BLOGが研究会資料にプリントアウトされて出回る
指宿先生のブログによれば、大阪の研究会で「参考資料にブログ記事が三件もプリントされており、それぞれのコメントに対する報告者のコメントなどもあった。落合ブログ、町村ブログ、そして本ブログである」とのことである。
例の接見交通の場所に秘密会談できる設備がないからと、接見自体許さなかったのが違法だけど過失はないとされた最高裁判決について、なのだが。
うーむ、しがない「民事」訴訟法の研究者が興味の赴くまま書いたにすぎないものを、専門家の研究会に引用されるとは、私が指導教官なら「やめろ」というだろうなぁと思う。
率直に言って、民事手続や情報法分野、それにせいぜい民事実体法分野ではそういい加減なことは書かないつもりだが、それ以外の分野では素朴な正義感を振り回しているところがある。それでも敢えて紹介するというのは、紹介者によほどの自信があるということなのだろう。
ま、公にしたものには責任をもたなけりゃならないだし、素人の謬見として紹介されてもそれはそれで仕方ないか。
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コメント
こんにちは
専門分野でない人の意見というのは、素人の、通常の、ある意味、健全かもしれない感覚を表出している面もあると思います。
もちろん、専門家でないことによる、およそ採用できない意見という場合もあるでしょうが、、
専門家であるが故の、近視眼的な見解ということもあり得ると思うのですが、、
投稿: 弁・五右衛門 | 2005/07/18 08:45
素人の前例にとらわれない思いとか、他の分野の専門家が新たな見方を提供するとか、そういうこともあります。
要は、ブログであれ論文であれ、その中身が取り上げるに足るものかどうかを、紹介者自身が判断することが重要なのでしょう。
投稿: 町村 | 2005/07/18 09:59
すみません、研究会のような場で、著作者の事前同意無しにブログ記事をプリント配布するという行為は、著作権法的には問題無いのでしょうか?ちょっと気になったもので。
投稿: J2 | 2005/07/18 11:11
必ずそのつっこみがあると思ってましたよ>著作権
一般的にはクロなんでしょうが、雑誌論文や新聞記事などについてこれまでも研究会では当然のようにやってますね。著作権に関する研究会でも参考資料は当然のようにコピーして配るし。
これはフェアユースそのものなのでしょう。
でもって、フェアユースは絶対認めたくないという人たちであれば、著作権法32条(引用)の要件の中で、研究報告の資料全体の一部として引用されたものと位置づけ、「公正な慣行」であり、かつ「研究の目的上正当な範囲内」であるということになるのでしょう。
実際、利用する側からも利用される側からも、研究会の配付資料にコピーされて出回るのは「公正な慣行」だと思いますし、たいていの人はそう思っているわけです。
でもこのようにはっきりというと、たくさん異論が出てくるかもしれません。
投稿: 町村 | 2005/07/18 15:29
業界内の人の著作物だと、許諾の意思を推定してしまう(学会や研究会で自分の論文等が紹介されるのを拒む研究者等は滅多にいないので)ことでやり過ごすのでしょうけど、ウェブやブログの作者一般についてそのような意思を推定してしまうのは難しいかも知れないですね。
問題な発表者も、町村先生や落合先生なら、業界内ルールの範囲で行動してくれると判断したのかも知れません。
投稿: 小倉秀夫 | 2005/07/18 16:56
学者先生でも弁護士先生でも,後でゴネて罵倒しそうな人のブログは,フェアユースの範囲内でも「引用」しなかった感じですね。
投稿: 通行人 | 2005/07/19 04:54