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hirayasu.hatenablog.com
以前お手伝いしていた会社の人事責任者が変わられたということで、久しぶりに顔を出してきた。 そして、弊社が人事制度設計を行ったときと今との違いをいろいろと伺っていたのだけれど、懸念されていた二極化が進んでいて、それが5年後くらいに問題になるんじゃないか、という話になった。 それは人材の二極化だ。 基本的に多くの人たちは第一の極に集まっている。 新卒、あるいはそれに近い形で会社に参画する。 そして与えられる仕事に取り組みながら経験を積み、自分自身の年収もあげていく。その速度は、弊社が制度設計するまではずいぶんと遅かったのだけれど、制度改定で早くした。それはちゃんと生きている。 しかしその会社は、とにかく成長速度が速い。 だから責任のあるポストは多いのだけれど、そこに人が足りない。 だから外から連れてくる。その人たちが第二の極だ。 高レベルの経歴を持ち、高い年収で入ってくる。 問題となるのは、第
面白い本を読んだ。 知人の大室正志さんが紹介していた本。大室さんは産業医として活躍されながら、ニュースピックスでもプロピッカーとして活躍されている。 僕がこの本に惹かれた理由は、実は大室さんの紹介文だ。 Facebookの友人・知人向けに書かれた紹介文なのだけれど、ご本人の許可を得たので、その一部を掲載してみたい。 「サードインパクト、サードプレイス、サードウェーブ。 「様々な3」が出回る昨今、さすがにこれは思いつかなかった。いやさすがに言えなかった。近年まれにみる”思い切りの良い本“が発売されました。 その名も『日本3.0』。」 「本書はいわゆるジャーナリストが事実を積み上げてまとめたノンフィクション作品ではありません。事実はあくまで参考文献。意見を補強するためのツールに過ぎません。 ですので、この歴史認識などにとやかく言うのは野暮ってもんです。 むしろこのような本はヒトをどれだけ「その
人間が最終判断をする限り、人工知能がはじきだした最高の選択肢は、単なるきまぐれで拒否されるだろう。 あるいはたまたまの好き嫌いで、でかもしれない。 けれどもきまぐれとか好き嫌いという選択肢は、きっと種を保存させるためのものだ。 なぜなら、合理的な最高の選択肢は、必ずしも意思決定者にとっての最高の選択肢とはかぎらないだろうから。あるいは、意思決定者にとって最良であっても、意思決定者が愛する人にとってはそうではないかもしれない。 そういえば、そんな話は歴史上たくさんある。 王が世継ぎを決めるのに、候補者の優秀さではなく、その母親(王にとっても妻や妾)との関係性で決まってしまうことなどだ。 王国にとって合理的な判断は、優秀な候補者を王にすること。 王にとっての合理的な判断は、自分の意思を告げる、やはり優秀な候補者を王にすること。 けれども母親たちからすれば、自分の子が王になることが最も望ましい。
合理的な人工知能に比べて、人は不合理だから魅力的だということを書いた。 人のもっとも不可解な(けれども僕もやっぱりそうしてしまうことのある)不合理さのひとつが、行動した方が良いにもかかわらず、何もしないときがあるということだ。 それは要は人は「怠ける」ことがあるということだ。 人は不合理だからこそ魅力的だ - あしたの人事の話をしよう けれども、僕の仕事(人事の仕組みを作ったり、セミナーや大学院で講義をしたりすること)の場面では「何もしない」≒怠ける人に出会うことはまれだ。だから不可解だけれども、直接悩まされることはあまりない。 (僕自身が怠けてしまうことがある、ということは問題ではあるのだけれど) 僕がいろいろな組織での、評価とか報酬とかの仕組みづくりの際にもっとも頭を悩ませる不合理さは、実は別にある。 それは「特別扱い」だ。 お気に入りと嫌いなものを作ってしまう感情に対して、どのように
人工知能によって多くの職業がなくなる、という論文が出て世間をにぎわせたことは記憶に新しい。 www.goodreads.com たしかに、人工知能によって多くの職業はなくなる。 けれど、技術の発展によって今までも多くの職業はなくなってきた。 だから人工知能だから、という特別なことはほとんどない。 たとえば論文で示している代替可能性の3つの視点は次のようなものだが、言い換えるなら、人の方が知覚や操作スキルに長けているし、クリエイティビティは発揮できるし、そもそも人に対する社会的スキルは人以外にはまだまだ難しい、ということを前提基準としている。 IT化の3つのボトルネック :以下の3種類のタスクは、現段階ではIT化によって代替される可能性が低い。 【知覚・操作】Perception and Manipulation tasks ロボットはまだ人間の知覚・操作レベルに達していない。 対象を厳密に
