北陸鉄道(ほくりくてつどう)とは、石川県に路線を持つ鉄道会社である。
区分的には中小私鉄で、石川県内唯一の私鉄でもある。もっぱら「北鉄」(ほくてつ)と略される。ちなみに、あまちゃんに登場する「北鉄」(きたてつ)とは全く関連はない。
グループ全体で、コーポレートカラーがオレンジ、赤と定められており、列車もバスもこの色をしていて目立つ。
金沢市の北部から内灘町にかけて、南部から白山市にかけて走る2つの路線を保有・運営しているが、主力は路線バス・高速バス事業であり、公営バスが殆ど存在しない県内において、バス路線の殆どを占めている。
筆頭株主は名古屋鉄道。
元々は第二次世界大戦時中に発令された陸運統制令にもとづき、尾小屋鉄道(小松バスの前身会社)を除く石川県内全ての私鉄会社をほぼ強制的に合併させた地元資本の鉄道会社であったが、社風や方針の違う会社を無理やり合併しているため、60年代初頭に激しい労働争議が起こった際に名鉄が経営参画した。
一時は子会社化されていたが、現在では自立性が高く、名鉄の連結子会社にはなっていない。現在は名鉄出身の加藤敏彦が社長を務めている。
2013年に創立70周年を迎え、県内各地で記念事業を行っている。
現在は、
の2路線を保有・運営している。前者は市南部・野々市市・白山市民の、後者は内灘町・市北部の住民の足として活用されている。
かつては県内の各都市に路線網を保有しており、羽咋市内・小松市内・(現在の)加賀市内なども路線を持っていたほか、金沢市中心部にびっしりと路面電車網をめぐらせていたが、採算の問題と、激しい労働争議の末に、いずれも廃線となった。
現在はこれらの路線の役割を、路線バスが代わりに担っている。
また、かつては石川線の先に金名線という路線を保有しており、白山麓の旧鳥越村(現白山市)まで続いていた。これは実は金沢から名古屋まで線路を敷くという無謀ともいえる目標の下に作られた路線であった(名前も、金沢と名古屋から一文字ずつとっている)。
もっともこの計画は、白山の東側を迂回した上で、長良川鉄道越美南線に接続するというもので、何も北鉄一社で名古屋まで線路を敷くというわけでは毛頭なかった。また、そもそもこの目標自体、投資家の気を引くためのビッグマウスであったと現在では言われる。 無茶しやがって…
石川線については、かつて金名線や能美線、松金線と接続、乗り入れしていた名残から、「石川総線」と地元住民が呼んでいることがある。
北陸新幹線開業を控え、JR金沢駅に直結している浅野川線の乗客はわずかに上昇傾向にあるが、石川線は減少傾向にあり、鉄道事業事態の営業損益は、毎年1億円弱の赤字が続いている。
石川線は金沢工業大学の近くに駅があるほか、JR西金沢駅とも接続しているのだが、利用者減少が止まらない。そのため、かつては先述の通り白山麓まで続いていたのが、まず金名線が廃止され、2009年には本来の石川線の終着駅であった「加賀一の宮駅」という駅から鶴来駅までの区間も廃止され、今は金名線が運営されていた頃の半分ほどの長さとなってしまっている。
2014年7月31日に石川線の四十万駅~曽谷駅間に新駅を造ることが決定し、2015年3月頃に「陽羽里駅」(ひばりえき)として開業した。1937年8月に開業した井口駅以来、じつに78年ぶりの新駅開業である。石川線にとっては久々の明るい出来事であった。
ただこれでも石川線は赤字経営であることから、近年では何かしら対策を講じる必要があるとされた。2023年時点で北陸本線(IRいしかわ鉄道線)金沢駅への直通、鉄道での香林坊への延伸、BRT化した上で金沢市中心部への延伸が検討されている。ただし技術的な課題もあり調査段階である。
いずれも、60年代から90年代にかけて首都圏の私鉄で活躍した車両で、殆ど改造を加えないまま(7000系は)、オレンジ色の塗装だけ加えられて走っている。
石川線と浅野川線では電圧が違うため、一部車両は降圧改造が施されている。
東急7000系(初代)も、京王3000系も、首都圏での運用を引退した後、数多くの私鉄に譲渡され今なお活躍している人気車両だが、この2つを同時に運用しているのは今のところ北陸鉄道のみである。
金沢駅や片町・香林坊、金沢城・兼六園周辺など金沢市街地に路線を展開していた北鉄の路面電車。もともとは金沢電気軌道が開業し、北陸合同電気(現在の北陸電力)が吸収合併し、北鉄に譲渡した路線であった。最盛期には城北通り(国道159号)を経由して現在のJR東金沢駅前まで線路があった。また、野町駅の前まで路線があり、浅野川線と石川総線の相互乗り換えをするための手段としての性格を持っていた。モータリゼーションとの競合激化、交通渋滞の解消を理由に1966年に一部区間が廃止、1967年2月11日に全線廃止となった。
