jugement:AV出演を強要、断ったら違約金を請求された訴訟のその後
東京地判平成27年9月9日
伊藤和子弁護士のFB書き込みに以下のように書かれていた。
2014年、アダルトビデオの出演を拒絶した女性が、所属プロダクションから金2400万円以上の違約金を請求される事件(原告・プロダクション、被告・女性) が東京地方裁判所に提訴され、今月9日に:原告の請求を棄却する判決が出されました。判決は、アダルトビデオの出演は、出演者本人の意思に反して従事させることが許されない性質の業務であるとしています。本人の意思に反してアダルトビデオに出演することは許されない、としています。
近年、アダルトビデオ出演強要に関わる被害相談が増え、多額の違約金に怯えて法的知識に乏しい若年女性が出演を余儀なくされる事例が他にも多く見られるなか、本件はリーディングケースと言えます。本件は、本日25日が控訴期限であり、会見の際には、確定か、控訴かのお知らせができると存じます。
契約をタテにとって、性行為とその撮影・公表を強要することは、民事法上も公序良俗違反であり、その根拠となる契約は無効であることはもちろん、強要すること自体が不法行為となる。
また、仮に契約金が女性側に支払われていたとしても、不法なことをさせる対価であり、かつその不法性はプロダクションの側にのみ存するとして、契約が無効でも返還義務は生じないであろう。
逆に登録料のようなものを支払わされたとすれば、その返還を求めることができる。
そもそもこうした訴えを提起すること自体、不法行為となるというべきだ。
ということで、いわばヤミ金との契約などと同じことであり、そのようなものに巻き込まれたら信頼できる弁護士に相談することが第一である。怖がって言われるままになるのは泥沼にはまるようなものだ。
この件について報道関係者向けに会見があるようなので、情報を上げておこう。
会見内容:アダルトビデオ違約金訴訟・東京地裁判決の報告と今後の対応開催日時:2015年9月29日(火)16:10~16:50
(会見後、個別のご質問に答えることもできます)開催場所:東京弁護士会 504会議室
千代田区霞が関1丁目1番3号 弁護士会館5階【出席者】弁護士 伊藤和子 弁護士 中西俊枝
PAPS(ポルノ被害と性暴力を考える会)代表 宮本節子【連絡先】ミモザの森法律事務所(担当:三井)
TEL:03-5807-3184 FAX:03-5807-8303
こうした解決が広く報じられて、被害の減少・再発防止につながることを祈って止まない。
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