災害状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 21:54 UTC 版)
都道府県別死者数 (多い順)順位都道府県死者・行方不明者数1 23愛知県 3,378人 2 三重県 1,273人 3 奈良県 113人 4 岐阜県 104人 5 福井県 34人 6 岩手県 29人 7 長野県 27人 8 青森県 22人 9 和歌山県 17人 10 滋賀県 16人 兵庫県 16人 12 山梨県 15人 13 群馬県 10人 14 京都府 9人 15 埼玉県 8人 16 鳥取県 7人 17 福島県 6人 静岡県 6人 19 北海道 5人 徳島県 5人 21 神奈川県 4人 岡山県 4人 高知県 4人 24 東京都 2人 新潟県 2人 広島県 2人 愛媛県 2人 28 秋田県 1人 茨城県 1人 千葉県 1人 富山県 1人 大阪府 1人 合計5,098人全国被害状況集計において、犠牲者5,098人(死者4,697人、行方不明者401人)、うち愛知県で3,351人(うち名古屋市1,909人)、三重県1,211人と、伊勢湾岸の2県に集中した。負傷者は3万8,921人。全壊家屋3万6,135棟、半壊家屋11万3,052棟、流失家屋4,704棟、床上浸水15万7,858棟、船舶被害1万3,759隻。被災者数は全国で約153万人に及んだ。うち、三重県は約32万人、愛知県は約79万人と、県全人口の約2割が被災した。 南寄りの暴風で、海水が熊野灘・伊勢湾・三河湾の最奥部に吹き寄せられ、和歌山県南部から愛知県までの広い範囲で高潮による浸水が発生し、名古屋市南区付近では、1か月以上も水が引かなかった地域があった。 名古屋市南部(南区、港区)および隣接する海部郡南部(蟹江町、飛島村、弥富町(現:弥富市)、十四山村(同市)など)、知多郡北部(大高町(現:名古屋市緑区)、上野町(現:東海市)など)は江戸時代に遠浅の海を干拓してできた新田で、海面下2 - 3メートルの土地もあったため、高潮により、いったん海岸堤防が破壊するとひとたまりもなく水没した。これら低地の復旧のためには、まず堤防を完全に作り直した上でポンプにより海水を排水しなければならなかったため、水没地域が完全になくなったのは被災から半年経った翌年3月下旬であった。その間、多くの世帯の汲み取り式便所の汚水があふれ出たままとなり、また、孤立した人々の排泄物も停滞するなど、公衆衛生が著しく悪化した。同年10月6日には早くも次の台風16号が東海地方などを通過し、岐阜県養老郡養老町で豪雨により田畑が水没するなどの被害が出た。水が引いた後の5月にはチリ地震津波が発生し、台風が通過した東北地方太平洋側と三重県南部を中心に再び被災した。 台風の速度が非常に速く、雨の継続時間が比較的短かったにもかかわらず、奈良県吉野郡川上村入之波(しおのは)で19時における時間雨量が118ミリ、9月26日の一日雨量が650mmという猛烈な豪雨となり(紀の川流域におけるこの年の年間降水量は3,655.8mmで、平年の2倍以上であった)、紀の川や櫛田川など大台ヶ原を水源とする河川では洪水被害が大きくなり、橋梁の流失4,160か所、堤防決壊5,760か所などがあったのをはじめ、山間部では土石流や鉄砲水による住家や耕地の流失・埋没の被害が大きかった。岐阜県養老郡養老町では揖斐川の堤防が決壊し、ほとんどが水に浸かった。台風の際には、比較的顕著ではない発雷も豪雨に伴って発生した。 暴風による被害も大きかった。最大風速は四国東部から関東南部の沿岸で30m/s以上、伊勢湾沿岸では45m/s以上、瞬間的には65m/sを超えたところもあった。このため、建物の全半壊、送電線の切断、電柱・鉄塔の倒壊、風倒木が多く、塩風害も多発した。 半田競艇場は、この台風により、選手控え室を除くすべての建物を損壊したため、閉鎖を余儀なくされた。なお、同競艇場の主催者であった半田市は、現在に至るまで常滑競艇場において一部日程のレースを主催している。 米国側の報道によると、当時アメリカ空軍の基地であった立川飛行場において100万ドル以上(当時のレートで3億6千万円以上、現在の価値に換算すると900万ドル弱)の被害が出たとの発表があった。 死者・行方不明者が多い台風(1951年以降)順位名称国際名年死者・行方不明者数1 伊勢湾台風(昭和34年台風第15号) Vera 1959年 5,098 2 洞爺丸台風(昭和29年台風第15号) Marie 1954年 1,761 3 狩野川台風(昭和33年台風第22号) Ida 1958年 1,269 4 ルース台風(昭和26年台風第15号) Ruth 1951年 943 5 昭和28年台風第13号 Tess 1953年 478 6 昭和41年台風第24号 Helen 1966年 318 昭和41年台風第26号 Ida 1966年 8 昭和34年台風第7号 Georgia 1959年 235 9 昭和40年台風第29号 Carmen 1965年 209 10 第2室戸台風(昭和36年台風第18号) Nancy 1961年 202 負傷者が多い台風(1951年以降)順位名称国際名年負傷者数1 伊勢湾台風(昭和34年台風第15号) Vera 1959年 38,921 2 第2室戸台風(昭和36年台風第18号) Nancy 1961年 4,972 3 ルース台風(昭和26年台風第15号) Ruth 1951年 2,644 4 昭和28年台風第13号 Tess 1953年 2,559 5 洞爺丸台風(昭和29年台風第15号) Marie 1954年 1,601 6 昭和34年台風第7号 Georgia 1959年 1,528 7 平成3年台風第19号 Mireille 1991年 1,499 8 平成16年台風第18号 Songda 2004年 1,364 9 狩野川台風(昭和33年台風第22号) Ida 1958年 1,138 10 平成11年台風第18号 Bart 1999年 1,077 日本の住家被害が大きい台風(日本1951年以降)順位名称国際名年住家被害1 伊勢湾台風(昭和34年台風第15号) Vera 1959年 833,965 2 第2室戸台風(昭和36年台風第18号) Nancy 1961年 499,444 3 ルース台風(昭和26年台風第15号) Ruth 1951年 221,118 4 洞爺丸台風(昭和29年台風第15号) Marie 1954年 207,542 5 平成3年台風第19号 Mireille 1991年 170,447 6 平成30年台風第21号 Jebi 2018年 97,910 7 昭和28年台風第13号 Tess 1966年 86,398 8 昭和30年台風第22号 Louise 1955年 85,554 9 令和元年房総半島台風(令和元年台風第15号) Faxai 2019年 76,874 10 昭和34年台風第7号 Georgia 1959年 76,199 浸水被害が大きい台風(1951年以降)順位名称国際名年浸水被害1 狩野川台風(昭和33年台風第22号) Ida 1958年 521,715 2 昭和28年台風第13号 Tess 1953年 495,875 3 昭和51年台風第17号 Fran 1976年 442,317 4 第2室戸台風(昭和36年台風第18号) Nancy 1961年 384,120 5 伊勢湾台風(昭和34年台風第15号) Vera 1959年 363,611 6 昭和40年台風第24号 Trix 1965年 251,820 7 昭和29年台風第12号 June 1954年 181,380 8 昭和49年台風第8号 Gilda 1974年 148,934 9 昭和34年台風第7号 Georgia 1959年 148,607 10 昭和47年台風第20号 Helen 1972年 146,547
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