せん【千】
読み方:せん
[音]セン(呉)(漢) [訓]ち
〈セン〉
1 数の名。百の十倍。「千人・千両箱/数千・一騎当千・海千山千(うみせんやません)」
2 数の多いこと。「千言・千秋・千客万来・千差万別・千里眼」
[名のり]かず・ゆき
せん【千/×阡/×仟】
せん【千】
読み方:せん
姓氏の一。
[補説] 「千」姓の人物
千少庵(せんしょうあん)
千宗易(せんそうえき)
千宗左(せんそうさ)
千宗室(せんそうしつ)
千宗旦(せんそうたん)
千道安(せんどうあん)
千利休(せんのりきゅう)
ち【千】
千
『今昔物語集』巻1-16 鴦堀魔羅は、千人の指を切って天神に祭り、王位を得ようとした。彼が剣を持って出かけると、最初に会ったのは太子時代の釈迦だった。太子は鴦堀魔羅に要求されるまま、自分の指を与えたので、鴦堀魔羅はにわかに慈悲心を起こし、仏道を奉ずるようになった〔*→〔九百九十九〕2の『賢愚経』では、指を999本とったところで仏に教化される〕。
『平治物語』下「常葉六波羅に参る事」 九条女院立后の儀式の時、京中の美女千人をそろえ、その中から百人を選び、さらに百人の中から十人を選んだ。その十人の中でも、「常葉(常盤)御前が第1の美女」との評判だった。平清盛は、美しい常葉御前を見て愛欲の心を起こし、殺すはずだった彼女の3人の子供(今若・乙若・牛若)を、助命してしまった。
『まつら長者』(説経)5段目 さよ姫は大蛇の千人目の生贄になるが、姫の読経で大蛇は改心して成仏する→〔経〕3a。
『水鏡』下巻 鑑真が、恵美押勝大臣の娘を見て「この人には千人の男に逢い給う相がある」と述べた。後に、大臣が討たれた日、千人の兵士が悉くこの娘を犯した。
*千人の后→〔一夫多妻〕3の『熊野の御本地のそうし』(御伽草子)。
*千人のはずが千1人いる→〔人数〕2の『三宝絵詞』下-30。
★2.千日。
『神道集』巻10-50「諏訪縁起の事」 地底の維縵国から日本へ帰る甲賀三郎は、国王好美翁の教えどおり、千頭の鹿の生き肝を集めた千枚の餅を1日に1つずつ食べ、千日の旅をする。999枚まで餅を食べて、最後の1つを半分食べ、5重の岩段を登って残りを食べ終わると、信濃国の浅間の嶽へ出た〔*『諏訪の本地』(御伽草子)では、1千1百日の旅〕。
『長谷寺験記』下-13 童子が「千日の間見るな」と山蔭中納言に告げ、方丈の室にこもって千手観音像を造る。千日に満ずる暁、仏所を蹴破って童子(実は長谷観音)は去り、中納言が見ると3尺の千手観音像があった。
*千日眠る酒→〔酒〕6。
『捜神記』巻18-9(通巻421話) 千年を経た狐が若い書生に化け、司空の張華を訪れて議論を挑む。張華は書生を狐と悟るが、犬をけしかけても書生は平然としている。そこで張華は、千年を経た古木を切り、それに火をつけて書生を照らすと、ようやく古狐の正体を表した。
『黒衣の僧』(チェーホフ) 今から千年前。シリアかアラビアの砂漠を、黒衣の僧が歩いていた。ところが、数マイル離れた湖の上を、もう1人の黒衣の僧が渡って行く。それは蜃気楼だった。蜃気楼からまた1つの蜃気楼が生まれ、黒衣の僧の姿はアフリカでも、スペインでも、インドでも、北極圏でも見られた。ついに蜃気楼は大気圏を出て、今では宇宙空間をさまよっている。黒衣の僧が砂漠を歩いた時からちょうど千年後に、蜃気楼は再び大気圏に入って、人々の目にふれる。今日か明日にでも、われわれは黒衣の僧に出会うかもしれない〔*青年コヴリンの心をとらえた伝説〕→〔自己との対話〕5。
『ヨハネの黙示録』第20章 神と悪魔との決戦が行なわれ、世界が破滅した後、天使が悪魔を深淵に封じ込める。神に殉じて死んだ人々が生き返り、以後千年の間、キリストとともに地上を統治する。千年が終わると悪魔は牢から解放され、再び神に挑むが敗れ、火と硫黄の池に投げ込まれる。
