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民主党の中でも、選挙前から明らかになっていた問題だから、もうみそぎが済んだと言わんばかりの鳩山首相（そういうつもりはないとも言っているが）、参考人招致や証人喚問は全会一致が原則だから絶対応じないという山岡国会対策委員長、影響がないとは言えないが、それより予算が大事だという菅直人財務大臣、この辺の方々はもう救いがたいという感じだ。

民主党が党利党略的な反応しかしないのを見ると、一般人からは、政権交代といっても結局同じ穴の狢が立場を変えただけじゃないかと思うようになる。

連立与党の他党も、亀井静香が疑惑にそらっとぼけるのは全く違和感がないが、福島瑞穂が捜査の行方を見守ると言ってしまっているのには、またまた情けない限りだ。目先の法案成立を求めて小沢さんの力が必要だからということのようだが、それはもう自殺行為であろう。筋を通すことが唯一存在理由となっているのに、しかも利権とか政治資金疑惑などからは最も遠いところにいるはずという信頼感だけが頼りなのに、小沢疑惑の前に腰砕けになる姿を見て、みんなどう思うか想像したことはないのだろうか？

　小沢氏に向けられている疑惑は、政治資金規正法違反というのは入り口にすぎず、その実は東北地方の建設土木談合を支配して、うまい汁を吸っていたのではないか、天の声を握ることで高止まりした落札価格に操作して、その差額をリベートとして献金させたのではないか、この点である。
　そのような錬金術が可能となる前提には、地元に公共事業を落とす利益誘導型政治があり、国民全体の奉仕者たる立場などとはこれっぽっちも思っていない政治姿勢がある。
　こうしたことは、まさしく田中角栄−金丸信ラインの方法であり、小沢一郎がその直系に位置するということも我々はよく知っている。

　小沢氏に向けられている疑惑は、従って小沢氏の自民党的なるものそのものなのだ。

　その意味でも、ついこの間まで野党であった民主党の、特に自由党ラインではない方々の対応はがっかりだ。政治のあるべき姿を追求するよりも党利党略を大事にしてしまったという点で、昨夏の選挙で寄せられた信託を裏切りつつあると言わざるを得ない。

　他方、自民党の議員・前議員が小沢氏に説明責任とか言っているのは、ちゃんちゃらおかしい。お前ら、昨日までの自分に唾をはいているんじゃないとしか見えない。利益誘導型政治というのは別に田中派とその末裔たちの専売特許というわけではない。また、昔のことというわけではない。ついこの間も、西松建設からの不正献金疑惑をかけられながら、しぶとく地位に恋々とした者あり、そんな人物を重用し続けた首相たちあり。

　ちなみに、例によって産経新聞関連サイトでは、自民党派閥領袖の次のような言葉を記録している。

自民党の町村信孝前官房長官は１０日、茨城県日立市で講演し、鳩山由紀夫民主党代表の政治資金虚偽記載問題に関し「政治資金スキャンダルといえば自民党の専売特許だったが、最近は民主党の専売特許だ」と批判した。 2009/07/10 19:24

ご本人たちも、目くそ鼻くそを笑うの類であることはご承知であり、建前が党利に合致したが故の批判にすぎない。
純粋さを感じるのは、河野太郎氏など、ごく少数にすぎない。