2007-12-22(Sat)
「強制」された強制の削除 教科書問題について
沖縄県民の怒濤の怒り爆発で、一度は集団自決の強制を認めたかのように見えた文部科学省は、ちょっとホトボリがさめたかと思ったのか、急転直下こんなことを言いだした。
「強制」文言避け調整/「集団自決」修正
(2007年12月22日沖縄タイムズ)
沖縄戦「集団自決(強制集団死)」をめぐる教科書検定問題で、文部科学省の教科書調査官が教科書会社に、日本軍を主語にした「強制」や「強いた」という言葉を使わないよう求めていることが二十一日、分かった。これを受け、訂正申請した六社のほとんどが「強制」の文言を使わない形で申請をやり直しているもようだ。
九月の県民大会を受け、十一月に訂正申請した各社の記述では、「日本軍の強制」を明記していたものが多かったが、大幅に後退した格好。「軍強制を削除した検定直後の記述に戻ってしまった」(関係者)との声も挙がっており、県民の反発は必至だ。
検定審は訂正申請の記述が出そろった後の審議を経た今月四日、教科書調査官を通じて六社の担当者に「『集団自決』が起こった背景・要因について、過度に単純化した表現で記述することは、生徒の理解が十分にならない恐れがある」などとする「指針」を伝達。「集団自決」を軍だけが強制したと読み取れる記述を事実上、禁じていた。
この後、「日本軍の強制」と「集団自決」の背景を併記して再訂正申請した会社もあったが、今回の措置を受けて再々訂正申請したもようだ。
時系列で見るとこういうことだ
9 月 県民大会で怒り爆発
11月 「日本軍の強制」の記述が復活
12月4日 軍だけが強制したような書き方にするな と検定審がイチャモン
12月 「日本軍の強制」と「集団自決」の背景を併記して再訂正申請
12月21日 今までの議論を反故にして「日本軍の強制」を禁止
その後 強制という書き方をなくして 再々申請
一体全体、検定審とはどんな神経と脳みそをしているのか。
かれらがイチャモンをつけた他の記述も見てみる。
(←の後に書いてあるのはイチャモン)
■沖縄戦について
日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や,集団で「自決」を強いられたものもあった
日本軍によって壕を追い出され、あるいは集団自決に追い込まれた住民もあった
さらに日本軍に「集団自決」を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて
日本軍は……日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺しあいをさせ,
また日本軍により、県民が戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり
なかには日本軍に集団自決を強制された人もいた
←沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である。
誤解しているのはアンタのほうや
■南京大虐殺
この南京大虐殺(南京事件)の犠牲者の数については,のちに極東国際軍事裁判で20万人以上とされ,
捕虜をはじめ,女性をふくむ一般住民が10数万人以上殺害されたといわれ
←南京事件の犠牲者数について、諸説を十分に配慮していない。
数万人でも数十万人でも大虐殺には変わらへん
■岸信介
岸信介らのこりのA級戦犯は、裁判にかけられずに釈放された。
←説明不足で理解し難い表現である。
理解できないのはアンタだけや
■アフガン、イラク
そして翌年の3月、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保持し、また、テロリストをかくまっているとして、軍事行動をおこし、その政権をたおした。この戦争には、フランスやドイツなどが、国連の決議が必要であるとして反対した。
←一切の国連決議がなく、イラク攻撃を開始したかのように誤解するおそれのある表現である。
