有名人と警察

2005年02月01日 11時55分00秒 | Weblog
 「明治天皇が逮捕された」ような気分になった。歌舞伎俳優の中村勘九郎さん(四九)の二男、中村七之助(本名・波野隆行 二一)が一月三十日未明、公務執行妨害の現行犯で警視庁大塚署に逮捕され、一日釈放された直後記者会見していた。トム・クルーズ主演、渡辺謙助演のハリウッド映画「ラストサムライ」で明治天皇役を演じていた印象が今でも濃厚に残っているからである。
 ◇東京都内のホテルで催された勘九郎さんの「十八代目中村勘三郎襲名を祝う会」(に出席後、友人らと酒を飲み帰宅する途中、タクシー代金の支払いをめぐっていざこざとなり、運転手さんに交番に突き出されて逃げ出し、追いかけた警察官を殴っしまったという。泥酔すると前後不覚になり、おまけに車から降りてゲーゲー吐くという醜態を演ずることは、よくある。不肖小生にも、「若気の至り」は身に覚えが何度かある。
 ◇「泥棒を捕まえてみれば我が子」という譬えもあるけれど、「捕まえてみれば、超有名人」とあれば、警察官は「思いがけず大物を釣り上げた釣り人」も同然で、大手柄である。「ネズミを取らないネコ」のような警察官が増えているなかで、ビジネスマン並みに実績を上げるのに躍起になっている立派な警察官もいる。軽い犯罪でも手当たり次第摘発して件数を稼ぐのが得意な警察官もいれば捜査して事件にするか否かを決める際、「新聞・テレビで報道されるかどうか」を基準にしている「手柄優先型」の警察官もいる。なかには、自分の身に危険を感ずれば、犯罪が目の前で起きていても交番から出て行こうとしない臆病な警察官もいる。埼玉県草加駅前交番での出来事が思い起こされる。
 ◇ガックリ肩を落としてお詫び会見をしている「明治天皇」の姿を見せられては、興ざめだが、本当に泥酔して乱行に及んだ七之助は、おそらく「本物の泥酔者」の気持ちを身に染みて痛感したはずである。これを肥やしにして、舞台の上で真に迫る演技を見せて欲しい。それにしても超有名人は辛い。
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