地震力
1)地震力の概要
2)層せん断力
3)層せん断力係数(Ci)
4)Z:地震地域係数
5)Rt:振動特性係数
6)Ai:地震層せん断力分布係数
7)Co:標準層せん断力係数
1)地震力の概要
●地震力とは?
・地震によって建物に働く力(加速度)のこと。
・地震は、地下に震源をもつため、下から突き上げる力と、横に揺らす力が同時に存在するが、従来から、この下方向からの力は、建物を横に揺らす力の約50%と言われていることから、耐震性能として問題とするのは、横に揺らす力(水平力)で測定される。
・地震力は建物の重量に比例するため、1階と2階にかかる地震力を比較すると、1階部分は2階部分の荷重も加わるため、約2倍の地震力が働くと想定される。
●地震力に対する設計
・設計では、地震によって床位置に作用する最大水平外力を予想し、その水平外力に対して、建物の各層が安全であるように部材断面を決定していくことになる。
→建物各層に生じる最大せん断力の大きさを求め、各層が安全であるように設計する。
2)層せん断力
地震のエネルギーは基礎から建物の上部へ侵入して、建物を振動させようとする。
→設計では、各層毎に生じる地震力(層せん断力(Qi)という)を求め、各層が安全であることを確認する。
Qi = CiΣW
Qi:層せん断力
Ci:層せん断力係数
ΣW:i階よりも上層の建物重量の合計
3)層せん断力係数(Ci)
Ci = Z・Rt・Ai・Co
Z:地震地域係数
Rt:振動特性係数
Ai:地震層せん断力分布係数
Co:標準層せん断力係数
4)Z:地震地域係数
・地域毎に想定される地震の大きさによって定められている低減率。
〇建築基準法施行令88条
・その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値。
5)Rt:振動特性係数
・地盤の硬さと建物の固有周期(高さと構造形式等で決まる)に応じて定められている低減係数
〇建物の固有周期
・固い建物では大きな地震力を受けやすいが、柔らかい建物になると建物が受ける地震力を受け流す性質があるので、地震力は小さくなる。
・建物の固さや柔らかさの度合いは建物の固有周期によって表され、設計では周期が長ければ長いほど低減率を大きくとることができるようにしてある。
〇地盤の影響
・固い地盤の上に立つ固有周期の短い建物は揺れやく、柔らかい地盤の上に立つ固有周期の長い建物も揺れやすい性質がある。
→地盤を硬質、普通、軟弱の3種類に分けて、建物の固有周期が長くなると、低減係数を硬質地盤ほど大きく、軟弱地盤ほど小さくとるようにしてある。
・同じ固有周期の建物ならば、柔らかい地盤ほど揺れが大きくなる(係数が大きくなる)。
6)Ai:地震層せん断力分布係数
・建物の高さ方向の地震力の違いを求める係数で、高い階ほど地震力が大きくなるので、係数も大きくなる。
7)Co:標準層せん断力係数
〇Co=0.2、中地震(頻繁に起こる地震)
・中地震(頻繁に起こる地震)に対して、建物に損傷を起こさせないように設計するときの荷重レベル。
・通常、Co=0.2(2割の重力加速度が建物に作用する)として設計している。
〇Co=1.0、大地震動(極めてまれな、非常に大きな地震)
・大地震動に対して、建物が危険な崩壊を起こさせないように設計するときの荷重レベル。
・通常、Co=1.0(重力加速度が建物に作用する)として設計している
・必要保有水平耐力を計算する場合においては、前項の規定にかかわらず、標準せん断力係数は、1.0以上としなければならない。
※建築基準法施行令第88条第1項、第2項及び第4項の規定に基づくZの数値、Rt及びAiを算出する方法並びに地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する基準(昭和55年11月27日)(建設省告示第1793号)
2)層せん断力
3)層せん断力係数(Ci)
4)Z:地震地域係数
5)Rt:振動特性係数
6)Ai:地震層せん断力分布係数
7)Co:標準層せん断力係数
1)地震力の概要
●地震力とは?
・地震によって建物に働く力(加速度)のこと。
・地震は、地下に震源をもつため、下から突き上げる力と、横に揺らす力が同時に存在するが、従来から、この下方向からの力は、建物を横に揺らす力の約50%と言われていることから、耐震性能として問題とするのは、横に揺らす力(水平力)で測定される。
・地震力は建物の重量に比例するため、1階と2階にかかる地震力を比較すると、1階部分は2階部分の荷重も加わるため、約2倍の地震力が働くと想定される。
●地震力に対する設計
・設計では、地震によって床位置に作用する最大水平外力を予想し、その水平外力に対して、建物の各層が安全であるように部材断面を決定していくことになる。
→建物各層に生じる最大せん断力の大きさを求め、各層が安全であるように設計する。
2)層せん断力
地震のエネルギーは基礎から建物の上部へ侵入して、建物を振動させようとする。
→設計では、各層毎に生じる地震力(層せん断力(Qi)という)を求め、各層が安全であることを確認する。
Qi = CiΣW
Qi:層せん断力
Ci:層せん断力係数
ΣW:i階よりも上層の建物重量の合計
3)層せん断力係数(Ci)
Ci = Z・Rt・Ai・Co
Z:地震地域係数
Rt:振動特性係数
Ai:地震層せん断力分布係数
Co:標準層せん断力係数
4)Z:地震地域係数
・地域毎に想定される地震の大きさによって定められている低減率。
〇建築基準法施行令88条
・その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値。
5)Rt:振動特性係数
・地盤の硬さと建物の固有周期(高さと構造形式等で決まる)に応じて定められている低減係数
〇建物の固有周期
・固い建物では大きな地震力を受けやすいが、柔らかい建物になると建物が受ける地震力を受け流す性質があるので、地震力は小さくなる。
・建物の固さや柔らかさの度合いは建物の固有周期によって表され、設計では周期が長ければ長いほど低減率を大きくとることができるようにしてある。
〇地盤の影響
・固い地盤の上に立つ固有周期の短い建物は揺れやく、柔らかい地盤の上に立つ固有周期の長い建物も揺れやすい性質がある。
→地盤を硬質、普通、軟弱の3種類に分けて、建物の固有周期が長くなると、低減係数を硬質地盤ほど大きく、軟弱地盤ほど小さくとるようにしてある。
・同じ固有周期の建物ならば、柔らかい地盤ほど揺れが大きくなる(係数が大きくなる)。
6)Ai:地震層せん断力分布係数
・建物の高さ方向の地震力の違いを求める係数で、高い階ほど地震力が大きくなるので、係数も大きくなる。
7)Co:標準層せん断力係数
〇Co=0.2、中地震(頻繁に起こる地震)
・中地震(頻繁に起こる地震)に対して、建物に損傷を起こさせないように設計するときの荷重レベル。
・通常、Co=0.2(2割の重力加速度が建物に作用する)として設計している。
〇Co=1.0、大地震動(極めてまれな、非常に大きな地震)
・大地震動に対して、建物が危険な崩壊を起こさせないように設計するときの荷重レベル。
・通常、Co=1.0(重力加速度が建物に作用する)として設計している
・必要保有水平耐力を計算する場合においては、前項の規定にかかわらず、標準せん断力係数は、1.0以上としなければならない。
※建築基準法施行令第88条第1項、第2項及び第4項の規定に基づくZの数値、Rt及びAiを算出する方法並びに地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する基準(昭和55年11月27日)(建設省告示第1793号)