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強盗もサラリーマン化しているようだ。バブルのときに銀行員を逮捕しなかったツケが回ってきた。相変わらず銀行員は悪党であるし、仕事でやっているという免罪符の力はひとつも衰えることなく猖獗を極めている。自分の意思で強盗をやるよりは、仕事として強盗をやるほうが罪が軽いらしい。ルフィという大文字の記号を介して責任をたらい回しにしている光景は、われわれの人生で多々目撃するものである。さすがに昨今のバイト強盗事件は「仕事だから仕方ない」と減刑されるとは思えないし、一般予防の観点から厳罰を持って処せられると思われるが、仕事であれば捕まらないという甘えが根底にある。バイトは所詮はバイトであるが、たとえばごく普通の善男善女が飲食店でバイトして、衛生環境が悪いのを知っていて黙過するとか、つまらない悪事に加担させられる不幸があるかもしれない。バイトにもサラリーマン根性があり、雇われの辛さとして傷をなめあっており、第三者もそれに同情したりする。世の中のいたるところにルフィはいるのである。ルフィを特定しても、その上にはさらに別のルフィがいるし、責任は素通りしていく。さすがに強盗の罪が軽くなるとは思えないが、仕事という形式を取るだけで強盗のハードルが下がるのはなかなか面白いことである。誰かに命令されると罪が軽減されるという発想は、人類の根底にある病気であり、むしろ人間の本質そのものであるから決して治らない。今回の実行犯たちも「やらないと怒られる」とか言っているそうだ。上司に怒られると言って他人に刃物を向ける輩が地球上にあふれている。さすがに今回は文字通りの刃物で他人を殺害しているので刑務所であろうが、命じられて振り回した刃物はだいたい許されるのである。
最近発生した博多駅のストーカー殺人は、大衆の正義感がどちらに向かうのか知らないが、嫌な話になりそうである。真面目な女性が殺されたわけではなさそうだ。桶川ストーカーのときは、最初は被害女性が自業自得だとバッシングされていて、そのあとに温厚そうなお父さんが出てきて「普通の家庭の娘さん」ということが鳥越俊太郎によって強調され流れが変わった。どちらの流れも、大衆の正義感の不気味さである。ひとりの人間が殺められ命を奪われたのに、「普通の家庭の娘さん」であるか否かで何が変わるのかということである。ちなみに桶川ストーカーの加害者は風俗店経営者であるが、最初に被害女性がナンパされた時点ではそんなことなど知らないはずである。女性をナンパするときに風俗店経営者だと名乗るわけがない。あとから知ったのは間違いないわけだ。とはいえ、ナンパされて付き合ったのも事実である。桶川ストーカーの話を目にするたびに、なにかしら正義感の方向性について、モヤモヤする。少なくともわたしは桶川ストーカーの被害女性はあんまり真面目なタイプではないと思うので、落ち度がゼロだと強調されるのは違和感がある。そもそも落ち度というのは、物語の問題であり、相手が誰であれ、殺人は殺人である。安倍晋三を暗殺した犯人がどれだけ同情されても、殺人は殺人である。当たり前だが、桶川ストーカーについても、殺人は殺人であり、許されるわけがない。物語で理解する場合に、どういう感情を持つかなのである。「落ち度があった」とか「落ち度がなかった」という争いは、物語を生きている人間の業病なのであろう。殺人は殺人でも、物語の違いがある。最近は裁判員として制度化されているから、大衆の刑罰感情も法律の一部なのかもしれないが、それによって展開される情報戦は釈然としない。今回の博多の事件にしても、被害女性がどれだけ遊んでいるか、あるいは逆にどれだけ真面目な人間か、という情報戦が繰り広げられることが予想される。たぶんそれによって量刑は変わってしまうのであろう。
美談というのは困ったものである。変な儲け話に繋がることもあれば、「やりがい搾取」の問題もある。子猫の保護活動で豪邸を建てた人はたぶんいないと思うので、現状では「やりがい搾取」であるだろうが、豪邸が建たなければいいわけでもないので、本当に美談でいいのか、という話をしておきたい。猫はたくさん子どもを生むし、だから発育が悪かったり奇形の子は母猫が見捨てる。これはハムスターや燕の生態でも同じである。発育が悪そうなら見捨てられる。なんにせよ、わたしが言いたいのは、保護するなという話ではなく、保護するのはいいが、美談にするな、ということである。保健所に行って、殺処分候補の猫を保護するのはいいが、需要がありそうな可愛い子猫を見繕っているのであれば、ペットショップに陳列された美猫を品定めしているのとさして径庭はないし、美談ではない。他の生き物は保護しないのか、蛇やカラスは保護しないのか、というと難癖になりそうだが、おそらく最大の焦点は成猫の扱いであろう。猫が好きなら殺処分直前の成猫を助けてあげればいいし、なぜ子猫なのか、いや子猫のほうが可愛いので子猫を選択するのは当たり前だが、その時点でひとつも美談ではない。家出少女を保護してセックスしているのと同じだ。保護団体は、子猫ちゃんを保護して里親さんに届けるというが、つまるところ、保護してから里親が見つかるまで、子猫の可愛さのピークを楽しめるわけである。儲かる訳では無いが、セックスが気持ちいいのと同じで、美味しいところだけつまみ食いだ。子猫は可愛くて成猫は可愛くないのは厳然たる事実。長く飼っていれば腐れ縁で家族同然ということもあろうが、見知らぬ成猫だと、まったく可愛くないし、愛情を注ぐ対象でもない。あるいは、保護団体は成猫を積極的に見捨てているわけでもないだろうし、保護したりもするのだろうが、引き取り手がないという難題に直面させられているはずである。行き場のない大量の成猫を自力で保護しようとすれば共倒れであろうし、去勢して耳先をカットして地域猫という妥協案で済ませている。このところ医学の進歩で猫の寿命も伸びており、三十年前はだいたい五年だったのが、今は十五年である。昭和の時代であれば飼い猫の具合が悪くなるたびに動物病院に駆け込むことはなかったし、平均五年で死んでいた。そもそも完全室内飼いは少なく、近所をうろうろしている飼い猫もよくいた。今だと医学が発達しているので、なかなか死なない。特にワクチン接種によって感染症に強くなったことが長命の原因とされる。野良猫がいるとして、野良猫のままにしておけば五年で死ぬが、保護して医学の力を使ってしまうと十五年になる。野良猫を地域猫にして寿命を伸ばしてどうするのか、という話である。寿命が伸びるというのは、若さが伸びるのではなく老人の期間が伸びるだけである。地域猫という妥協案をむやみに非難するものではないが、ホームレスの寿命を伸ばしているようなもので、あまり美談ではないであろう。保護団体という悪魔付きがオピニオンリーダーとなり、唯々諾々と従うのも好ましくないし、高齢猫の認知症問題もある。どこかで治療を打ち切る自由があってもよさそうである。いや、もちろん飼い猫が高齢になったら動物病院にはいかないのも自由であろうが、おそらくそんなことは公言できない世の中になっている。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13204686213
犬嫌いの息子の友達(小6)男子について