僕は人事コンサルタントなので、人の行動について考えることが多い。 その本質は一言で言えば「不合理さ」だ。 たとえば、絶対今勉強しておいた方が良い、というときに、友人たちから遊びの誘いがあったとしよう。頭では勉強すべきだ、とわかっていても、ついつい遊びの誘いに乗ってしまう人は決して少なくはないだろう。 それはまったく不合理だ。 でも、そんな人の不合理さを考えるときに、人工知能が普及したらどうなるだろうか、と思うようになった。 たとえば、自動車の自動運転システムの様に、人の判断を人工知能が支えることができるようになったらどうなるだろうか、ということだ。 経営などの判断において用いられるような意思決定支援システムが、個人レベルで手に入るようになればどうなるのだろう。一定の財務情報やプロセス情報に限定されている経営判断指標に比べ、個人の生活における行動選択において、関連する指標は果てしなく多い。け
最近言われているようにプログラミングは必修化の方向にある。 文科省でも、まじめにその在り方を議論してきているくらいだ。 小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ):文部科学省 僕はもともとキャリアの最初でプログラミング(大規模システム開発プロジェクトでコーディングしたり仕様書を書いたりすること)に携わっていたし、振り返ってみれば小学六年の頃(1980年頃だ)からNECのPC-8001でBASICのプログラミングをしていたので、いわゆるプログラミングスキルはある方だと思う。 でも、自分はたまたま興味があってそういうスキルを身につけたけれど、自分の子どもに教えるとなるとなかなか難しいなぁ、と考えていた。 というのも、すでに完成されたアプリが多すぎるからだ。 僕が初めてPCに触れた1980年台といえば、もちろんwindowsなんかなくて、真っ黒な画面のコマンドプロン
2016年11月28日の読売新聞朝刊に、僕のコメントが掲載された(少しだけだけれど)。 インタビューは受けたけれど、記事の趣旨に反するコメントになってしまったので、おそらく載らないだろうなぁ、と思っていた。 けれども、その辺はさすが大手新聞社。 異なる視点も重要なので、是非掲載します、とのことだった。 「職場『飲みニケーション』推奨」 それが記事のタイトルだけれど、僕は推奨しない、というコメントをした。 そのあたりの理由について、備忘的に書いておこうと思う。 僕が、会社がお金を補助したり、場を作ったりする飲みニケーションを推奨「しない」理由は次のようなものだ。 ▼現代の企業は、かつての永年勤続する共同体から、プロジェクトチームのような性格へ変化しつつある。そして変化している会社では、上司が部下に号令して行くような飲み会は減っているだろう ▼とはいえ、人が集まる場所ではストレスが発生するもの
2015年の夏頃から、名だたる欧米の企業で年次業績評価制度を廃止した、という報道がされている。 僕が昔在籍していたアクセンチュアもその中に含まれているので、実際にどんな改革を進めたのかを聞いてみたりもした。 また、他の会社での改革についての調査もしてみた。 結論としては「廃止した」というよりは「改革した」というのが正しい。 そして、改革の方向性は単一ではないようだ。 おそらく守秘義務が含まれる領域もあるので、ここであえて詳細は記さないが、先頭の記事で公開されているIBMの例で言えば、これはそれほど大した話ではない。 要約すれば、これまでは年次目標の達成度で評価していたけれど、これからは以下の5つの評価指標で評価しますよ、ということ。 具体的には以下の5つらしい。 1)ビジネスの成果:これは今までと同様 2)顧客の成功へのインパクト:測定できる顧客満足度指標、といったところか 3)イノベーシ
僕の人事コンサルタントとしてのキャリアは、今年でだいたい20年になる。 その間、多くのクライアントを支援してきたけれど、中でも特に記憶に残る一社がある。 まだ外資系コンサルティングファームにいた頃。某都銀からの紹介案件がマネジャー会議に持ち込まれた。パートナー(役員)の一人が案件の内容を淡々と紹介した。 「……で、この案件。誰が担当してくれる?」 普通は「誰が担当したい?」とたずねるはずだ。けれどもこの案件についてだけはしてくれる?というたずね方だった。 20人ほどのマネジャーの中でも、人事を担当できるマネジャーは限られている。その数人で顔を見合わせたが、誰も率先して手をあげなかった。 「ちょっと、ねぇ……」 「銀行紹介だから、大丈夫ではあるんでしょうけれど……」 「そもそもなんでうちがこんな会社を見なきゃいけないの?」 そんな言葉が会議を飛び交った。 僕も(なんでこんな業界の会社を?)と
