mamekoが出会った 世界の食べもの

世界の料理やお菓子など、おいしいものを綴っていきます

グリヤシ@セルゲレン

「グリヤシ(ゴリヤシ)」は、ハンガリーのスープ「グヤーシュ」に
ルーツがあると言われる、モンゴルのシチュー。

塩やケチャップとともに、羊肉または牛肉と野菜を煮込んだものです。

グリヤシ=シチューという意味に加え、シチューとごはん、サラダなどを
盛り合わせたワンプレートメニューのことも同名で呼ぶそう。
以前両国のモンゴル料理店でいただいたことがあります→こちら

モンゴルではポピュラーなメニューで、旅行中の食事に何度か登場しました。

セルゲレン村のツーリストキャンプにて、とある日のグリヤシ。

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ビーフシチューとマッシュポテト、ごはんがワンプレートになっています。

肉はやわらかく、ソースはデミグラスのように濃厚。
日本の洋食屋さんにも負けない味です。
バターが効いたマッシュポテトも、なめらかで美味。


同じキャンプで、別の日のグリヤシは羊肉を使っていました。

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骨付き羊肉とジャガイモ、にんじん、玉ねぎなどを煮込んだシチューと、
ごはん、蒸しパン、きゅうり、青菜の漬物(?)を盛り合わせています。

羊肉の旨味が溶け込んだシチューは、トマトベースのやさしい味。
じっくり煮込んだ羊肉は骨からの身離れがよく、食べやすいです。

蒸しパンは中華料理の花巻に似て、しっとりふかふか。
炭水化物過多な気がしますが、美味しくてやめられません。

念願だった「羊肉のグリヤシ」を食べることができて、うれしかったです。


「ノゴートイ・シュル」は、モンゴルのスープ。

「ノゴー=野菜」、「シュル=スープ」という意味で、直訳すると“野菜スープ”。

なのですが実態は、野菜だけでなく肉も入った具沢山のスープです。

かつてモンゴルの食生活は肉と乳製品が中心で、野菜はほとんど食べなかったそう。
そのため肉が入っているのは当然で、「野菜入っているスープ」という意味なのかな?と推測しました。

使用する野菜や肉は、家庭やお店によってさまざま。

ブルドの遊牧民ゲルでは、
キャベツ、ジャガイモ、にんじん、羊肉を煮込んでいました。

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羊の出汁と脂が野菜に染み込み、
「野菜スープ」というよりは「羊肉スープ」と言う感じ。
味付けは塩のみながら、コクのある味です。
肉はなかなか噛み応えアリ。


ウランバートルのホテルのレストランの具材は、
鶏肉、白菜、パプリカ、ホバク(韓国かぼちゃ)、ニラなど。

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こちらも塩味で、鶏出汁が効いたやさしい味です。
白菜やニラ、ホバクなど、東アジアでおなじみの野菜がたっぷり。
ゴマ油をたらせば中華風に、コチュジャンを混ぜれば韓国風になりそうだと思いました。


「ニースレル・サラート」は、モンゴルのポテトサラダ。

角切りにしたジャガイモ、にんじん、ハム、ゆで卵、ピクルスなどを
マヨネーズで和えたものです。

モンゴル語で
・ニースレル=首都
・サラート=サラダ
という意味。

1960年代に、ロシア語で「首都サラダ」という意味の
「サラート・ストリーチヌィ」(別名サラート・オリヴィエ)が
モンゴルに伝わり、広まったと言われています。

モンゴルでは肉料理の付け合わせにしたり、揚げ餃子「ホーショール」と
ともに食べることが多いそう。

家庭ではもちろん、レストランでも定番のメニューです。

モンゴル東部・セルゲレン村のツーリストキャンプでいただきました。

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角切りのジャガイモとにんじん、きゅうり、ピクルス、グリンピース、
コーン、ハムを、マヨネーズで和えています。

