変化しないのが世界の本質である。昨日と今日と明日はだいたい同じである。美人なら美人。ブスならブス。同じ世界がループしている。ボロボロのアパートで寝ていて目が覚めたらタワーマンションだったということはない。肉体にも多少の変化はあるし、建物だって老朽化はするけれども、同一性をもって固定され、延々とループするのが世界の基本となる。アパートだったところがタワマンになるとすれば、建設会社が数多の資材や人員を動員して建てたのであろうし、アパートがいきなりタワマンに変身するわけではない。そういう「変身」がないのがこの物理世界であり、昨日・今日・明日、たいして変わりない、そういうループなのである。原因と結果、因果律が絶対だからこそ、同じことしか起こらない。自分自身で世界を変えるための努力をしてもよいが、前後関係あってのものであり、たとえば貧乏人が金持ちになるのは因果が通らないし、「同じ」が基本である。身体を鍛えて筋肉をつけてもいいが、肉体そのものを交換することは出来ない。そもそも本当に別人になりたいのか、という根源的な問題もある。生まれてから死ぬまで同一人物というのは社会のルールであるし、人間の妄執でもある。







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