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2025-11-08

写真家を名乗る「プロ」が技術的に映像処理を理解していない悲しみ

本当に残念なことに、デジタルカメラ時代の「写真家」を名乗る人間ほとんどが自分RAW処理ソフトウェアの開発をしたことはなく、審査員を名乗っている人間の多くは、実際に行われた処理の内容を想像することすらしない。

主観的に良し悪しを判断するのは間違いではないのだが、何が行われて写真撮影ができているのか、そしてそれをどうやって鑑賞できているのか知らない人間ばかりなのである

ただひたすらに画角がどうの、コントラストがどうの、彩度がどうのなどと言ってみているが、RAW処理ソフトの「コントラスト」や「彩度」というパラメーターがどのような実装になっているのか、或いはトーンマッピング処理について理解して審査しているまともな人間がどれほどいるというのか?

例えば「ホワイトバランス補正」と言われて「色温度」と思った人は、実写の画像処理に対する理解が足りていない可能性が高い。

特に静止画撮影者は技術面に明るくないものが多く、動画の人のほうがよっぽど技術面に詳しい。実際には同じことをやるのに。

もっとも重大な誤解は、ある種の「無加工」と信じられている実写映像と肉眼が十分に近い、と思われがちだというところだろうか。

カメラが見ているものCGは非常に近いが、人間の見ているものカメラが見ているものには大きな乖離があるという大前提が抜け落ちてしまっているのだ。

なにせ撮って出し信仰者なんてものもいるのだからカメラの中でどういう処理がされているのか少しでも理解しようとするならば、撮って出しを「真」とするのがいかに愚かなことであるか、初期の段階でわかるはずではないのか。

例えばFUJIFILMのように、この辺りを踏まえて「一般消費者メーカーの言うとおりにすべきだ」と言わんばかりの姿勢を見せるメーカーもあるが、これはかなり理にかなっているとも思う。FUJIFILMは「記憶色」を謳ってきたが、これ自体は間違いではない。(もちろんFUJIFILMの色の処理が適切だとは微塵も思わないし「フィルムシミュレーション」などという、知識不足消費者PROVIA・ASTIA・VELVIAなんてあたかフィルム再現しているかのような名称で売るのはいかがなものかと思うけれど)

日本語意味合いとして「真を写す」なんてものにこだわるのは誤りだと言わざるを得ないが、せめて、何をしているか理解しようという姿勢を見せたらどうなんだ。

プリセット販売します」とか「フィルム再現します」とかいう、ただ消費されるだけの消費者を見ているのは少しばかり腹立たしくもあるが、それを利用して商売を続けてきた側は間違いなく悪い。

美術目的なら好きなようにやれ、と言うことに決めているが、理解した上で全ての利用者開発者になってくれれば、もっと自由世界が待っているのに……。

また、せめて複写をするようなプロは「Foveonは正しい紫色が撮れる」「Adobe Camera RawよりCapture Oneのほうが色が良い」「LUMIXは色が良い」「FUJIFILMは撮って出しで正しい色が出る」みたいなバカなことを言っていないで、画像処理フィルムデジタル動画静止画・実写・CGわず)の勉強をもう少しばかりやり直していただきたいものである

フィルム時代自分の手で現像プリントを試みることよりも、デジタル時代のほうが圧倒的に安定していてシンプル(同じ処理をすれば同じ結果が得られると言いたい)なのに、それをしない。

論文の入手も簡単で、独学でのプログラミングするハードルがとても下がった良い時代なのだから

 
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