アメリカは,これをみずからが冷戦下に援助してきたアルカーイダのしわざとみなし
←アメリカがアルカーイダを援助してきたとするのは不正確である。
国連安全保障理事会の承認を得ぬまま,これをかくまうタリバン政権のアフガニスタンを攻撃した。
←アメリカのアフガニスタン攻撃の経緯について、誤解するおそれのある表現である。
翌年イラクに自衛隊を派遣し,アメリカ主導の多国籍軍に加わった。
←自衛隊のイラク派遣について誤解するおそれのある表現である。
アフガニスタン侵攻
←アメリカのアフガニスタン攻撃について誤解するおそれのある表現である。
自衛隊のイラク派兵はなにを意味するのか
←自衛隊のイラク派遣について誤解するおそれのある表現である。
アメリカのアフガニスタンやイラクへの武力攻撃では,大量破壊兵器がついに発見されず,攻撃の正当性が失われている。
←アフガニスタン攻撃について誤解するおそれのある表現である。
イラク国民の米軍撤退要求が強まっている。
←イラクの状況について誤解するおそれのある表現である。
同年12月、・・自衛隊をはじめて戦闘地域に派遣した。これに対し国民の間で、憲法が禁じる海外派兵にあたるとする批判がひろがり、憲法擁護の運動がおこっている。
←自衛隊のイラク派遣について誤解するおそれのある表現である。
アメリカは・・・その覇権は、すでにヴェトナム戦争でゆらぎ・・・イラク戦争が長期化してますますゆらごうとしている。
←東欧社会主義圏崩壊後の覇権の動向を踏まえておらず、アメリカの地位について誤解するおそれのある表現である。
他にも、まだまだ、何だこりゃ??とういイチャモンがてんこ盛りだ。
イチャモンでなければ、誤解だ、理解しがたいだのと、学者が雁首そろえて自分の理解力のなさを披瀝しているのだろうか。
興味のある人は、文部科学省のHPをどうぞ。
教科書検定結果 検定事例
産経新聞や読売新聞でも、ちょっとここまでのイチャモンは書けないだろう、と言うくらいの酷い内容だ。
なにせ、兵士を派遣したから「派兵」と書いてあるのに、それにすら文句をつける。
大量破壊兵器がなかったというのは、ブッシュ本人が認めているのに、そんなあったりまえのことも書くことができない。
沖縄戦の集団自決については、何をかいわんや。
こんな無神経なうそつき集団に検定された教科書で、わが子らが教育ならぬ強制をされているのかと思うと、うそ寒い。
ちなみに、同じく文部科学省のHPには、こんなことも書いてある。
教科書に対する国の関与の在り方は、国によって様々ですが 云々
と書いてある下の表を見ると、民間が教科書を作って、検定も認定もない国はたくさんあるのだ。
イギリス、スエーデン、フィンランド、アメリカ(一部州)、オーストラリア
最悪の「つくる会」教科書も含めて、主観的な検定はするべきではない。
最後に、この恥さらしなイチャモンをつけた連中が誰なのか、ここに書いてある。
昨年までは、歴史担当が誰なのか分かるように分科会ごとに書いてあるのに、今年からは特定できないようにごちゃ混ぜだ。
仕方がないから、ここ数年の資料からわかるぶんだけ、第2分科会の審議委員を列記しておく。(従って今年から委員になった人の分は含まれていない。)
また、中には担当部分の違う人もいるかもしれないが、少なくとも、その場にいたのだから責任は免れない。
もし、ご存じの方がいたら、「ええ加減にせな、末代まで祟られまっせ」 とお伝え下さい。
石原 潤 奈良大学教授
羽入 佐和子 お茶の水女子大学教授
広瀬 順晧 駿河台大学教授
廣部 和也 成蹊大学教授
村木 逸子 嘱託(東京都立鷺宮高等学校)
山田 卓生 日本大学大学院教授
天児 慧 早稲田大学大学院教授
紀平 英作 京都大学大学院教授
栗田 充治 亜細亜大学教授
小室 正紀 慶應義塾大学教授
杉本 良男 国立民族学博物館教授
栖原 彌生 愛知県立大学名誉教授
谷 聖美 岡山大学大学院教授
田村 俊和 立正大学教授
波多野 澄雄 筑波大学副学長
二木 謙一 國學院大學名誉教授
宮地 忠明 国立音楽大学教授
家島 彦一 早稲田大学大学院特任教授
山本 孝宏 弁護士
