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CLAYNOTE

[感想雑記]チームバチスタシリーズ 

Amazon PrimeでのXファイルの配信がシーズン8を2話まで見た所でいきなり終わってしまったので、心にぽっかり穴があいてしまい、世間で噂になっていた時には全く見向きもしなかったけれど、何だか最近医療ドラマにハマっていたせいもあって、チームバチスタシリーズを、とりあえず「チームバチスタの栄光」から観てみたら、これが結構…いやかなり面白い!
と言うか仲村トオルがめちゃくちゃカッコイイ!
そして伊藤淳史も私はかなり好きな俳優であるので、配役に微妙さがなくてそれがまた素晴らしかった。
が、シリーズを2、3、4と鑑賞していくと、さすがに面白いとばかりは言えない展開にもなってくるわけで、今回はシーズン毎のレビューなんかをこの記事にて書いていこうと思います。
以下盛大なネタバレを容赦なくぶち込みますので閲覧注意です。



1)チームバチスタの栄光

原作未読です。結末が原作とは違うという話をどっかで耳にしたのですが、このファーストシーズンは割と文句の付け所がない面白さでした。
キャスティングも良かったですね。主役の二人はもちろんのこと、チームバチスタのキャスティングも概ね満足です。
しいて言えば何故、“鳴海”が宮川大輔なのかというあたりですけど、これはこれでいい味出してると言えなくもないかも。
個人的にはテニミュの二代目青学で大石役をしていた、あのズッキーが随分役者として成長していてなんか感動しました。
そういえばバチスタチームには同じ二代目青学で手塚をやっていた城田優も出てましたね。
まああの二人は両方ともナベプロなので、その辺りプロダクションの裏が透けて見えるというか。

で、肝心のシナリオですが、流石にミステリーとして高評価された原作を使っているだけあって、良く出来てます。
ただ原作を知らなくても、配役である程度犯人が読めるというようなタイプの典型でもありますけど、それが個人ではなく、複数なので、割と誰が犯人なのか最後まで解らないという。
まあ桐生先生は無さそうだな、と思ってましたけど(実際には過失致死罪は適用されるかも)、それ以外は全員怪しいっちゃあ怪しいですからね。
だけど最終的には高評価ですけど、ぶっちゃけ垣谷先生の娘のくだりとか、真犯人展開は別にいらなかったんじゃないかなーとも後になってみると思いますね。
何しろ娘の死の復讐、とか動機がだいぶありきたりだし、そのために無関係の患者を殺して桐生先生を陥れるって言うのは、垣谷の人格を善人として設定したのであれば、ちょっと整合性がとれないですよね。
そういう殺人の手段を取るのであれば、表面上善人面してるけど裏では殺人を楽しんでるような人間じゃないと。
だから結末に関しては、原作通りで良かったんじゃないかと思います。
氷室の動機についてもしかり。
まあ先に竹内結子版の映画があったので、どうしても色を加えたかったという事なんでしょうけど、そこらへんは配役や演出が違うだけで全く異なる作品にはなりえるので、シナリオを変にいじくり回して変化をつけるべきではないと思いますね、私は。

と、まあケチをつけるべきところはつけるとしても、グッチ―と白鳥のコンビネーションは最高でした!
特になくなっていたcase29のビデオがこっそり戻ったあとの二人の会話は笑えましたね。
それとグッチーのパッシヴフェイズが、この後のシリーズと比べると感情論には終始せず、それなりに理論的なのも高ポイント。

以上を踏まえて、ファーストシーズンはキャスティング、シナリオ、演出ともに満足度は高かったです。



2)ジェネラルルージュの凱旋

グッチーと白石コンビはそのままに、舞台が東城医大緊急救命センターに移ります。
今回のビッグボスは西島秀俊演じる“ジェネラル・ルージュ”こと“速水晃一”。
そのジェネラル率いる緊急救命チームには、加藤あい、木下隆行、白石美帆、戸次重幸、松坂桃李、とだいぶ豪華。
(※スマンが看護師役の女の子は私的にはあまりメジャーじゃないので、割愛させていただきました)
その他に、昔ウッチャンと一緒にドーバー海峡を横断した人(堀部圭亮)とか、本田博太郎か(この人はいっつもだいたい黒幕的な人物を演じるねえ)、
それと前シリーズに引き続き、この「ジェネラルルージュ」でも元テニミュキャストが。
研修医の一人として、これまた二代目青学で菊丸英二を演じていたアダーチンこと、足立理が。
アダーチンは深夜ドラマの「アオイホノオ」でも柳楽優弥演じる主人公のオタクっぽい友達を演じていて、テニミュ時代を知る(主に空耳で)私は随分成長したもんだなあ、とその時も感心しておったのですが、今回もちょっと控えめな、自己主張の弱い研修医を繊細に演じていて、素敵でした。
彼は意外と他にはいないキャラクターなので、これからもっと色んな作品で重宝されると思う。主役って柄じゃないけど、名バイプレイヤーになってくれたら嬉しいですね。

さて、で、肝心の内容ですが、これもまた原作とは違って、ドラマ形式にするために基本一話完結型みたいな感じになっていて、私はこれはいいアイデアだと思いました。
実際、中盤を少し過ぎたところまでは、サスペンス的なものは何も起きず、純粋な医療ドラマとして面白いです。
まあ主役が厚労省でテーマが医療不正を暴くとかなんかそんな感じなので、単純な医療ドラマじゃ厚労省の出る幕じゃなくなっちゃうのですけどねえ。
で、その厚労省にとっての本題である速水先生の収賄疑惑について。
速水先生がメディカルアソートのカテーテルばっかり多く発注しているって指摘があったけど、優秀な医療器具なんだから別に多く発注する事に問題なんぞないのでは?と医療関係に無知な私などは思ってしまうのですが、その辺りどうなのだろうか。

しっかし東城医大の救命センターは患者側からすると良心的ですね。ありがたいですよ。
だって地域によっては救急車に乗った後、受け入れ先が全然なくてその間に死んじゃう人だって少なくないですから。
現場で働く人達はそりゃ死ぬほど大変だろうけど、たとえばベッドなんかなくてもとりあえず痛みだけは何とかして欲しいって時には、受け入れてくれるっていう応えがすごく有難いし、それだけで症状が緩和されます。そういう経験、私自身がしているので。


で、サスペンス部分ですが、意外性はまあ、ほぼほぼ無いです。
これはひょっとすると構成が下手なのかも知れませんが…動機があからさま過ぎるんですよ。だって“でんでん”、いや失礼、寺内さんを殺さなければならない人間なんて、少なくとも救命チームには見当たりません。
強いて言えば、移籍の話がポシャるのを阻止するという動機で、ジェネラル速水か花房師長ですけど、あれだけ他人の命を救う事に狂気的な情熱を傾けている速水先生が、人を殺す事は考えられないし、速水先生が犯人ではない以上、それをかばう可能性のある花房師長の犯行もありえない。
と、すると――。

てなわけで、「ジェネラル・ルージュの凱旋」は、前半は文句なしに面白いけれど、殺人事件が起きてからは、実に凡庸なドラマでした。
とはいえ、西島秀俊演じるジェネラルのある種狂気的な救命願望は、ゾクッとするほどの色気と共に演じられてますし、最後の最後に速水の症状の解明にグッチーが大活躍したのも(理論はやや意味不明だったが)良かったです。

ちなみにグッチーと白鳥さんのコンビ愛、は相変わらずでした。ちょっと白鳥さんがグッチーに依存気味?

続き「アリアドネの弾丸」は後日








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