[GALNERYUS]ULTIMATE SACRIFICE-超絶技巧という名のボスラッシュ―
2017/10/02 Mon. 08:25 | 雑記 |
ついにリリースされました、GALNERYUSのNEW ALBUM 『ULTIMATE SACRIFICE』
なんとも中二くさいタイトルですが、中身も大体中二です。
トータル5周ほど聴き終わっての感想は、傑作には間違いないけれど、前作を超えたかと言うとちょっと微妙、と言ったところ。
正直、アルバム発売に先駆けて公開された表題曲のPVが、個人的には何ら突き刺さるものが無く――って言うかあのPV演出したの誰だよ、と言いたくなる中途半端な完成度。
まあ曲自体も何か古くさいなあ、と言うのと、メロディの転結がありきたりだなあ、などと色々不満はあったわけですが、それに加えてPVに出てくる役者の演技が微妙…いや、これは役者ではなくやはり演出のせいだ。
まず冒頭、イントロリフの場面で主人公が剣を巧みに振りまわす演出だけれど、あれじゃ全然達人っぽさは伝わりません。
そういうの伝えたいなら、下村雄二監督にお願いして、デビルメイクライばりにキレッキレのアクションつけて貰いましょう。
それと途中から主人公の恋人だか嫁だかが出てくるんですけど、この女性の芝居が何とも中途半端。
愛しあっているという構図を演出したいなら、キスぐらいさせろ、とイライラするシーンが一か所あります。多分みなさん解るはず。
あと悪役とおぼしき男が後半出てくるのだが、これがどう見てもただのコスプレオヤジにしか見えず――。
更に言うなら悪役としてのカリスマ性を何ら感じさせないミスキャスティング。
あのね、正直制作費に金かけられずにあんな中途半端な出来になるくらいなら、アマチュア絵師と提携して紙芝居かなんか流す方がよっぽどインパクト出るよ。
それか元々は中世をイメージしたとしても、PVではそれを現代に置き換えてみるとか。
そもそもSYUの考える、中世ヨーロッパの世界観なんて日本人にゃ演出不可能な世界だと思う。
どうしてもそういうのやりたいんなら、ブックレットの小説にはちゃんとしたAuthorを立てて、本格的にやるべき。
何でもかんでも自分でやりたい気持ちは解るけど、やっぱり適材適所と言うものがあって、同じような事をしたTMNは、たまたま木根さんが文才のある方だったから成立したけど、はっきり言ってSYUに物語の構成力は無い。
それだったら最初からブックレットのデザインしてくれた高橋ツトム先生とコラボでもすれば良かったと思う。
或いはこれもやっぱり予算の問題で、という事ならPixivあたりとコラボしてアマチュア作品を採用するとか、そういう展開にすればpixivの方も盛り上がるし、ガルネリとしては小説の質も上がるしでWinWinじゃない?
とまあ一通りPVその他に対する不満点を並べたところで本編の感想に入りますけども。
01.ENTER THE NEW AGE (Music: SYU / Lyrics: TAKA)
個人的には前作“UNDER THE FORCE OF COURAGE”の「THE TIME BEFORE DAWN」がインストとしてはベストだったので、今作の導入はどうかな、とちょっと不安だったのだけれど、いい具合に意表を突く感じもあってまあそこそこ満足。
ただ音楽全体として見ると、五度和音のこのフレーズは、昔のRPGなんかでは良く聴いたものだから目新しさは特にない。
当時はデジタルの電子音声だったものを生音で、超絶スキルで演奏するとこうなります、的な感じ。
まあワクワク感はあるけどもね。
02.HEAVENLY PUNISHMENT (Music & Lyrics: SYU)
これだよこれ。PVを見た段階で一度は失望しかけた心を再び奮い立たせたのは。
PVの公開後しばらくたって、今度は全曲トレーラーなるものが公開されて、その時にこの曲のコーラスを聞いた時点で、アルバム購入に迷いは無くなりました。
っていうかPVはこっちにするべきだったんじゃないのか。とにかくコーラスのメロディが秀逸。
まあ言っちゃえば若干チャイコフスキー感がしなくも無いけど、それでもメチャクチャ頭に残るメロディ。
ただ一曲通して全部素晴らしいかというと個人的にはそうでもなくて、たとえばBメロなんかは往年の歌謡曲でちょっと聞き飽きた感じの展開。だからコーラスはめちゃくちゃ頭に残るけど、他はそうでもない感じ。