*千年間、処女を派遣する→〔神に仕える女〕1の『ギリシア神話』(アポロドロス)摘要第6章。
『大悲千禄本(だいひのせんろくほん)』(芝全交) 千手観音も不景気には勝てず、千本の手を切り離し、薩摩守忠度・茨木童子・女郎・無筆の人など大勢に、有料で貸し出す。坂上田村麻呂が、鈴鹿山の鬼神退治(*→〔鬼〕4aの『田村』)に必要な多くの手を借りに来たので、大勢に貸し出した手を返却してもらい、それを田村麻呂に貸してまた儲ける。しかし、女郎に貸した手は小指がなくなり、喧嘩した手は握りこぶしに傷を負って、返って来た。
『平家物語』巻2「卒塔婆流」 康頼入道は平家討伐を企てたため、丹波少将・俊寛僧都とともに鬼界が島へ流される。康頼は千本の卒塔婆に「ア」字の梵字・年月日・名前・歌を記し、海に浮かべる。千本のうちの1本が厳島明神の渚に打ち上げられ、平清盛もこれを見て哀れに思った〔*後、康頼と少将は赦免される〕。
★6.千の性器。
『カター・サリット・サーガラ』「ウダヤナ王行状記」9・挿話15 天帝インドラが、ガウタマ仙の妻アハリヤーと姦通する。ガウタマ仙は怒って呪詛し、妻アハリヤーを岩石にする。ガウタマ仙はまたインドラに対して「汝の望んだ女陰が千個、身体につくだろう」と呪詛し、インドラは全身を女陰でおおわれる〔*後、インドラが天女ティロッタマーを見る時、それらは千の眼に変わる〕。
★7.千人針。千人の女性が一針ずつ、縫い玉を縫いつけた晒し布。出征兵士がこれを腹にまけば、弾丸よけになると言われた。
千人針(松谷みよ子『現代民話考』6「銃後ほか」第2章の2) 太平洋戦争中の千人針は、はじめは女なら誰でもよかった。しかし戦死者が多くなると、いろいろな条件がつくようになった。「処女に縫ってもらうのがよい」、「五黄の寅の女がよい(虎は千里行って千里帰るから)」、「千人目の針は、糸でなく髪の毛で結べ」、「処女の髪がよい」、「性毛がよい」、「5銭硬貨をくくりつけるのがよい(4銭=死線を越えるから)」など、さまざまなことが言われた(兵庫県神戸市)。
『築地河岸』(宮本百合子) 昭和12年(1937)頃の夏。収監中の夫・啓三(=宮本顕治がモデル)に面会した帰り、道子は駅前で、赤ん坊を背負ったおかみさんから、千人針を1針縫ってくれるよう頼まれた。道子が「御主人ですか?」と訊くと、おかみさんは「ええ、そうなんですよ、あなた。子供が3人いるんですよ」と言った。7月このかた、市中の人出の多いところは、到るところで千人針がされていた。
★8.宝は千揃えて持つのがよい。
『義経記』巻3「弁慶洛中にて人の太刀を奪ひ取る事」 弁慶は、「人の重宝は千揃えて持つものだ」と考えた。奥州の秀衡は名馬千疋、筑紫の菊池は鎧千領、松浦の大夫はやなぐい千腰・弓千張。このように重宝を揃えて持っている。弁慶は、「人の持つ太刀を千振(ふり)取って重宝にしよう」と思い、夜、京の町中に立って、通行する人の太刀を奪って歩いた→〔九百九十九〕3。
★9.千枚田。
『笠の下の田』(昔話) 昔、百姓がセンメエボッコで田植えをしたが、千枚あるはずの田が、いくら数えても999枚しかない。どうしても1枚足りん。あきらめて、置いてあった蓑を取り上げたら、その下に1枚あった(福島県石川郡平田村中倉筒地)。
千(安倍なつみ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:04 UTC 版)
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千
出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 10:49 UTC 版)
発音(?)