現在の金石街道(石川県道17号金沢港線)に沿って、中橋地区から金石地区まで展開していた路線。金石馬車鉄道が開業し、会社名の通り、開業当初は馬車鉄道であった。1914年に電化され、1943年に北鉄が合併して保有した。しかし、2年後の1945年、経営合理化や金石街道の交通渋滞解消を理由に一部区間廃止、1971年に全線廃止となった。現在は線路跡が全くないが、金石街道の道幅が広いことが唯一の名残となっている。
石川総線の1つ。開業の過程については上述の項目を参照。加賀一の宮駅から白山下駅(旧鳥越村)までの路線。現在の国道157号と手取川を挟んてほぼ並行している。金名鉄道が開業し、開業当初は軽便鉄道で気動車であった。1943年に北鉄と合併し、1949年に全面電化。しかし、1983年に発生した沿線付近の土砂崩れにより、一時運転休止。1984年に復旧再開するも途中にある橋梁に重大な基盤劣化が見つかり、再び運転休止、そのまま全線廃止となってしまった。さよなら運転のイベントも行われず、廃止された北鉄の路線の中で一番虚しい廃止となってしまった。
上述の通り、県内の各都市で路線バスを運営しているほか、小松空港と金沢駅を結ぶリムジンバス、名古屋・東京・大阪などの主要都市と金沢を結ぶ高速バスを運営している。
特に金沢市内には緻密なバス路線網が敷かれており、観光客や学生の貴重な足として、現在、北鉄の主力事業となっている。
もっとも、北鉄本社が運営しているのは、金沢市内の路線バス、小松空港までのリムジンバス、高速バスのみで、他の路線は殆ど分社化されている。
地方の中小私鉄としては珍しく、車両の低床化、LEDディスプレイの導入などに積極的で、市外の路線でもいわゆる「ノンステップバス」が頻繁に走っている。
また、「花咲くいろは」で一躍注目を浴びた湯涌温泉で、ぼんぼり祭りが開催されたときは金沢大学から臨時バスを運行したり、記念切符を販売したりしている。ちなみに湯涌温泉バス停の隣は、作中の名称にちなんで「湯鷺温泉」の名前を冠したバス停が設置されており、サブカル系のイベントにはやや積極的である。
北陸鉄道が独自に導入したICカード乗車券で、北鉄と関連会社の路線バスほぼすべてで使用可能。他者との相互利用はない。
プリペイドタイプと定期券タイプの2つの遣い方が可能だが、バス事業の方がメインとなった中小私鉄の多くがそうであるように、このiCaも、鉄道の方では定期券としてしか今のところ使えない。
JRの石川県内の路線は、いまや全国でも数少ない、自動改札・電子マネー乗車券の未導入区間として(主に県民に)有名だが、JRを差し置いて、中小私鉄である北鉄がICカード乗車券を導入して既に10年が経とうとしている。
2013年には創立70周年を記念して、このカードのマスコットキャラクターであるアイカちゃん柄のカードが発売された。さらにiCa誕生10周年を記念して2014年に新しく記念柄カードが発売された。
金沢市泉本町にあるボウリング場。1970年9月12日開業。開業当初は76レーンあったが、ボウリングブームの衰退の影響で現在は48レーンに縮小されている。以前は、1階にプレイプラザというゲームコーナーやビリヤード場があった。建物内にはグループ会社の北陸ビルサービスや北鉄航空の本社が同居している。ボウリング場公式のマスコットキャラクターが存在し、70周年記念事業の一環で2013年に名前を公募して付けられた。ボウリングのボールを持った三毛猫とトラ猫で、前者はニャンボ、後者はたまである。2014年夏頃より、公式Facebookを開設し、場内の大会の様子やイベントを広報している。2015年度に開業45周年を迎える。
掲示板
9 ななしのよっしん
2016/07/31(日) 02:27:34 ID: vAdpWRnRIi
中心部は渋滞も多く悪天候も多い気候。それなりの都市規模はあるし、鉄道・地下鉄の需要はあると思うけどなあ。
野町から地下化して香林坊、武蔵、金沢経由で金沢港方面まで延伸すれば便利になるのに。金沢港方面にいろいろ集積させようとしてるけど、金沢で分断されてるし行きにくい。
金沢中心部⇔野々市、白山はラッシュ時に道路詰まるので、石川線の価値は急上昇する。線形いいから軌道状態が向上すれば高速運転も可能だし。
浅野川線は現状で金沢まで来てるし、大金投じて変える必要性が薄いと思う。終点から終点までの需要が大半だから、快速走らせて所要時間短縮くらいかな。
10 ななしのよっしん
2016/11/04(金) 19:59:18 ID: avYG55b16a
10年前まで、石川線も浅野川線も半数近くが優等列車だったんだよな・・・
11 ななしのよっしん
2019/10/03(木) 07:34:38 ID: Qh7rZVqIVX
ヤバイねこれ
北陸鉄道運賃13%余り値上げへ
https://
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最終更新:2024/12/23(月) 20:00
最終更新:2024/12/23(月) 20:00
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