で、演奏的な面なんですが、凄まじい難しさです。正直、このバンドにさほど興味がないか、全く興味がない人でも、とんでもない超絶技巧のオンパレードである事は理解できると思います。
これはこの後に続くすべての曲に言える。
03.WINGS OF JUSTICE (Music & Lyrics: SYU)
2曲目から間髪入れずに怒涛のメロスピラッシュというある種お決まりの展開なんだけど、これがまたたまらんのよね。
高速リフの聖飢魔Ⅱでいうところの“Fire After Fire”的なリフはそれほど目新しいフレーズではないんだけど、ここまで高速なのは初めて聴いたかも。Bメロの三連のクッソめんどくさそうなリズムのメロディラインがめちゃ気に入りました。
04.THE SHADOW WITHIN (Music & Lyrics: SYU)
いきなり単純な感想で申し訳ないんですが、好きですコレ。
前2曲のメロスピはテンションは上がるんだけど、単体で再生するならコレとかこの後の5曲目とかになる。
行進曲的なリズムで、ジムでウォーキングとかする時のBGMにちょうと良いかもしれない。
05.WITH SYMPATHY (Music: YUHKI / Lyrics: SHO, TAKA)
前作の“Rain of Tears”もそうだけど、私はYUHK作曲のナンバーがツボにはまる事が多いです。
なので例によってこれも好きで、寧ろ今作で一番好きなのがこの曲かも知れない。
SYU作曲のナンバーは悪い意味で隙が無さすぎるんだけど、YUHKI作曲ナンバーはいい意味でその隙がある。
別の言い方をすると、ゆとりがある音符の並びっていう感じですかね。
それと私の楽曲評価基準はほぼほぼ小野正利のVoなので、そういう意味でもこの曲は彼の声がもつミドルレンジの滑らかさと、さりげなく入るフェイク、いつもより丁寧な英語歌唱が聴けるという意味でもこれがベストです。
さて、続きはちょっと眠くなってきたので明日(以降)にします。
次回は下記楽曲のレビューから。
続きは追記にて。
なんとも中二くさいタイトルですが、中身も大体中二です。
トータル5周ほど聴き終わっての感想は、傑作には間違いないけれど、前作を超えたかと言うとちょっと微妙、と言ったところ。
正直、アルバム発売に先駆けて公開された表題曲のPVが、個人的には何ら突き刺さるものが無く――って言うかあのPV演出したの誰だよ、と言いたくなる中途半端な完成度。
まあ曲自体も何か古くさいなあ、と言うのと、メロディの転結がありきたりだなあ、などと色々不満はあったわけですが、それに加えてPVに出てくる役者の演技が微妙…いや、これは役者ではなくやはり演出のせいだ。
まず冒頭、イントロリフの場面で主人公が剣を巧みに振りまわす演出だけれど、あれじゃ全然達人っぽさは伝わりません。
そういうの伝えたいなら、下村雄二監督にお願いして、デビルメイクライばりにキレッキレのアクションつけて貰いましょう。
それと途中から主人公の恋人だか嫁だかが出てくるんですけど、この女性の芝居が何とも中途半端。
愛しあっているという構図を演出したいなら、キスぐらいさせろ、とイライラするシーンが一か所あります。多分みなさん解るはず。
あと悪役とおぼしき男が後半出てくるのだが、これがどう見てもただのコスプレオヤジにしか見えず――。
更に言うなら悪役としてのカリスマ性を何ら感じさせないミスキャスティング。
あのね、正直制作費に金かけられずにあんな中途半端な出来になるくらいなら、アマチュア絵師と提携して紙芝居かなんか流す方がよっぽどインパクト出るよ。
それか元々は中世をイメージしたとしても、PVではそれを現代に置き換えてみるとか。
そもそもSYUの考える、中世ヨーロッパの世界観なんて日本人にゃ演出不可能な世界だと思う。
どうしてもそういうのやりたいんなら、ブックレットの小説にはちゃんとしたAuthorを立てて、本格的にやるべき。
何でもかんでも自分でやりたい気持ちは解るけど、やっぱり適材適所と言うものがあって、同じような事をしたTMNは、たまたま木根さんが文才のある方だったから成立したけど、はっきり言ってSYUに物語の構成力は無い。
それだったら最初からブックレットのデザインしてくれた高橋ツトム先生とコラボでもすれば良かったと思う。
或いはこれもやっぱり予算の問題で、という事ならPixivあたりとコラボしてアマチュア作品を採用するとか、そういう展開にすればpixivの方も盛り上がるし、ガルネリとしては小説の質も上がるしでWinWinじゃない?