名詞
熟語
翻訳
- 古英語: þusend
- アラビア語: ألف (’alf)
- ベラルーシ語: тысяча (tysjača)
- ブルトン語: mil
- ボスニア語: hiljada, hiljadu (属格)
- カタルーニャ語: mil
- チェコ語: tisíc
- ウェールズ語: mil
- デンマーク語: tusinde
- ドイツ語: tausend 中性
- ギリシア語: χίλια (khília)
- 古典ギリシア語: χίλιοι (khílioi)
- 英語: thousand
- エスペラント: mil
- スペイン語: mil 男性
- エストニア語: tuhat
- ペルシア語: هِزار (hezār)
- フィンランド語: tuhat
- フランス語: mille 男性
- 西フリジア語: tûzen
- アイルランド語: míle
- グアラニ語: su
- ゴート語: (þusundi)
- グジャラート語: હજાર (hajāra)
- マン島語: jeih keead, milley, thousane
- ヘブライ語: אלף (élef)
- ヒンディー語: हज़ार (hazār)
- クロアチア語: hiljada, tisuća
- ハンガリー語: ezer
- インターリングア: mille
- インドネシア語: ribu
- イド語: mil
- アイスランド語: þúsund
- イタリア語: mille 男性
- 朝鮮語: 천 (cheon)
- クルド語: hezar, hizar
- ラテン語: mīlle, indecl; millia, 中性 pl.
- リトアニア語: tūkstantis 男性
- マオリ語: mano
- マラヤーラム語: ആയിരം (aayiram)
- 満州語: minggan
- マレー語: ribu
- マルタ語: elf
- オランダ語: duizend 女性
- ノルウェー語: tusen
- パンジャブ語: ਹਜ਼ਾਰ (hazār)
- ポーランド語: tysiąc
- ポルトガル語: mil
- ルーマニア語: mie 女性
- ロシア語: тысяча (týsjača) 女性
- サンスクリット: सहस्र (sahasra)
- シンハラ語: දහස (dhahasa)
- スロヴェニア語: tisoč
- アルバニア語: mijë
- セルビア語: хиљаду (hiljadu)
- スウェーデン語: tusen
- スワヒリ語: elfu
- テルグ語: వెయ్యి, వేయి (veyyi, vEyi)
- タイ語: พัน (pan)
- タガログ語: libo
- トルコ語: bin
- ウクライナ語: тисяча (tysjača)
- ベトナム語: một nghìn, ngàn
- ヴォラピュク: mil
- 中国語: 千 (qiān)
千
「千」の例文・使い方・用例・文例
- 3千ドルの勘定を支払う
- 年千ドルの被服費を支給する
- 私の月々の小遣いは5千円です
- アレンは数千本も映画を見てるんだ.それにまた本の虫だからね
- ここから東京のほとんどと千葉の一部が見える
- 彼は私から千円借りていったのに返してくれなかった
- 感染症が発生し何千という人が死んだ
- 千トン積みの船
- 修理費を5千円と見積もる
- 私の家なら約12万5千ドルで売れると思います
- そのコンサートホールは座席が千ある
- 私名義の預金が5千ドルあります
- その年の材木の伐採量は2千トンだった
- 悪事千里を走る
- 会社がその損失を取り戻すには5千万円必要である
- ただ1人の病原菌保持者がついには何千人もに感染させることもある
- その町には約千人が住んでいる
- 千切り
- 先週宝くじの1等賞金は2千万ドルにもなった
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