吉岡 眞之 国立歴史民俗博物館教授
渡辺 真知子 明海大学教授
「強制」文言避け調整/「集団自決」修正
(2007年12月22日沖縄タイムズ)
沖縄戦「集団自決(強制集団死)」をめぐる教科書検定問題で、文部科学省の教科書調査官が教科書会社に、日本軍を主語にした「強制」や「強いた」という言葉を使わないよう求めていることが二十一日、分かった。これを受け、訂正申請した六社のほとんどが「強制」の文言を使わない形で申請をやり直しているもようだ。
九月の県民大会を受け、十一月に訂正申請した各社の記述では、「日本軍の強制」を明記していたものが多かったが、大幅に後退した格好。「軍強制を削除した検定直後の記述に戻ってしまった」(関係者)との声も挙がっており、県民の反発は必至だ。
検定審は訂正申請の記述が出そろった後の審議を経た今月四日、教科書調査官を通じて六社の担当者に「『集団自決』が起こった背景・要因について、過度に単純化した表現で記述することは、生徒の理解が十分にならない恐れがある」などとする「指針」を伝達。「集団自決」を軍だけが強制したと読み取れる記述を事実上、禁じていた。
この後、「日本軍の強制」と「集団自決」の背景を併記して再訂正申請した会社もあったが、今回の措置を受けて再々訂正申請したもようだ。
時系列で見るとこういうことだ
9 月 県民大会で怒り爆発
11月 「日本軍の強制」の記述が復活
12月4日 軍だけが強制したような書き方にするな と検定審がイチャモン
12月 「日本軍の強制」と「集団自決」の背景を併記して再訂正申請
12月21日 今までの議論を反故にして「日本軍の強制」を禁止
その後 強制という書き方をなくして 再々申請
一体全体、検定審とはどんな神経と脳みそをしているのか。
かれらがイチャモンをつけた他の記述も見てみる。
(←の後に書いてあるのはイチャモン)
■沖縄戦について
日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や,集団で「自決」を強いられたものもあった
日本軍によって壕を追い出され、あるいは集団自決に追い込まれた住民もあった
さらに日本軍に「集団自決」を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて
日本軍は……日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺しあいをさせ,
また日本軍により、県民が戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり
なかには日本軍に集団自決を強制された人もいた
←沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である。
誤解しているのはアンタのほうや
■南京大虐殺
この南京大虐殺(南京事件)の犠牲者の数については,のちに極東国際軍事裁判で20万人以上とされ,
捕虜をはじめ,女性をふくむ一般住民が10数万人以上殺害されたといわれ
←南京事件の犠牲者数について、諸説を十分に配慮していない。
数万人でも数十万人でも大虐殺には変わらへん
■岸信介
岸信介らのこりのA級戦犯は、裁判にかけられずに釈放された。
←説明不足で理解し難い表現である。
理解できないのはアンタだけや
■アフガン、イラク
そして翌年の3月、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保持し、また、テロリストをかくまっているとして、軍事行動をおこし、その政権をたおした。この戦争には、フランスやドイツなどが、国連の決議が必要であるとして反対した。
←一切の国連決議がなく、イラク攻撃を開始したかのように誤解するおそれのある表現である。
アメリカは,これをみずからが冷戦下に援助してきたアルカーイダのしわざとみなし
←アメリカがアルカーイダを援助してきたとするのは不正確である。
国連安全保障理事会の承認を得ぬまま,これをかくまうタリバン政権のアフガニスタンを攻撃した。
