く全路線が一日乗り放題。大人600円 小児300円。PASMO・Suicaどちらでも可。
- 小田急バス・小田急シティバス1日乗車券
- 一般路線全路線が一日乗り放題。大人600円 小児300円。PASMO・Suicaどちらでも可。
- 京王・東京メトロ・都営地下鉄パス
- 東京メトロ・都営地下鉄全路線が一日乗り放題に加え、京王の出発駅⇔渋谷駅・新宿駅一往復が付帯する。価格は出発駅により異なる。
- 相鉄・鉄道全線1日乗車券
- 相鉄全路線が一日乗り放題。大人740円 小児260円。
- 相鉄MMチケット
- 横浜高速鉄道全路線が一日乗り放題に加え、相鉄の出発駅⇔横浜駅一往復が付帯する。価格は出発駅により異なる。
- ゆりかもめ24時間券
- ゆりかもめ全路線が乗り放題。大人900円 小児450円。通常の一日乗車券と異なり、購入時から24時間有効のため、タイミング次第では終電後翌日に持ち越して利用可能。
- みなとみらい線一日乗車券
- 横浜高速鉄道が一日乗り放題。大人460円 小児230円。
- 1Day立パス
- 立川バスの一般路線全路線が一日乗り放題。大人700円 小児350円。PASMO・Suicaどちらでも可。深夜路線は昼行バスとの差額を請求される。
- 横浜市交通局1日乗車券
- バス専用券のみSuicaも可。地下鉄・地下鉄バス共通券はPASMOのみ対応。バス専用大人600円 小児300円、地下鉄専用大人740円 小児370円、地下鉄バス共通大人830円 小児420円。
- 京成バス・京成タウンバスICカード都内1日乗車券
- 京成バス・京成タウンバスの東京23区内一般路線全路線が一日乗り放題。大人520円 小児260円。PASMO・Suicaどちらでも可。
- 関鉄バスIC一日乗車券
- 土日祝限定。関鉄バスグループ4社(グリーン・パープル・観光含む)の一般路線のうちコミュニティバス・地域間広域バス・筑波山シャトルバス・荒川沖駅~あみプレミアムアウトレット線・茨城県庁シャトルバスを除く全路線が一日乗り放題。大人710円 小児360円。PASMO・Suicaどちらでも可。
- 神奈川中央交通一日フリー乗車券
- 神奈中神奈交グループのコミュニティバスを除く一般路線全路線が一日乗り放題。大人1050円 小児530円。PASMO・Suicaどちらでも可。
PASMO導入路線
利用できる鉄道路線
◇の路線は全国相互利用サービス未対応路線のため、PASMO・Suica以外のICカードは利用できません。
バス
バス路線に関しては、こちらを参照のこと
船舶
なお、Suicaエリアでは、JR東日本、東京臨海高速鉄道(りんかい線)、東京モノレール、埼玉新都市交通(ニューシャトル)、仙台空港鉄道、伊豆急行線、JRバス関東の導入路線・区間・駅・停留所で使える。
また、交通系電子マネーでPASMOと相互利用が可能なのは、長らくの間Suicaのみであったが、2013年3月23日からKitaca,TOICA,manaca,ICOCA,PiTaPa,SUGOCA,nimoca,はやかけんとも相互利用開始した(このほか、6月22日からはSAPICAエリアでも利用可能)。
同じ関東エリアで展開されるJR東日本のSuicaが、PASMOの他、Kitaca,TOICA,ICOCA,SUGOCA,はやかけん,nimocaと、北海道から九州に至る各JRエリア、更に福岡の私鉄・地下鉄エリアで利用が可能なことに比べると、利用可能範囲は狭かったが、全国相互利用開始したことにより、Suicaと同等の範囲で利用できるようになった。これは店舗での電子マネー機能に対しても同じである。
なお、上記の利用可能路線のうち、◇の記号がついている路線は、全国相互利用サービスの対象外となるため、PASMO・Suica以外は利用できない。また、相互利用先のエリアでも、全国相互利用サービスの対象外となるため、PASMOが利用できない路線がある。
PASMOが使えるお店
関連動画
関連項目
脚注
- *どちらの金額の設定も、1000円~10000円の間で1000円単位で設定可能。
- *既に小児用PASMOや小児用Suicaを購入している場合は、2枚目の小児用PASMOは購入できない。これは、Suicaでも同様である。
- *バス定期券については、発行しない事業者もある。また、バス定期券の情報はICカード表面には印字しないので、必ず一緒に渡される「IC定期券内容控」を持参すること。バスの機器の故障や、カードが壊れて使えなくなった時に、係員が「IC定期券内容控」を確認することがある。
- *PASMOが利用できない路線(芝山鉄道線など)との連絡定期券は、PASMOでは発行できない。また、ディズニーリゾートラインはPASMO定期券を発行しないため、ディズニーリゾートラインの磁気定期券をPASMO定期券に移し替えることはできない。
- *有効期限が切れた鉄道定期券情報は、PASMO鉄道事業者の駅(クレジットカードとの一体型PASMOは、その定期券を発行した鉄道事業者のみ)で消去することができる。
- *申出・再発行登録はPASMOの鉄道事業者の駅、バス事業者の一部の営業所の他、Suicaの鉄道事業者の駅・バス営業所でも行える。
- *脚注6番に同じ。
- *カード裏面のカード番号が判読できない場合、再発行することができない。
- *ただし東北地方3エリア(青森・盛岡・秋田)は同年5月27日にサービスが始まったばかりという事から販売停止の対象外となった。