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最近、昔の街並みを写した写真を観るのが好きになりました。
「眺める」 ではなく、「凝視する」。
それが知っている町ならばなお、何か今も残る片鱗が無いか食い入るように観る。
そこで今日のマッチは、先日購入した新宿の昔の写真を集めた写真集に見出した、
 
  高田馬場にあった 大都会 の、マッチ。

大都会 ①

写真には、残念ながら看板しか写っていませんが、
『珈琲 だいとかい』という横書きの看板の下に、
たぶん『珈琲館 大都会』と書かれているだろう縦看板が少し見えています。
写真集には、「珈琲館大都会前 昭和30年頃 高田馬場」 とあります。
ふと、古い木製のマッチばかりの「ひと山マッチ」にあった『大都会』というマッチが、
高田馬場だったのを思い出し、ひっくり返してみました。

大都会 ②
(採取年不明、ひと山マッチより)
大都会 ④
側面に、「珈琲館」と書かれていることから、まず間違いなく写真に写っている店のマッチではないかと。

大都会 ③
反対側には「グリル」と書かれているので、料理も出していたのかも…と思ったら、
ここは昭和25年創業で、近年まで『大都会本館』として営業していたレストランだったようです。
「珈琲館」と書いてあったので、てっきり純喫茶だったのかと思っていました。



さて、私は基本的には、
自分が物心ついて自分で喫茶店に入ったりしてマッチを集めていた時代のマッチしか、
集めていないのですが、これは知人から贈られた「ひと山マッチ」の中に有りました。
(それが私にとっての初めての「ひと山」体験でした)
今もあまり古い時代のマッチを積極的には集めるつもりはないのですが、
こうやって見ると、昔のマッチは独特の雰囲気と情緒が有り素敵ですねぇ…。

昭和三十年代は、ほとんど木製のマッチ箱だったと思われます。

もしかして、木製のマッチ箱をじっくり見たことが無い方のために、
今回は、中箱もお見せしましょう。

大都会 ⑤

徐々に外箱だけ木製で中箱は紙製…というものが増えて来て、
次第にすべて紙製のマッチ箱に移行したのでは…と勝手に推測しています。

中箱の裏を返してみると…
大都会 ⑥
なんと、薄紙で包んであります!
これは多分手作業ですよね。
こんなに手が掛かるのでは、次第に紙製に移行したのも無理もないですね。
(紙箱も最初は手作業で組み立てていたのかな?)
ひとつひとつの作業を思うと、ますますマッチ箱が愛おしくなってきます。





  
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