TPO
別名:Time, Place, Occasion
「TPO」は「時・場所・場面」を意味する略語であり、「時と場合に応じた格好や振る舞いをする」「場違いな服装や態度を慎む」という意味で用いられる言葉である。服装・言葉遣い・態度・作法などを、その時々の状況に応じて適切に選び、その場にふさわしい振る舞いをする、ということ。主に「TPOに応じた服装」「TPOをわきまえる」のような言い方をする。
TPOの3文字はそれぞれ「Time(時)」「Place(場所)」「Occasion(場合)」の頭文字である。要するに「時と場合」である。
TPO の別の言い方としては「ドレスコード」や「マナー」などが挙げられる。ドレスコードは服装を、マナーは態度や作法をあげつらう場面で使える。
TPOは和製英語である。
「TPO」の由来
TPO という表現が使われ出したのは、1964年の東京オリンピック開催にされた年のことである。当時は、時と場所によった洋服の使い分けをする風潮がなかった。そこで、オリンピック観戦のために海外からやってきた旅行者に恥ずかしくないよう、時と場所に合わせた服装をするように啓蒙活動が行われるようになった。その際に盛んに用いられた言葉がTPOである。「ドレスコード」や「服装規定」よりも浸透し、定着も早かった。TPOの意味は当初、「時・場所・場合をわきまえた服装」という意味合いが強く、使われる場所も、ファッションに関するところや、服装のマナーを教える場などに限られていた。その後、TPOの語が定着してくるにつれ、「時・場所・場合をわきまえた振る舞い」といった意味が後付けされていった。近年では、「マナー」や「常識」といった意味でもTPOの語が用いられる。また、「空気を読め」という意味で「TPOをわきまえろ」といった使い方もされるようになってきた。
なお、TPOの語は和製英語のため海外では意味が通じない。TPOに近い意味を持つ英語としては occasional dressing や flexible clothing などが挙げられる。
ビジネスシーンにおけるTPOの語の使い方
- お得意先へ挨拶や営業に行く際は、TPOを意識して服装やもちものに気を配る
- TPOをわきまえた服装が自然にできるようになれば、社会人として一人前だ
- 服装は自由と言われても、TPOを意識することが重要だ
- ビジネスの服装はTPOが第一
- TPOをわきまえられない服装をしていれば、社会人失格
- 就活の服装はTPOが大切。自由にと言われても真に受けないこと
ファッションシーンにおけるTPOの語を使った例文
- TPOに合わせなければ、せっかくのファッションも台無し
- TPOに合わせたファッションをすることが大切
- TPOに合わせたファッションをしないと一緒にいる人に恥をかかせてしまう
- カジュアルな場でもTPOを考えてね
ファッションシーンにおいては、時や場所、場合よりも、場の雰囲気や空気にあった服装という意味に使われることが多い。TPOにはドレスコードといった意味合いもあり、最近のマナーブックには、「結婚式の服装、TPO」「お葬式、法事の服装、TPO」といったフレーズがよく使われている。
TPOの語は、時代に合わせて少しずつ変化していると言える。最初は、「時・場所・場合を考えた服装」を意味するだけだったのが、やがて、「言葉遣いや振る舞い」が加わり、さらに今は「空気やしきたり、常識を考慮した行動」といった意味も加わっている。
TPO
TPOとは、Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字を取った言葉である。これは、行動や態度、服装などを決定する際に、その時間、場所、場合を考慮することを示す。例えば、ビジネスの場ではフォーマルな服装が求められ、カジュアルな場ではリラックスした服装が適切である。また、時間によっても適切な行動は変わる。夜間の公共の場では静かに振る舞うことが一般的である。このように、TPOは社会生活を円滑に進めるための基本的なルールを表す言葉である。
TPO
「TPO」とは・「TPO」の意味
TPOとは、「Time(時)」「Place(場所)」「Occasion(場合)」の頭文字であり、服装や言動などを時と場合に応じて選ぶ、という意味で用いられる言葉である。TPOは和製英語である。英語圏では「TPO」という言葉は特にない。医療学術用語である「Thrombopoietin(産生数を調節する造血因子のトロンボポエチン)」もしくは「thyroid peroxidase(甲状腺ペルオキシダーゼ)」の略語と解釈される可能性はある。
日常生活における「TPO」とは
日常生活における「TPO」は、公共の場で社会のルールや常識に則った振る舞いをすることである。電車やバスなどの公共交通機関や映画館、レストランなどでは携帯電話をマナーモードにすることや、大声で話したり大きな物音を立てたりしないことなどがあげられる。また、レストランにおいては、お店の客層や雰囲気に合わせた服装をすることも求められる。高級レストランにサンダルにジーパンというラフな服装で訪れると、「TPO」に相応しくない振る舞いをしていることになる。そのほか、結婚式に招待されて花嫁とかぶる白い洋服を着用して出席したり、寺院や教会、神殿などの宗教施設に露出の高い服装で訪れたりするのも「TPO」をわきまえていない行動である。ビジネスにおける「TPO」とは