←アメリカのアフガニスタン攻撃の経緯について、誤解するおそれのある表現である。
翌年イラクに自衛隊を派遣し,アメリカ主導の多国籍軍に加わった。
←自衛隊のイラク派遣について誤解するおそれのある表現である。
アフガニスタン侵攻
←アメリカのアフガニスタン攻撃について誤解するおそれのある表現である。
自衛隊のイラク派兵はなにを意味するのか
←自衛隊のイラク派遣について誤解するおそれのある表現である。
アメリカのアフガニスタンやイラクへの武力攻撃では,大量破壊兵器がついに発見されず,攻撃の正当性が失われている。
←アフガニスタン攻撃について誤解するおそれのある表現である。
イラク国民の米軍撤退要求が強まっている。
←イラクの状況について誤解するおそれのある表現である。
同年12月、・・自衛隊をはじめて戦闘地域に派遣した。これに対し国民の間で、憲法が禁じる海外派兵にあたるとする批判がひろがり、憲法擁護の運動がおこっている。
←自衛隊のイラク派遣について誤解するおそれのある表現である。
アメリカは・・・その覇権は、すでにヴェトナム戦争でゆらぎ・・・イラク戦争が長期化してますますゆらごうとしている。
←東欧社会主義圏崩壊後の覇権の動向を踏まえておらず、アメリカの地位について誤解するおそれのある表現である。
他にも、まだまだ、何だこりゃ??とういイチャモンがてんこ盛りだ。
イチャモンでなければ、誤解だ、理解しがたいだのと、学者が雁首そろえて自分の理解力のなさを披瀝しているのだろうか。
興味のある人は、文部科学省のHPをどうぞ。
教科書検定結果 検定事例
産経新聞や読売新聞でも、ちょっとここまでのイチャモンは書けないだろう、と言うくらいの酷い内容だ。
なにせ、兵士を派遣したから「派兵」と書いてあるのに、それにすら文句をつける。
大量破壊兵器がなかったというのは、ブッシュ本人が認めているのに、そんなあったりまえのことも書くことができない。
沖縄戦の集団自決については、何をかいわんや。
こんな無神経なうそつき集団に検定された教科書で、わが子らが教育ならぬ強制をされているのかと思うと、うそ寒い。
ちなみに、同じく文部科学省のHPには、こんなことも書いてある。
教科書に対する国の関与の在り方は、国によって様々ですが 云々
と書いてある下の表を見ると、民間が教科書を作って、検定も認定もない国はたくさんあるのだ。
イギリス、スエーデン、フィンランド、アメリカ(一部州)、オーストラリア
最悪の「つくる会」教科書も含めて、主観的な検定はするべきではない。
最後に、この恥さらしなイチャモンをつけた連中が誰なのか、ここに書いてある。
昨年までは、歴史担当が誰なのか分かるように分科会ごとに書いてあるのに、今年からは特定できないようにごちゃ混ぜだ。
仕方がないから、ここ数年の資料からわかるぶんだけ、第2分科会の審議委員を列記しておく。(従って今年から委員になった人の分は含まれていない。)
また、中には担当部分の違う人もいるかもしれないが、少なくとも、その場にいたのだから責任は免れない。
もし、ご存じの方がいたら、「ええ加減にせな、末代まで祟られまっせ」 とお伝え下さい。
石原 潤 奈良大学教授
羽入 佐和子 お茶の水女子大学教授
広瀬 順晧 駿河台大学教授
廣部 和也 成蹊大学教授
村木 逸子 嘱託(東京都立鷺宮高等学校)
山田 卓生 日本大学大学院教授
天児 慧 早稲田大学大学院教授
紀平 英作 京都大学大学院教授
栗田 充治 亜細亜大学教授
小室 正紀 慶應義塾大学教授
杉本 良男 国立民族学博物館教授
栖原 彌生 愛知県立大学名誉教授
谷 聖美 岡山大学大学院教授
田村 俊和 立正大学教授
波多野 澄雄 筑波大学副学長
二木 謙一 國學院大學名誉教授
宮地 忠明 国立音楽大学教授
家島 彦一 早稲田大学大学院特任教授
山本 孝宏 弁護士
吉岡 眞之 国立歴史民俗博物館教授
渡辺 真知子 明海大学教授
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