報道陣の取材に答える静岡県警の津田隆好本部長=静岡市葵区追手町の県警本部で2024年12月26日午後4時55分、丘絢太撮影 袴田巌(いわお)さん(88)が一度は死刑とされた冤罪(えんざい)事件の検証結果を捜査当局が発表した。当時の取り調べが問題だったことは認めたものの、物証の捏造(ねつぞう)は明らかにできず、長期化した再審請求審の振り返りも踏み込み不足だった。袴田さん側は「検証は不十分だ」と批判のトーンを強めた。 「捏造」の有無 結論至らず 9月の静岡地裁・再審無罪判決は、捜査当局による「証拠の捏造」があったと認めており、この「宿題」に捜査当局がどう答えるかが、検証の焦点の一つだった。 裁判所から捏造とされた、袴田さんの「自白調書」については、静岡県警、検察双方が「不適正」と認めた。