マヨネーズは日本のものより酸味が控えめで、みずみずしくあっさりした味わい。
ポテトサラダにありがちな“もったり感”が無いので、さらっと食べられます。

日本の定食屋さんで小鉢に入って登場しても、全く違和感ナシ。
パンにも白米にも合うサラダだと思いました。


アイラグ@ブルド

「アイラグ」は、馬乳を発酵させてつくる、モンゴルのお酒。
日本では「馬乳酒」と呼ばれます。

「酒」とついているものの、アルコール度数は1~2%とかなり低め。
ビタミンCやミネラル、乳酸菌などを含むため、モンゴルでは健康飲料的な
位置づけで、赤ちゃんからお年寄りまで広く飲用されています。

馬から搾乳できるのは、出産を終えた初夏から9月頃までのわずかな期間。
そのため、馬乳酒づくりも季節限定です。

昨夏のモンゴル旅行中、遊牧民のゲルに宿泊した際、馬の搾乳を見学しました。

まずは仔馬を母馬のところへ連れて行き、乳を飲ませます。

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少し飲んだらすかさず仔馬を離し、搾乳開始。
ご夫婦の連係プレイです。

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一度に絞れる量は200mlほど。
朝8時頃から始めて、1日5回搾乳するそうです。

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絞った馬乳にスターターとして古いアイラグを混ぜ、数千~数万回撹拌。
数日置いて発酵が進めば完成です。


既に出来上がっていたものを飲ませていただきました。
ヤカンに入っているところが、いかにも自家製(笑)。

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鼻を近づけると、若干ケモノっぽい野性味のある香り。。。
飲んでみると、マッコリのようなシュワシュワ感と強めの酸味があり、
甘くないカルピスソーダという感じ。

アルコール感はほとんどなく、健康に良さそうな味です。

ニオイを克服できれば、ゴクゴク飲めそうだと思いました。


プーティン@新宿三丁目

「プーティン(プティン)」は、フライドポテトにチーズカードをのせ、
グレイビーソースをかけた、カナダのB級グルメ。

チーズカードとは牛乳を酵素で固めたもので、ここから水分を抜いて
熟成させるとナチュラルチーズができる、言わば”チーズのもと”です。

プーティンが生まれたのは、1950年代、東部・ケベック州のレストラン。
お客さんのリクエストに応じて作ったのが始まりだと言われています。

プーティンという名前については、

同州の公用語であるフランス語で
「ごちゃまぜ」や「雑多なもの」を意味する「プーティン」や
「寄せ集め」という意味の「プティテ」に由来する、とか

英語の「プディング」が語源、

など諸説あります。

新宿三丁目の「テイスト・ザ・ワールド」で、
「プーティン」を含む「カナダの朝ごはん」をいただきました。

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手前にあるのがプーティン。
こちらでは、フライドポテトにチーズカードとポーチドエッグをのせ、
オランデーズソースをかけています。

ポテトは熱々でクリスピー。
オランデーズソースのまろやかな酸味とよく合います。
ポーチドエッグを割って、ポテトに卵黄をからませても美味。
オランデーズソースとポーチドエッグのコンビは、エッグベネディクト
思い出させます。

点在する白い四角のかたまりがチーズカード。
ミルキーで、モッツァレラチーズのような、さけるチーズのような、
シコシコした噛み応えです。

プーティンの左上は、「ブルーベリーパンケーキ」。
大粒のブルーベリーがゴロゴロ入った生地を焼き、
ブルーベリーソースをかけています。
生地はふんわり、ブルーベリーはフルーティーで、とても好み。

その右は、「ピーミールベーコン」とローストトマト。
ピーミールベーコンは、豚ロースを燻製してコーンミールをまぶしたもの。
厚さ5mmくらいにスライスし、カリカリに焼いてあります。
脂身がなく、ベーコンよりあっさりした味わい。
噛んでいるうちに肉の繊維がほぐれ、旨味があふれ出します。

オランデーズソースとフライドポテトの組み合わせもGoodですが、
グレイビーソースをかけたプーティンも食べてみたいと思いました。