無限角形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/08 08:46 UTC 版)
正無限角形 | |
---|---|
辺・頂点 | ∞ |
シュレーフリ記号 | {∞} |
コクセター図形 | |
内角 (度) | 180° |
双対多角形 | 自己双対 |
無限角形 (むげんかくけい、むげんかっけい、infinite polygon、apeirogon) は、「無限個の辺と頂点を持つ多角形」とされる図形である。円の面積を多角形による近似で求める方法などから、正多角形の無限への極限を円と類推されることもある[注 1]が、幾何学においては、無限遠まで等間隔に並んだ無限個の頂点とそれらを結ぶ無限個の線分といった描像を持つことが多い。
以下においてもapeirogonの訳語としての無限角形について記すが、深谷賢治『双曲幾何』では理想境界 (ideal boundary) 上の頂点を1つ以上持っている図形 (ideal polyhedron) を無限多角形と呼んでいる。[1]
定義
初等的定義
正多角形は平面上の合同変換に関連付けることができる。原点でない適当な点 A0 に対して、原点を中心とした ユークリッド平面においては3種類しか存在しなかったタイル張りは、双曲平面においては無数に存在する (具体的に、任意の整数 p ≧ 3 に対して、双曲正p角形からなるタイル張りが存在する[3])。その極限的なケースとして、シュレーフリ記号 {∞, p} で表されるタイリング(このとき p は各頂点に集まる図形あるいは辺の数を表す)が考えられる。このときそれぞれの図形は双曲平面のホロサイクル(英語: horocycle)に内接した無限個の頂点と辺を持つ図形であり、すなわち無限角形 (apeirogon) である[4]。 脚注
注釈
- ^ [1]などに見られる
- ^ 日本語版『正多胞体』ではapeirogonを「正無限角形」と訳している (Coxeter 2022)。
出典
- ^ 深谷 2004, p. 110
- ^ H.S.M.コクセター 著、一松信 監訳、岡田 好一、日野 雅之、宮崎 興二 訳『正多胞体』丸善出版〈数学クラシックス〉、2022年7月25日、47頁。ASIN B0B874ZZNY。ISBN 9784621307267。
- ^ 深谷 2004, p. 133, 定理 4.34
- ^ Coxeter, Harold Scott Macdonald (1999). The beauty of geometry: twelve essays (Unabridged republication ed.). Mineola (N.Y.): Dover publ. p. 201. ISBN 978-0-486-40919-1. LCCN 99-35678
- 深谷, 賢治『双曲幾何』岩波書店、2004年9月7日。ISBN 9784000068826。
関連項目
- 無限角形 (小説) … コラム・マッキャン (Colum McCann) による小説。邦題『無限角形 1001の砂漠の断章』
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