先日のセミナー登壇時に話したことを書いてみる。 その日のセミナー終了後のアンケートは、いつものように高い点数をいただけたのだけれど、さらにフリーコメント欄に「感動しました!」「10年前に聞けていればもっと良かった」などの意見をいただけた。 毎年3回定期的に登壇するそのセミナーで僕は、管理職がどうすればもっと活躍できるようになるのか、という問いかけに対して答えている。その合間に小ネタを挟むのだけれど、その日は、管理職になったら2つの事をしましょう、という話をした。 単純で誰にでもできるけれど、案外やっていない管理職が多いことだ。 1.管理職になったら会議を開こう 会議、というと無駄なものというイメージが強い。 でも本来の会議にはもちろんメリットが多い。 まず第一に、あらたまった場としての雰囲気を作り出せることだ。隣の机で働いている人と会議をする必要はない、と思うかもしれないが、集中して議論を
僕は大阪に住んでいるのだけれど、クライアントの大半は大阪以外にある。特に東京。それ以外にも九州や中国地方、東北にもクライアントはいる。 だから自然と出張が毎週のあたりまえになり、四泊~五泊の出張も珍しくない。そして出張していても仕事はするので、晩御飯は遅くなる。10時過ぎとか0時すぎとかも当たり前だ。だから誰も誘えなくて、一人でどこかの店を探してもぐりこむ。 そんなとき、本が僕の相手をしてくれる。 今日はこんな本を読んだ。 ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書) 作者: 原田泰 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2015/02/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 僕は人事制度をつくる仕事をしているので、企業側のスタンスにたっている。それはつまり、自由競争を肯定する立場だ。だからこの本も正直、アンチの立場で読んでみようと思っ
ネットワーク論はまだまだ研究途上の学問なんだろうと思う。 たとえば、SNSがどういうものか、ということを論じてはいるけれど、SNSがどんな影響を及ぼすのか、ということについては語っていないからだ。 その意味で良い本を見つけた。 なぜ3人いると噂が広まるのか (日経プレミアシリーズ) 作者: 増田直紀 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2012/03/08 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 17回 この商品を含むブログ (10件) を見る 本のタイトルと内容が違う、と言うのはよく見るけれど、この本はまあすごい。 噂、とかぜんぜん語ってないし。 内容はとてもしっかりしたネットワーク論の本だ。それも、なるべくど素人にもわかるように丁寧に書いてくれている、まじめな本だ。(わかりやすい分だけ内容は浅いけれど、それは著者の別の本を読めばいい) とても示唆に富んだ内容なのでぜ
「出世」本をもとにした取材を受けながら、あらためて、ビジネスパーソンのキャリアにある2つの天井を考えていた。 第一の天井は、本にも書いたように、管理職手前から管理職に出世するときのものだ。 目の前の仕事ができるだけでは上に行けなくなる。目の前の仕事を卒業できるようになっても、上の仕事ができる見込みがなければ入学できない。 だから上の仕事をあらかじめ理解して自分のものにすれば、第一の天井は超えることができる。 第二の天井は従業員から経営層になるときのものだ。 それは「使われる側」から「使う側」へ変わるタイミングなのだけれど、これをもう少しわかりやすく説明できないものだろうか、と考えていた。 なにか一つのキーワードで説明でいれば一番よい。 そうして僕が気づいたのが「仕事の創り方」だ。 これを覚えることができているかどうか、が第二の天井を超えるポイントになる。 逆にいえば、「仕事の創り方」を覚え
コンサルタントの仕事の一つに、学問的に研究されている内容を現実に適用してみる、いうものがある。 人事コンサルタントの世界にももちろんそれはあって、そもそもは目標管理とかコンピテンシーだってそういった活動の一環だった。 今僕が着目しているのは、硬い言葉でいえば人的資本の積み上げ方法、なのだけれど、ぶっちゃけていえば「ビジネスパーソンがよりよい経験を積むにはどうすればいいのか」というものだ。 これには2つの視点がある。 ひとつは、ビジネスパーソンとしての「自分自身の経験の積み方」だ。 自己啓発書で示される内容などがこのジャンルに入る。多くの自己啓発書に意味がない、という言われ方をするけれど、僕は決してそうは思わない。 ただ、本を読んだだけで行動をしなければ意味がない、ということにはまったく同意するのだけれど。 で、ふたつめ。 こちらの方がより重要だと考えているのが、「経営者としての経験の与え方