とまあ一通りPVその他に対する不満点を並べたところで本編の感想に入りますけども。
01.ENTER THE NEW AGE (Music: SYU / Lyrics: TAKA)
個人的には前作“UNDER THE FORCE OF COURAGE”の「THE TIME BEFORE DAWN」がインストとしてはベストだったので、今作の導入はどうかな、とちょっと不安だったのだけれど、いい具合に意表を突く感じもあってまあそこそこ満足。
ただ音楽全体として見ると、五度和音のこのフレーズは、昔のRPGなんかでは良く聴いたものだから目新しさは特にない。
当時はデジタルの電子音声だったものを生音で、超絶スキルで演奏するとこうなります、的な感じ。
まあワクワク感はあるけどもね。
02.HEAVENLY PUNISHMENT (Music & Lyrics: SYU)
これだよこれ。PVを見た段階で一度は失望しかけた心を再び奮い立たせたのは。
PVの公開後しばらくたって、今度は全曲トレーラーなるものが公開されて、その時にこの曲のコーラスを聞いた時点で、アルバム購入に迷いは無くなりました。
っていうかPVはこっちにするべきだったんじゃないのか。とにかくコーラスのメロディが秀逸。
まあ言っちゃえば若干チャイコフスキー感がしなくも無いけど、それでもメチャクチャ頭に残るメロディ。
ただ一曲通して全部素晴らしいかというと個人的にはそうでもなくて、たとえばBメロなんかは往年の歌謡曲でちょっと聞き飽きた感じの展開。だからコーラスはめちゃくちゃ頭に残るけど、他はそうでもない感じ。
で、演奏的な面なんですが、凄まじい難しさです。正直、このバンドにさほど興味がないか、全く興味がない人でも、とんでもない超絶技巧のオンパレードである事は理解できると思います。
これはこの後に続くすべての曲に言える。
03.WINGS OF JUSTICE (Music & Lyrics: SYU)
2曲目から間髪入れずに怒涛のメロスピラッシュというある種お決まりの展開なんだけど、これがまたたまらんのよね。
高速リフの聖飢魔Ⅱでいうところの“Fire After Fire”的なリフはそれほど目新しいフレーズではないんだけど、ここまで高速なのは初めて聴いたかも。Bメロの三連のクッソめんどくさそうなリズムのメロディラインがめちゃ気に入りました。
04.THE SHADOW WITHIN (Music & Lyrics: SYU)
いきなり単純な感想で申し訳ないんですが、好きですコレ。
前2曲のメロスピはテンションは上がるんだけど、単体で再生するならコレとかこの後の5曲目とかになる。
行進曲的なリズムで、ジムでウォーキングとかする時のBGMにちょうと良いかもしれない。
05.WITH SYMPATHY (Music: YUHKI / Lyrics: SHO, TAKA)
前作の“Rain of Tears”もそうだけど、私はYUHK作曲のナンバーがツボにはまる事が多いです。
なので例によってこれも好きで、寧ろ今作で一番好きなのがこの曲かも知れない。
SYU作曲のナンバーは悪い意味で隙が無さすぎるんだけど、YUHKI作曲ナンバーはいい意味でその隙がある。
別の言い方をすると、ゆとりがある音符の並びっていう感じですかね。
それと私の楽曲評価基準はほぼほぼ小野正利のVoなので、そういう意味でもこの曲は彼の声がもつミドルレンジの滑らかさと、さりげなく入るフェイク、いつもより丁寧な英語歌唱が聴けるという意味でもこれがベストです。
次回は下記楽曲のレビューから。
続きは追記にて。
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