law:行政情報開示にもインカメラ
asahi.com:情報開示の是非、裁判官が判断 情報公開法改正素案
枝野幸男・行政刷新相が検討を進めている情報公開法改正案の素案が9日、明らかになった。情報公開を巡る訴訟の際、不開示と決定された文書や黒塗り部分を裁判官が直接読み、開示の是非を判断できるようにする制度の導入が柱。また、法律の目的として「国民の知る権利」を明記する。
このいわゆるインカメラ審理は、最高裁が明文規定のないかぎり行えないとして、採用しなかったものである。それならとインカメラ審理の規定を入れるべきだったわけだが、枝野大臣になるまで手をつけようとしなかった。
これも政権交代の具体的果実である。
なお、このブログを見ている人は先刻ご承知の方が多いと思うが、インカメラ審理とは、写真機を使うとか目に焼き付けるとかいう意味ではなく、法廷で公開してみるのではなく裁判官の部屋(in camera = in chamber)で見るという意味である。
民事訴訟では、秘密文書として提出を免れるかどうかの判断の際に、明文規定で認められている。
民訴223条6項 裁判所は、文書提出命令の申立てに係る文書が第二百二十条第四号イからニまでに掲げる文書のいずれかに該当するかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、文書の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された文書の開示を求めることができない。
そして、裁判官がこの規定の類推適用により情報公開請求の場面でも提示させることが出来るかどうかについて、NOといった最高裁の裁判例はこのブログのarret:情報公開訴訟のincamera審理というエントリを参照して欲しい。
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