前回記事はこちら。 僕が59才になるときの「確定」人口グラフをつくってみた - あしたの人事の話をしよう 今回は、紹介したグラフの僕なりの読み解き方を書いてみる。 結論を一言で言えば、「40代以上にこそ多様な活躍が求められる」ということだ。 ■ 40代前後の人たちが直面する三つの課題 前回記載したグラフは、高齢層が増えて若年層が減る、というように見えたと思う。 でもそんなマクロのことを考えても仕方がない。 大事なことは、一人一人にとってどんな変化があるか、だ。 ちょうど僕は人口のボリュームゾーン(今35~50才くらいの世代)にいるので、その世代を例にあげてみよう。 僕たちの世代が活躍する場面において重要なことは3つある。 第一に、会社の中のポストよりも人数が多い、ということ。 だから上のポストを得ていくタイプの出世を目指していても、必ず手に入るとはかぎらない。むしろ、自分のためのポストを社
2012年末に「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」と言う本を東洋経済新報社から上梓した。 年収300万以下で働く人たちが50%近くにまで増えているということや、毎年の平均昇給額が5000円もない状況(1990年代までは1万円くらいはあった)を踏まえて、「コストとしてコントロールされるようになった給与」の仕組みを人事制度の観点から解き明かした本だ。 給与を決める人事制度を理解すれば、もっと給与を増やす働き方ができる。 そんな事実を大勢の人に知ってほしい。 そう考えて本を書いた。 発売後は日経ビジネスや日経ウーマン、人事専門誌などの硬めの書評でもとりあげられたし、週刊プレイボーイや週刊SPAのような柔らかめの雑誌でも特集を組まれたりした。 それから2年がたった今年に入って、KINDLE版が全書籍中1位を獲得することもあり、現状はどうなっているんだろう、と言うことを考えて分析
書店をぶらぶらしていて、そういや本が売れなくなっているというけれど、どれくらいなんだろう、と考えました。 事務所に戻っていろいろと調べていたら、こりゃたしかにつらいな、ということがわかりました。 ざくっといえば2009年で8500億円(雑誌は含みません)。 ピークが1兆1000億円だったので、15%の減少です。 年率4%減少くらいで推移しているらしいので、2012年データはありませんでしたが、8000億円を切っているかもしれません。 8000億円ってどれくらいの市場規模かというと、こんな風に比較してみましょう。 〇 宝くじ市場(2009年) 9800億円 (公表データ) 〇 健康食品市場(2009年) 約6700億円 (出典:矢野経済研究所) みんな、本を買うよりも宝くじ買うんですね。 あと、マイナビにこんな記事がありました。 20代のビジネス書購入率。1年以内に購入したことがあるのは19
就職や転職のとき、志望している会社の中身をどうやって知ればよいのだろう。 会社案内やホームページ、それに面接官がどういう人か、などから推測するしかないのだろうか。 面接される側として、会社の内容についてあまり具体的に聞くことも難しい。 仮に聞いたとしても、本当のことを答えてもらえるとは限らない。 一方で、就職活動や転職活動の時、会社から僕たちにはどんどん質問される。 そうして、僕たちがどんな能力や性格や行動をとる人間なのかを徹底的にリサーチされる。 会社側の人事の立場としての面接手法については、以前こんな記事を書いた。 10分で人の本質を見抜く方法 - あしたの人事の話をしよう じゃあ面接される側としては、会社に入ってみないとわからないのだろうか。 ネットである程度判断するための方法としては、こんなものもある。 就職・転職を考えるときにググってみたいたったひとつのキーワード - あしたの人
就職の面接や、毎年の評価の面接で、その人のいったい何がわかるのか? そんな疑問を持つ人も多いことでしょう。 私自身多くの面接を担当してきました。 その個人的な結論ではありますが、「10分話せばわかる」と考えています。 もちろん極めてまれに、その後の話で評価が覆る場合もあります。 それでも、「長くても30分でわかる」と結論づけています。 面接否定派の方々には、様々な意見があります。 例えば大学入学に面接を活用する、という毎日新聞の報道がありましたが、否定派の方も多いですね。こんな記事とか。 「面接苦手な人は大学に入れなくなる」 国公立大学入試の「人物重視」に猛反発 http://www.j-cast.com/2013/10/11186128.html?p=1 口下手な人向けに、就職活動での面接対策についての教育やサイトがあります。それこそ星の数ほど。 口下手な人はそんな教育やサイトに頼る必要
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