Web会議方式に対するプロテスト in France
フランスでは、刑事裁判で被告人を拘置施設に置いたまま「安全に」公判を開くため、ビデオ会議システムを用いるというオルドナンスに司法大臣が署名したことから、司法官組合や弁護士組合が抗議のデモを行っている。
写真は弁護士組合である。
問題とされているのは、このオルドナンスが重罪院の審理でも、弁論から判決まで被告人を物理的に在廷させないで審理を進められるという点で、しかも当事者の同意は得ることなく、裁判所が相当と認めた場合に実施できるというのである。
刑事裁判の話ではあるが、日本の民事裁判でも証人尋問を裁判所の相当性判断によりWeb会議システムで実施できるようにすると考えられている点が想起される。
危惧されているのが刑事裁判では被告人の立会権であるのに対し、日本の民事裁判の場合は反対尋問権の切り下げとなるのではないかという点である。
状況が異なるとは言え、参考とすべき動きではある。
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