Book:加耶/任那 中公新書
今年読んだ39冊目は、仁藤敦史さんの『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』
任那の日本府というのがあって、倭国の朝鮮における橋頭堡だったが、高句麗・新羅・百済により追いつめられて追い出されたというのが昔読んだ漫画日本の歴史レベルの知識であるが、その実情がどうであったのかは、日本書紀の史料的な価値の低さもあって、諸説が入り混じっていた。
本書は、日本側、朝鮮側、そして中国の歴史書や考古学的な成果も踏まえて、倭の拠点としての日本府という組織があったわけではなく、倭系の人々や倭からの使者などの存在を総称した表現にすぎないとしている。
しかし、日本府かどうかはともかく、加耶地方に諸国があり、それが百済・新羅・高句麗などからの圧迫を受けて征服されるに至るというところは基本的に正しい。その中で百済や新羅の興亡とか、倭国との関係とかが複雑に入り混じって、なお、興味が残る。
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