「性say生」続きです。
私が心を痛めているのは、軽度の知的障がいがある女性が、風俗産業でその「性が搾取されている」ことです。
望んで働いているのだから、それでお金が儲けられるのだからいいじゃないかという人がいます。とんでもない。
ある少女は、何人もの人に回されるように、何日も男性の相手をし、もらったお金は全部で2000円だったと。食べる物がほしくて万引きをした所をつかまって警察に保護されました。でも、彼女はまたそこに行きたいと言いました。どうして?と問うと「みんな優しかった」と言いました。
ある少女は、デリヘル嬢として働かせられていました。何日も、何人もの相手をして、でも、客からもらったお金はすべて組織の男に取り上げられていました。組織からは彼女は、まったく、一円ももらっていません。
でも、その少女は、私に「でもね、いい生活をさせてもらったから、いいんじゃ」と言いました。いい生活って?「おいしい物を食べさせてもらったし。ほしい物を買ってもらったし」と。
根底には、少女をめぐる「貧困」があります。そして、それを利用して、彼女たちの体と心を踏みにじるようにして金を儲けようとする組織の人間がいます。
私が何度も言ってきたように、その組織には、彼女たちの体や命を守るような教育とかシステムとかは全く取られていません。性感染症にかかる率はものすごい物だと、すでにここにも書きました。彼女たちは使い捨てです。
彼女たちの体や命や尊厳を守るためにも、早くから学校教育の中で伝えたいと思います。
昨日の「性say生」には、こんな風に書かれています。
『だいじな・からだ
(1)たいせつなからだを お金もうけに つかわない
女の人が、援助交際とか フーゾク(風俗産業) 働いて
お金を儲けることは わるいことです
それは 自分のからだを たいせつにしていないことです。
病気に 感染します。
望まない 妊娠をしてしまいます。
からだを 傷つけてしまう危険は、女の人のほうが 多いのです。
そんなとき、心にだって 傷が残ります。
(略)
お互いのことを、大切にできる、信頼できる人とだけ
セックスは するものです。』
それから、マスターベーションについて、正面から書かれています。勃起したペニスをその方法も知らないために、泣きながらたたいたり、怖がったりする子もいると。性的な衝動を自分で解決する方法として、マスターベーションを前向きにとらえています。それに、画期的だと思うのは、男の子だけでなく、女の子についても書かれていることです。女性のマスターベーションについては、これまでほとんど書かれることはありませんでした。
「性say生」は、その人ごとに、部分的にプリントするなどして使うようにとも書かれています。丸ごと一冊渡してしまうと、自分の気に入った所だけにこだわる人も出てくるからと。
あまりに膨大なテーマの「障がいのある子どもの思春期と性」がどこまで話せるか、学べば学ぶほど、自信がなくなって来ます。でも、頑張って来ますね。多くの方にお会いできますように。
私は今、京都にいます。昨夜は京都のホテルに泊まって、最後の仕上げをしました。
これが終わると、今度は「女性の健康向上を阻む社会的圧力」の資料・スライド作りです。
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