「ミステリーの書き方」という本によれば、宮部みゆきはプロットを作らないそうである。
もちろん少数派であることは言うまでもない。
たいていの作家は、最初にプロットを作り、それが出来てから小説を書き始める。
では宮部みゆきは何も考えてないのかというと、もちろんそうではない。
宮部みゆきは小説を書く前に言葉にしてしまうと「(アイデアが)逃げてしまう」という感じがするそうだ。
だから、言葉にはせず、イメージで考えているようである。
何も考えずに書いて話が出来上がっていくのではなく、構想が出来上がってから書くようだ。
書く前に、どういう話にするかというのは、ある程度決まっていて、資料なども読んでいる。
言葉を超えたところで話を考えて、そのイメージを書き起こしていくのだろう。
だが、それがゆえに、連載小説だと、後から書き直すことが多いそうだ。
プロットがかっちりと決まってないため、いざ書いてみると整合性がとれないことがあるようである。
三人称で書いたものを一人称に直すこともあるそうだ。
連載して単行本にならずお蔵入りした作品もたくさんあるようである。
非効率的だという自覚があるようである。
実際に描写してリアルタイムで考えながらその状況に入り込まないと、想像力が沸いてこないようである。
プロットを作ろうとしても、つまらないようである。
悪いお手本なので反面教師にしてほしいということらしい。

作品のクオリティーの高さを見れば天才肌とも言えるが、実際に書かないとわからないのは能力不足という見方も出来るだろう。
一度書いてみて、それから書き直して完成させるタイプのようだ。
宮部みゆきはプロットを作らないのではなく作れない。
事前にプロットを緻密に練ることが根本的に出来ないようである。
プロットを書くというのは、要は、その段階で想像力が発揮されているということである。
宮部みゆきはこれが無理なようである。
描写してみて、そこからはじめて浮かんでくることが多いようだ。
拙いやり方ではあるのだろうが、それで傑作が出来ているのも事実だ。

ちなみにこの本ではプロのミステリー作家100人以上にアンケートを取っているが、綿密なプロットを作るのが26パーセント、おおまかなプロットを作るのが65パーセント、プロットを作らないのが9パーセントとなっている。







スポンサードリンク

最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
リンク
スポンサードリンク
RSSフィード
プロフィール

ukdata

Author:ukdata
FC2ブログへようこそ!

katja1945uk-jpâ– yahoo.co.jp http://twitter.com/ukrss
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ
アクセスランキング