息子の同級生の友達(A君)が犬が苦手です。
うちにはトイプードル(9ヶ月雄)がいます。
昨日自宅にA君が遊びに来ました。
その時は部屋の片付け中だった事もあり断ったのですが、ゲームをするだけだから玄関でもいいからと言われましたが掃除機や洗濯物をやるのに邪魔になるので断りました。
が、玄関が開いていれば玄関前のエントランスでいいから!wi-fi飛んでればいいから玄関だけ開けてて!と言われましたが、みっともないからそんな所でゲームしないでと言い断った所外遊びに切り替えて遊びに行きました。

そして本日また遊びに来ました。
A君は何度かうちに遊びに来た事もあり犬がいるのは知っています。
子犬の時から犬は怖いと言っていたのでA君の所に犬が行かないように私が犬をだっこして対応していましたが、本日は私が洗濯物を畳むのに犬と一緒にリビングではなく別室におりました。
その時に遊びに来て現在は友達同士でゲームをしております。
先程私が畳終わった洗濯物を片付けている時に犬がリビングへ行きA君の所へ行ったようです。(声が聞こえてきました。)
「あっちいけよ!フザケンナよ!こいつ!死ねよ!死ねよ!あっちいけよ!!」と何度も言っており、私も大人気ないのですが、死ねと言われた事に苛立ちもあり無視してしまいました。

私が別室へ戻ると犬も戻ってきて別室で片付けを行なっていました。
片付けも終わりリビングへ戻ると犬も一緒についてきてA君の座っているソファへ尻尾を振っていきました。

が、「こいつどっかいけよ!!チッ!!」と舌打ちをしながらソファから犬を払い落としました。
犬は頭?首?からフローリングへ落ちました。

A君はうちが犬を飼っていることを知っていて遊びにきているのに私はイライラしてしょうがないです。
今は別室にいるのですがA君がいるためリビングへ行けません。

A君が犬が苦手なのに放し飼いにしているのも可哀想かもしれませんが、死ねや、払い落とし、舌打ちなどどうしても許せません!!

皆さんならどうしますか?
A君が来る時は犬をケージに入れて対応しますか?(そうすると犬が吠えますが)

正直もう家に入れたくありません。
次回以降遊びに来たら「うちには犬がいるから」と断ってもいいでしょうか?

どう思われますか?

