mamekoが出会った 世界の食べもの

世界の料理やお菓子など、おいしいものを綴っていきます
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鶏肉のチリンドロン@錦糸町

「チリンドロン」は、肉と玉ねぎ、トマト、ピーマンなどを煮込んだ、
スペイン北東部・アラゴン地方の郷土料理。

肉は鶏や羊を使うのが一般的で、ウサギや豚を使うこともあります。

チリンドロンの名は、アラゴン地方の食堂や居酒屋で親しまれていた
同名のトランプゲームにちなんでいるそう。
由来については諸説あり、

チリンドロンゲームの勝者が食事代を払う決まりがあり、
この時に提供されていた煮込み料理にゲームの名をつけた

とか、

玉ねぎ、トマト、ピーマンの3つの材料が欠かせない煮込み料理を、
ジャック、ナイト、キングの3種のカードの組み合わせで勝利が決まる
チリンドロンゲームになぞらえた

などと言われています。

錦糸町の「バル ポルテーニョ」で、鶏肉を使ったチリンドロンをいただきました。

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手羽元と玉ねぎ、トマト、パプリカ、マッシュルーム、オリーブを煮込んでいます。

ソースたっぷりで、シチューのよう。
汁好き的には大歓迎です♪

ソースは、最初トマトの甘味が広がり
その後唐辛子の辛味が追いかけてくる感じ。
濃厚で身体が温まります。

手羽元は骨からの身離れがよく、ホロホロ食感。
野菜にも鶏の旨味が浸み込んでいます。

パンと一緒にいただきましたが、パスタにも合いそうだと思いました。


スペイン北東部とフランス南西部にまたがるバスク地方は、美食で有名。

人口1人当たりのミシュラン星付きレストランの数が世界で一番多い街
として知られるサン・セバスチャンも、バスク地方にあります。

魚介類を煮込み、イタリアンパセリを加えた「サルサ・ヴェルデ」は、
バスク地方の伝統料理。

サルサ・ヴェルデは「緑のソース」という意味で、
イタリアンパセリの緑色に由来します。

錦糸町の「バル ポルテーニョ」で、白身魚とアサリを使った
サルサ・ヴェルデをいただきました。

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ソテーした白身魚、アサリ、パプリカを、緑色のソースで煮込んでいます。

ソースはとろみがあって、魚と貝の旨味がすごい!
イタリアンパセリのさわやかさとニンニクの香りも、食欲を刺激します。

魚は小麦粉をつけてソテーしてから煮込んでいると思われ、
外側はソースが染みてとろりとなめらか、内側は蒸したようにふっくら。
アサリも火入れが絶妙です。

とにかくソースが美味しくて、バスク地方へのあこがれが募りました。


「スティッキー・トフィー・プディング」は、イギリスで人気の温かいデザート。

刻んだドライデーツをケーキ生地に混ぜて蒸し焼きにし、
キャラメルソースに似た熱々の「トフィーソース」をかけたものです。

スティッキーとは「ねっとりした」とか「ベタベタした」という意味で、
デーツ由来のねっとり食感や、
トフィーソースのベタベタした甘さやとろみを表しているとか。

イギリスではパブやレストランの定番デザートで、
アイスクリームやホイップクリーム、クロテッドクリームを添えて提供されます。

中目黒の「スワン&ライオン」でいただきました。

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運ばれてきたのを見て、ビーフシチューかと思いました。
または角煮?

温かいトフィーソースの海にホカホカのデーツプディングが浸り、
クロテッドクリームが添えられています。

プディングはデーツの甘味が黒糖に似ており、黒糖蒸しパンを超しっとりさせたよう。
トフィーソースはキャラメルっぽい濃厚な香りで、想像を上回る甘さです。
クロテッドクリームは「ザ・乳脂肪」という感じの、ミルキーでまろやかな味。

3つをあわせて食べると、
「美味しいものは脂肪と糖でできている」ことを実感します。

ものすごく甘いのに、後引く美味しさ。
お皿に残ったトフィーソースも、スプーンですくってしっかり完食しました。


「バンガーズ&マッシュ」は、焼いたソーセージにマッシュポテトを添え、
炒め玉ねぎとグレイビーを混ぜた“オニオングレイビーソース”をかけたもの。

「ソーセージ&マッシュ」とも呼ばれる、イギリスやアイルランドの伝統料理です。

ソーセージを指す「バンガーズ」は、本来「爆竹」という意味。
第一次世界大戦の頃つくられていたソーセージは水分を多く含んでおり、
加熱すると爆竹のような音を立てて破裂することが多かったため、
ソーセージのことをバンガーズと呼ぶようになったと言われています。

バンガーズ&マッシュは、安価でお腹がいっぱいになることから
庶民的な食事の代表で、パブの定番料理だとか。

中目黒の「スワン&ライオン」でいただきました。

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直径3cm弱、長さ10cmほどのソーセージが2本ドーン。
マッシュポテトと、紫キャベツのピクルスを添え、
刻んだガーキン(きゅうりのピクルス)入りのグレイビーソースをかけています。

ソーセージは肉がぎゅっと詰まった感じ。
ハーブの香り高く、塩味が強めです。
ガーキン入りで酸味のあるグレイビーソースや、
紫キャベツのピクルスと一緒に食べると、さっぱりした後味に。

ソーセージも美味しいですが、感動したのがマッシュポテト。
きめ細かくなめらかで、バターの風味が最高!
グレイビーソースにもマッチして、とても好みでした。


サンデーロースト@中目黒

「サンデーロースト」は、イギリス人が日曜日に食べる、肉のロースト料理。

日曜日に家族や友人が集まって楽しむ、伝統的なメニューです。

肉はビーフを中心に、ポークやラム、チキン、ターキーなどをロースト。
肉汁にとろみをつけた「グレイビーソース」をかけ、
シュークリームの皮に似た「ヨークシャー・プディング」、
ローストポテトやマッシュポテト、
にんじん、グリーンピース、ブロッコリーなどの温野菜とともに
ワンプレートに盛り合せます。

発祥については諸説あり、

産業革命の頃、当時土日が休みだったパン屋のオーブンを借りて
庶民が肉やジャガイモをローストしたのがはじまり、とか

中世の時代、日曜日だけが休みである農奴たちに対して、
地主が牛の丸焼きをふるまったのが起源

などと言われています。

中目黒の「スワン&ライオン」でいただきました。

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ゆでたキャベツとグリンピース、ブロッコリー、カリフラワーの上に
グレイビーソースをかけたローストビーフが3枚と、ローストキャロット。

こぶし大のヨークシャー・プディングと、ローストポテト3個に、
ホースラディッシュとサワークリームを混ぜたソースが添えられています。

すごいボリューム!

ローストビーフはしっとりやわらかで、まろやかなグレイビーソースや
ピリッと辛味のあるホースラディッシュソースとベストマッチ。

ヨークシャー・プディングは中が空洞で、シュークリームの皮を少し厚くしたよう。
ほんのり塩味で食感も食べ応えも軽く、何個でも食べられそうです。

ローストポテトは外側カリカリ、中はホクホク。
ローストキャロットはじっくり加熱され、にんじんと思えないほどの甘さです。
リッチな味わいのロースト料理の合間に、ゆで野菜で口をリセット。

クリスマスディナーを食べているような、幸せな気持ちになりました。