「ネット名誉毀損」で新判断
「ネット名誉毀損」で新判断が出た。
ラーメン店へのホームペーへの書き込みが無罪とされたものです。
ネット上の書き込みをめぐる名誉棄損で無罪とされたケースは初めてという
但し
「男性はネット利用者として要求される水準を満たす調査をし、書き込んだ事実を真実だと信じていたので、犯罪は成立しない」
とのこと
今回の場合は「発信者に公共の利益を図る目的などがある場合」
であり
「男性はネットの個人利用者としての情報収集もした上で、内容が真実だと信じていた」
から無罪である由。
勿論根拠もなくでたらめを書いた場合は訴えられたら負けるし訴えたら勝つというとことだろう。
全てのブロガーが両方の立場になりうること考えなければならない。
「容易に反論が可能」なブログはその意味では裁判は起こりにくいだろう。
それは決して1対1ではなく、N対Nの討論になるからだ。
このマスとしての双方向性こそが民主主義的媒体としてのネットの未来性のあるところだろう。
今後も議論が続くと思いますが、この判決をその内容の範囲で支持します。
紀藤主任弁護士のブログ弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版にはこう書いています。
市民はマスコミのようにお金も力もありません。当然そこで発信される表現は、マスコミのように金をかけた取材力とは到底異なるものです。従来の名誉毀損基準では、市民の批判的表現は、ことごとく名誉毀損となりかねません。それでは表現の自由は死滅してしまいます。判決は、この市民の置かれた現状に真摯に向き合い、そして表現の自由の重要性に理解を示したもので、画期的な判決です。
ニュースでもいくつか速報が出ていますが、本日うるう年のうるう日2008年2月29日が、市民のインターネット上の表現の自由が守られた記念日となりました。
宗教&カルト・ウォッチにはこう書いています。
そういえば、ひとつ残念なことがあります。
橋爪氏の無罪は、複数の大手マスコミが報じており、NHKでも放送されました。ところが、大半のメディアでは、ラーメン花月">ラーメンチェーン「花月」や「グロービートジャパン」「平和神軍」という会社名・団体名が伏せられており、グロービートジャパンが平和神軍と関係をもっているという事実には触れられていません。すでに書いたように、両者の「一体性」は判決では認められませんでしたが、関係があること自体はむしろ認められています。
東京新聞の以下解説が参考になります。
■『表現の自由』強く意識
解説
インターネット上の書き込みについて名誉棄損罪を認めなかった二十九日の東京地裁判決は、ネット上の表現行為が法律に抵触する場合の基準について、メディアと個人利用者を峻別(しゅんべつ)し、メディアに比べて個人の責任は緩和される、との判断を示した。
司法はこれまで(1)公益目的(2)確実な資料や根拠に基づくこと(3)その事実が真実だと信じるだけの理由-の三点がなければ有罪としてきた。これは発信者がメディアの場合が前提で、今回の判決は(2)がなくても「個人に求められる水準を満たす調査」をしていれば罪に問われないと判断した。
特筆すべきは、判決が、憲法が保障する「表現の自由」に踏み込んだ点だ。責任の緩和がなければ、個人は訴訟の被告になったりすることを恐れ、言論活動が鈍ることに言及、「自己検閲による委縮」を懸念した。
情報の発信者の多くがメディアに限られていた時代とは異なり、ネット社会は誰でも自由に発信できるようになった。一方、匿名性に隠された過激な中傷は、メディアによる批判以上に人を傷つけることがある。
責任の緩和と言っても、好き放題に書くことが許されるわけではない。それを許せば個人がネットで発信した情報の信頼性を低下させることになり、法規制につながる恐れがある。
今後、判決が司法の場で追認されていくか注目されるが、ネット社会に生きる市民としての自覚が一人一人に求められている。 (社会部・寺岡秀樹)
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以下asahi.comの記事です。
名誉棄損「ネットは別基準」 書き込みで無罪 東京地裁 2008年03月01日01時59分インターネット上の書き込みが刑法の名誉棄損罪に当たるかどうかをめぐり、東京地裁は29日にあった判決で「ネットならではの基準で見極めるべきだ」とする判断を示した。波床(はとこ)昌則裁判長は会社員の男性(36)の公判で「男性はネット利用者として要求される水準を満たす調査をし、書き込んだ事実を真実だと信じていたので、犯罪は成立しない」などと述べ、無罪判決(求刑罰金30万円)を言い渡した。
弁護人によると、ネット上の書き込みをめぐる名誉棄損で無罪とされたケースは初めてという。判決は、一般市民が発信でき、情報の信用性の判断も利用者に求められるという実情を踏まえ、ネットを舞台とした「表現の自由」をめぐる新たな判断を示した形だ。
男性は、飲食店グループを経営する企業と宗教団体が一体であるような文章をホームページに記載したとして、この企業に刑事告訴され、東京地検は04年に在宅起訴。並行して、民事の損害賠償訴訟も起こされ、77万円の支払いを命じた敗訴判決が最高裁で確定した。
29日の判決は、書き込みの内容について「同社が宗教団体と緊密な関係にあるとは認められない」とし、真実ではないと認定。真実だと信じた確実な資料や証拠もなく「従来の名誉棄損罪の基準では無罪となることはない」と述べた。
その一方でネット上の表現行為については、中傷を受けた被害者は容易に加害者に反論できる▽ネット上で発信した情報の信頼性は一般的に低いと受け止められている――と指摘。発信者に公共の利益を図る目的などがある場合、「真実でないことを知っていて書き込んだり、ネットの個人利用者なりの調査をせずに発信したりしたときに罪に問われる」とした。
その上で「男性はネットの個人利用者としての情報収集もした上で、内容が真実だと信じていた」と述べ、刑事責任は問えないと結論づけた。
東京地検の渡辺恵一次席検事は「判決内容を詳細に検討して、適切に対応したい」とする談話を出した。
◇
ネット上の「会話」はともすれば感情的になりがちだ。こうしたやりとりの中での書き込みについて、片方を「被害者」として刑事責任を問うことには、専門家の間にも「慎重にすべきだ」との声がある。今回の無罪判決はこうした事情も背景に、結論を導いた。
判決は「メディアなどによる名誉棄損と、ネット上の書き込みの違いは容易に反論ができることだ」と指摘。無罪とされた男性は「数多くの書き込みに対抗するうちに今回の行為に及んだ」とし、「反論を要求しても不当といえない状況だった」と判断した。
男性は判決後、「(書き込み内容は)できるだけの情報収集を行ったものだと自負している。判決は、一市民のネット上の表現の自由を守る基準を示した」。弁護人は「従来の名誉棄損の考え方を、ネット上の表現にそのまま採用すべきではない。名誉棄損に問われるだけでも、市民活動の表現の自由が萎縮(いしゅく)してしまうからだ」と話した。
甲南大学法科大学院の園田寿教授(情報法)は「判決は画期的だ。だが、電子掲示板のように同じ土俵で直ちに反論できるかどうかなど、今回の考え方をどの程度ネット内で適用できるか、さらに議論が必要だ」としている。
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早速、東京新聞のHPを開いて全文読んでみた。
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008030390072655.html
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http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/88245236.html
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