ビジネスにおける「TPO」は、時と場合に合わせてビジネスマンとして相応しい振る舞い・服装をすることである。取引先や営業先との商談に赴く場合、ビジネススーツを着用したり、その場に相応しいバッグを使用したりすることがあげられる。仕事用の鞄としてリュックを使用するビジネスマンも増えてきたが、商談時にリュックで赴くのは適切でない。また、ビジネスシーンにおいては、服装だけでなく場に合わせたフォーマルな言葉遣いをすることも「TPO」に沿った振る舞いになる。「TPO」をわきまえた行動・服装ができないビジネスマンは、仕事において信頼を勝ち取ることは難しい。
看護における「TPO」とは
看護の仕事においても「TPO」は重視されている。看護における「TPO」とは時や場所、場面に合わせて看護師らしい振る舞い・服装をすることである。看護師は一般的に「白衣の天使」というイメージを持たれているため、医療現場で奇抜な髪色や濃いメイクをしていると「TPO」にそぐわないと判断されることがある。また、言葉遣いにおいても、ただ礼儀正しく敬語で話すだけでなく、患者さんの気持ちを和ませるためにカジュアルな言葉遣いにしたり、冗談を言ったりすることも「TPO」に沿った振る舞いとなる。
「TPO」の読み方
「TPO」の読み方は「ティーピーオー」である。英語で時間という意味を持つ「Time」、場所という意味を持つ「Place」、場合や場面という意味を持つ「Occasion」という3つの単語の頭文字をとり「ティーピーオー」と読まれている。また、日本において「TPO」と読まれている略語は他にもあり、東京フィルハーモニー交響楽団は「Tokyo Philharmonic Orchestra」の頭文字をとり「ティーピーオー」と読まれ、太陽光パネルのビジネスモデルは、「Third-Party Ownership」の頭文字をとり「TPOモデル(ティーピーオーモデル)」と読まれている。「Third-Party Ownership」とは第三者保有型電力購入契約という意味で、第三者が保有する設備を設置し、売買契約を結ぶというものである。「TPO」の語源・由来
「TPO」は英語の頭文字をとった言葉であるが、英語が語源ではなく日本人によって作られた和製英語である。「TPO」という言葉は、「VAN Jacket inc.(株式会社ヴァンヂャケット)」の創設者の石津謙介氏だとされており、1964年の東京オリンピックが開催される前に日本人の意識を変えるために作られた言葉だという。1960年代までの日本において、時や場所、場面に合わせた相応しい服装をするという習慣はなかった。お正月やお祝いなど晴れの日に正装をするという習慣はあっても、出かける場所や時、シーンに合わせた服装をしている人はほとんどいなかった。そこで、東京オリンピックが開催されることで外国人が日本に多く訪れることも踏まえ、外国人観光客を迎えるにふさわしい服装をすることを目的に提唱された。日本を代表するファッションブランドの創設者が「TPO」を唱えたため、それに倣う人が増え「TPO」に沿った服装をする人が増えていった。戦後の混乱から立ち直り、先進国の仲間入りをしたいという風潮もあったことから、国際社会の中で恥ずかしくない振る舞いをしたいという国民の意識が高まっていたことも後押ししている。現代においては「TPO」に相応しい服装をすることは当たり前のことになっており、概念は定着したと言える。
「TPO」は、もともと「時や場所、場面に合わせた服装をする」という意味で、場面に合わせた洋服の使い分けを国民に広めることを目的にしていたとされる。しかし、「時や場所、場面に合わせた振る舞いをする」という意味も含まれるようになり、マナーに沿ったファッションや振る舞いをすることが「TPO」の意味するところになった。
「TPO」の熟語・言い回し
TPOがわからない人とは
「TPOがわからない人」とは、その場にそぐわない服装や振る舞いをする人のことを指す。中でも、職場にリゾートワンピースを着用してきたり、フォーマルな席にミニスカートやジーパンを着用するなど、場に相応しくない服装をする人が「TPOがわからない人」として認識されやすい。多様性が重視される時代になっているものの、「TPO」に相応しいファッションをすることは社会人のマナーとして守らなければならない。また、その場の雰囲気を乱す人も「TPOがわからない人」として認識される。場所や場面に合わせた言葉遣いをするとともに、場所や場面に合う話題を選ぶことも必要になる。職場の仲間と飲み会で話しているような下世話な話題を、上司や年長者がいる席において飲み会のトーンで行うのは「TPOがわからない人」である。
TPOを弁えるとは
「TPOを弁える」とは、場所や場面に合わせた振る舞いをすることである。特に社会人においては、TPOを弁えた行動をすることが求められる。初対面の人と会う時はきちんとした印象を与えられるようにジャケットを羽織ったり、会食の際には明るい印象を与えられるように明るめの色味の洋服を着たりなど、相手に配慮したファッションを選ぶのもTPOを弁えていることになる。そのほか、上下関係を意識した言葉遣いをしたり、相手が理解しやすいよう理論立てて話したりするのも、TPOを弁えた振る舞いである。
「TPO」の使い方・例文
・TPOをわきまえた振る舞いをすることは、社会人としてのマナーである。・お葬式にジャラジャラとアクセサリーをつけてくるなんて、彼女はTPOをわきまえていない。
・普段は冗談ばかり言っている上司だが、商談の時はTPOをわきまえたビジネスマンの顔になる。
・彼女はいつも露出度の高いファッションなので、フォーマルな席でTPOに応じた服装ができるか心配だ。
・彼はTPOをわきまえているので、会社の顔としてどこに出しても恥ずかしくない。
