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2013/12/02

politique:石破氏の訂正とおわび

石破氏がブログで「お詫びと訂正」をアップした。元の文章を単に削除するだけでなく、どう変えたかを明示しているあたり、お作法は心得ているというところであろうか。

 

整然と行われるデモや集会は、いかなる主張であっても民主主義にとって望ましいものです。

 一方で、一般の人々に畏怖の念を与え、市民の平穏を妨げるような大音量で自己の主張を述べるような手法は、本来あるべき民主主義とは相容れないものであるように思います。

昨日のエントリで述べたように、「いかなる主張であっても」という部分にはいささか問題があり、人種差別や民族差別を煽るヘイトスピーチを放置しておくことは、国際的にも日本の評価を下げ、表現の自由の逸脱と位置づける可能性はある。
また、「市民の平穏を妨げるような大音量で自己の主張を述べるような手法」という部分で真っ先に思い浮かべるのは、右翼団体の街宣車ではないかと思うのだが、それはともかくとして、政治的な意思表明を行うことと市民の迷惑とはトレードオフの関係にある。国民の政治的な意思表明の機会を重視すればするほど、市民の日常生活に迷惑がかかってもやむを得ないし、場合によっては刑事的な違法性阻却も認められるべきだということになる。
逆に市民の日常生活に迷惑をかけることは許さないという方を重視するなら、今の日本ではどうもこの方向が一般に受け入れられやすいようだが、特に政治的少数派が政治的な意思表明を行い、人々に訴える機会を制限するということを意味するわけだ。

政治的な意思表明の機会は、デモ以外にも様々な方法があり、効果的かどうかという点ではデモという手法に疑問符がつくことも事実だ。特に多くの人々がデモ=迷惑、あるいはデモ=過激派みたいなイメージを抱いている社会では、逆効果ということもあり得る。
しかしそれでも、特に少数派の意思表明の機会としては貴重であり、迷惑の一言で否定したり、がんじがらめの規制をかけたりすることが正当化されるものではない。

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