ヤフー知恵袋でこんな面白い投稿を見つけた。
これを読んでわたしが思ったのは、他人は鏡ということである。ここで述べられているA君は明らかに粗暴な小学生である。そういう粗暴な子どもが、犬嫌いなのに犬好きな家に遊びに来る。これはおそらく、この相談主の家庭とA君は非常識さを共有しているのである。非常識な引力で引かれ合っている。人生の悩み事はだいたいそんなものである。常識的な家庭の子どもなら、このA君とは友達にならない。この相談主は犬好きということだが、御本人は愛情深い人間のつもりでも、非常識への親和性が高いだけである。ペット好きの人間が自分の人間性を過大評価していることは多々見られるが、実像はただの非常識人間であり、まさにその鏡に映った姿がA君なのである。おそらくA君は居場所がなく、だから、犬が嫌いなのに犬がいる家庭に無理やりやってくるわけだ。そこで軋轢が生じていても、なにかしら似た者同士なのである。たとえばシングルマザーが自分の元旦那を非難していても、それは鏡なのである。なにかしらくっつく理由があったからくっついたのである。引力で惹かれ合っただけである。他人に批判的になったりするときは、自らの引力にも気をつけなくてはならない。「こいつだけは許せない」という他人が実は鏡に映った自分であり、とてもよく似ていることはあるのだ。
生まれた段階では天皇になる予定でなかった奴が天皇になると碌なことはない。
たいてい反乱を起こすわけである。

天武天皇(天智天皇の弟)
後白河天皇(崇徳天皇の弟)
後鳥羽天皇(安徳天皇の弟)
後醍醐天皇(後二条天皇の弟)

もちろん長男だったら反乱を起こさないわけではないので、絶対的な法則とは言えないが、なにかしら弟特有の暴れ方という気はする。この四人は生まれた時点では「未来の天皇」だとは思われてないし、そういう立場ならではのオラオラした感じがある。立場をわきまえずに土足で上がり込んでいくパーソナリティーである。後白河をアスペルガーという人がいるが、そもそも天皇になる可能性が低かったのが天皇になったわけだから、非常識で傍若無人なのは不思議ではない。長男だからこういう性格、次男だからこういう性格と決め付けることはできないが、やはり天皇制の歴史を見ても、小さい頃から天皇になるのが決まっていた皇太子様と、「スペア」がたまたま天皇になった場合ではなにか違う。オラオラ感とは、既存の体制を蹴り倒して新しい自分に生まれ変わろうという姿勢なのかもしれないし、逆に言うと、「反乱を起こす必要がない人」は安定志向であるはずで、オラオラする必要もないわけである。浩宮に人徳があり、秋篠宮に人徳がないのも、それは立場ゆえであろうし、秋篠宮の立場だったら、オラオラするのが自然ではある。弟だからおとなしくひっそりと人生を終えるというのでは人間の主体性がないし、とりあえずオラオラなのであろう。
かつて人々は感動を求めていた。これがだんだんと影を潜めている。大衆はそれなりに冷めている。さて感動とはなんぞやというと美化が伴う。なかなか素の状態では感動できないので、美化、要するに話を膨らませているわけだ。聖徳太子の超人的エピソードの大半は、昨今では大半の人が作り話と受け止めているが、以前はそうではなかった。本気で信じていたし、やはり信じたかったのである。あるいは戦前に「太平記は史学に益なし」と言った久米邦武(1839~1931)が酷い目に合わされたのも、やはり人々の感動を妨げた報いである。そもそも現在の天皇は北朝なのだから、太平記を有難がるのは不思議であるし、北朝が兄なら南朝は弟のようなものであるから、南朝なんぞクソ生意気にしか思えないが、おそらく皇位継承の争いはロマンというか野心というか、愚衆の心を揺さぶったのである。2.26事件の将校は秩父宮が大好きだったようだが、そういう下剋上精神である。では最近の人は物語的な感動(話を膨らませた感動)を避けているのかというと、それは明確には示せないが、フェイクニュース云々が盛んに言われるのは、それなりの冷静さがあるのだと思う。いろいろ検証して感動に水を差すのは以前ほどには怒られない。嘘でもいいから感動的な物語を信じたいという人間の欲求は弱まっている。われわれは等身大のみすぼらしい自分に馴染んでおり、物語(話を膨らませた物語)の力は低下している。たとえばネッシーのようなオカルトを信じたくても難しくなっている。プロレスが真剣勝負ではない、と露見したのはミスター高橋ひとりのせいか、というと、なんとも言えない。なにかしら検証されてしまうし、冷めているのである。美談を差し出されても、話が盛られているのではないか、と警戒する習性を身に着け始めている。神話は必ず崩壊してしまう。そもそも感動というのは、他人事に首を突っ込んで涙を流したりすることである。日本が金メダルを取っても自分の人生には無関係。他人の活躍は自分の活躍ではない、そういう個人主義の影響もある。
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