事件が起きて
昨日、4年ぶりに警察署に行った。前日に電話があり、昨日の診療前には二人の刑事がクリニックに来られ事情を聞かれ、その後何回かの電話でのやりとりの後、調書の作成のために夜、署に行った。選挙のポスターが大量に廃棄された事件である。それも、単に「剥がす」なんて物でなく、ポスターは無惨にナイフで切り裂かれて身の危険すら感じさせられ、ぞっとするほどの物であった。夜署に行った時には、すでに一人の男性が逮捕されていた。狭い取調室で刑事と向き合う。
告示後、ポスターを貼った翌朝から、市民の方から「ポスターが剥がされている」とどんどん電話がかかり、対応に追われた。一晩で大量に剥がされた。それも、安佐北区と佐伯区を除く区全域にわたり、計55カ所。それは大変だった。元々少人数のボランティアでやっている物を、すべての所に警察官とできるだけ鑑識と、事務所の者が共に出向き、検分を終えて、改めて新しいポスターを貼りに行く。大変な労力だ。
刑事さんは、前回の選挙の時にひどいでっちあげの中傷文書を大量に蒔かれた事件に取り組んで下さった方である。一通りの調書を作り終えて、刑事さんが言った。「先生には四年に一回来てもらうようなのう。どうしてかのう。」と。私は言う。「前回の時、おかげ様で実行犯は捕まえてもらったけど、 指示した者まで行かなかったじゃないですか。それがそのままだったら、またやるわねえ。」
前回実行犯の逮捕された四人のうち、最後まで裁判が残った一人の弁護士から配達証明付きの文書が来たことがある。その上で、いやだというのに、半ば強引に弁護士に押しかけられて面会もした。それは、「百万円払うから、裁判官あてに執行猶予にしてほしいと上申書を書いて欲しい」というものであった。私は「お金なんていりません。彼が、実は誰に指示されて、いくらお金をもらってやったのか、それをちゃんとしゃべってくれたなら、喜んで上申書は書きましょう。それをしゃべりもしないで、ただお金だけでというのでは、いやです」と言った。その後、お金はもっと払う、上申書は書かなくてもいいから、ただお金だけは受け取ってくれ、と要求は変わったけれど、すべて突っぱねた。
「今回のことも、あれだけ大量に広範囲にたった一人で出来るとはとても思えないし、しかも彼一人の考えでやったとも考えられません。ちゃんと、指示したのは誰なのか、金の流れはどうなのか、調べてくださいね。」と言い、「これから、じっくりやらせてもらいます。」の言葉を聞いて警察署を後にした。
新聞の報道では、たった数十行の小さな事件だけれど、当事者にとっては、大変な労力と精神力を要する、疲れ果てるほどの出来事だった。警察官が来ると連絡があった夜は、いろいろな出来事を想像して、眠れなかった。
そんなこんなで、ブログはお休みしていました。これは事件の報告だから、と勝手に判断して皆様にご報告いたしました。また、ぼつぼつのペースでブログも書かせていただきます。
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