・TPOを考えると、お祝いの席のBGMで別れの曲を流すのは相応しくない。
・TPOに合わせたファッションをしなかったため、パーティーで1人だけ浮いてしまった。
・この場に合うTPOが別の場所に合うTPOだとは限らないため、臨機応変に対応しなければならない。
・TPOとは時と場所、場面に合わせた服装をするだけでなく、シーンに合わせた言葉遣いや振る舞いをすることも求められる。
・どれだけ仕事ができても、TPOをわきまえていない人は周りから反感を買ってしまう。
TPO
別表記:time place occasion
TPOは、主に服装、あるいは言動などについて、「時と場合に鑑みて適切に振る舞う」という趣旨を述べる際に用いられる語である。
TOPの3字はそれぞれ、time(時)、place(場所)、occasion(場合)の頭文字である。なお、このTPOは英語由来の外来語ではなく、日本人が考案した和製英語である。
T・P・Oの3要素は、自分がどのような状況に置かれ、どのような服装や振る舞いが求められるのか、を顧慮するためのキーワードとしてよく用いられている。たとえば厳粛な儀式においては、正装し、私語を慎んで臨むことが求められる。こうした配慮を「TPOをわきまえる」という風に表現することが多い。
「ドレスコード」は日本語で「服装規定」と訳される語であり、もっぱら服装を対象とする話題ではあるが「時と場合に応じて適切に選ぶ」という点においてTPOと相通じる意味合いがある。ドレスコードは、催し事へ出席するにあたり最低限は遵守すべき装いのフォーマルさの基準である。冠婚葬祭では礼装または略礼装を着用する、海外レストランでは短パンにサンダルといった過度にカジュアルな服装は避けてジャケットを着用する、といった規定が一般的な礼儀作法(エチケット)でありドレスコードとして知られている。ドレスコードはTPOの下位概念とも言い得る。
TPO
tpo
TPO
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 10:33 UTC 版)
TPO(ティーピーオー)
- Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)。Opportunityと使われることもある)の頭文字をとって、「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。本項で解説。
- 東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)の略。
- テラヘルツ波パラメトリック発振器(THz-wave Parametric Oscillator)の略。
- 東京ピンボールオーガニゼーション(Tokyo Pinball Organization)の略。
- トラベルプランニングオフィスの略。東京都に本社を置く旅行会社
- 甲状腺ペルオキシダーゼの略。甲状腺ホルモン合成にかかわる。
- トロンボポエチンの略。
- 1980年代前半に活躍した日本の音楽ユニット。メンバーは岩崎工、天野正道、福永柏、安西史孝。「ポストYMO」と言われたユニットで、当時最先端の音楽ツールであったフェアライトCMIなどを駆使して活動していた。
- 移転価格調査官 (Transfer Pricing Operations)
TPOは、「Time(時間)」、「Place(場所)」、「Occasion(場合)」の頭文字を取った略語で、状況に応じて適切な服装や言動をすることを意味する[1]。
概要
TPOとは、状況に応じて適切な服装や言動をすることを意味する。
具体的には、以下のようなことが挙げられる[2]。
- 時間帯:昼間と夜間では、適切な服装や言動が異なる。
- 場所:フォーマルな場とカジュアルな場では、適切な服装や言動が異なる。
- 場合:結婚式や葬式などの特別な行事では、それにふさわしい服装や言動をする必要がある。
歴史
TPOという概念は、1960年代に日本のファッションデザイナー石津謙介によって提唱された[3]。
当時、日本は高度経済成長期を迎え、人々の生活は豊かになっていた。
それに伴い、ファッションも多様化し、フォーマルとカジュアルの二種類に分けられるという考え方が一般的になっていた。
しかし、石津謙介は、時間、場所、場合によって服装を変えるべきだと主張した。
彼の主張は、当時の日本のファッション界に大きな影響を与え、TPOは日本のファッション文化に欠かせない概念となった。
TPOの例
- ビジネスシーンでは、フォーマルな服装で、丁寧な言葉遣いを心がける。
- プライベートでは、カジュアルな服装で、リラックスした態度で接する。
- 結婚式では、華やかな服装で、お祝いの言葉を述べる。
- 葬式では、地味な服装で、慎みのある態度で接する。
重要性
TPOを意識することは、相手に失礼のないようにするためにも、また、自分自身を快適に過ごすためにも重要である。
適切な服装や言動をすることで、相手に好印象を与え、円滑なコミュニケーションを図ることができる。
また、自分自身も、状況に合った服装や言動をすることで、快適に過ごすことができる。
脚注
出典
- ^ https://dictionary.goo.ne.jp/word/TPO/#jn-149500
- ^ https://www.nissen.co.jp/s/ladies/article/SL21FA108/
- ^ 『トラディショナルの方法 男の服装術』 日経事業出版社
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