時と場所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:20 UTC 版)
デモを成功させるのには、それが行われる時と場所が重要である。誰も見ていないところで、誰もいない時間にいくらデモをしても意味がなく、より効果的に行うために適した日・時間としては、デモの参加者が集まりやすく他人にも示しやすい休日が選ばれることが多い。 またよりデモを意義あるものにするため、例えば反核運動では8月6日(→広島市への原子爆弾投下)を、イラク戦争を非難するのに3月20日(米英連合軍が侵攻した日)を、原子力撤廃を訴えるのに3月11日(→東日本大震災と福島第一原子力発電所事故)を、反ロシアを訴えるのに8月9日(満州にソ連軍が侵攻した日で反ソ連デー)を選ぶなど、デモに関係する記念日を選ぶことがある(10月21日の「国際反戦デー」関連は有名だった)。また場所は、大人数を収容できる広場やその行進に適した道幅の広い大通りが選ばれる。また、デモに関係する土地や施設の前で行われることも多く、例えば所定の国の政府の政策に抗議するために、その国の在外公館前でデモを行うなどがみられる。 しかし、ただ人通りが多い場所や日時を選べばよいというものではない。交通量の多い通りのいくらかの車線を封鎖したり、普段から混雑する広場や歩行者専用道路を用いてデモを行うということは、多くの人に自らの主張を伝えられる一方、渋滞や混雑、騒音などで直接的な不利益を被った者は不快感を、そして時には主張そのものに反感を覚え、さらには直接的な衝突に発展することもある。これを回避するため、治安当局はデモの主催者に開催場所や日時の変更を指導したり、許可を降ろさないこともあり、デモ隊には多数の警察官が警備に当たることがある。
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