夕子さんの過去が遂に明らかにされる。
それは悲惨なものだった。
貞一の意識は夕子の記憶(正確には影夕子の)の中に入ったのだが、感覚も共有している。
「いけない、見ちゃダメだ!」 肉体の操作はできないので、目も逸らせない。 見てしまった・・・
「うう、胸の重さが・・・」 巨乳の感覚か? どんなモノなのだろう?
貞一君は貴重な経験をしたね。
今回は夕子=貞一の一人称視点で話が進む、よって夕子の姿は最後を除いて殆ど見られない。
「痛ったったぁ、しっかりして下さいよ、夕子さん」 転んで小指を打った痛みがダイレクトに貞一君に伝わっている、ここまでは和やかとも言える展開だ。
しかし今回のエピソードは、重く、救いの無い展開となる。
今より 60年ほど前の夕子の村は何らかの疫病に見舞われていた。
村人の多くが犠牲となり、暗澹たる空気が村を覆っていた。
この少女の名は、『アサ』、彼女の家族は悉く疫病の犠牲となっている。 そして彼女自身も病に臥せっているが、疫病ではないらしい。
天涯孤独となったアサを、夕子は世話をしていたようだ。
「ダメ、夕子姉ちゃんに疫病がうつる!」アサは自分が疫病に罹っていると思い込んでいるらしい。
しかし夕子は大丈夫だと言う、その言葉に揺るぎはない・・・この時点では・・・・・・
庚 紫子(かのえ ゆかりこ)、夕子の妹、つまり霧江の祖母と云う訳だ。
彼女は夕子がアサの世話を続ける事に不安を感じている、疫病がうつるかもしれないと思っているからだ。
「みんなで助け合わなければ」 夕子は紫子を頬を叩いて、叱咤する。
夕子さんの優しさや毅然とした信念が現れているのだが・・・・・・
「人柱じゃの」しかも子供を人柱にすると言う。 何時 終わるとも知れない疫病の惨禍は、人々から正気を奪う。 村人達は人身御供を差し出す決定をした。
疫病は祟りだと言い出す、祠の上に学校を建てたせいだ、十分にお祓いをしなかったせいだ・・・
追い詰められた人間の心理は、時として異常を極める行動を取らせるのだ。
以前、学校祭のエピソードの時の 『アカヒトサン』 事件の時の生徒達と同じだ。
自分達は助かりたい、自分だけは助かりたい・・・こんな心理が人身御供を生み出すのだ。
誰を人柱とするのか?
「銅人(アカヒト) を決め、その者に委ねよう」 伝説が繋がり始める。
何と言うか・・・自分で決めたくないもンだから、誰か一人に責任を押し付けようとしているような・・・
夕子と紫子は、この話し合いを聞いてしまう。
怯える紫子、夕子は励ます。 気丈だなあ。
因みに後ろの壁は 後の怪異調査部 部室の壁で、この奥に祠がある。
その後、夕子はアサを自分の家に連れて来たみたいだ。
子供が人柱にされるので、一人暮らしのアサを放っておけなかったのだ。
何故か紫子が協力的になってる、改心でもしたのか?
しかし不安は やはり感じているようだ、何とかして人柱など止めさせようと言う夕子に対し、紫子は危険だと訴える。
「助け合わなきゃいけない時に、一人だけ逃げるなんて できない!」 夕子は言い切る、本心からの言葉だろう、しかし・・・
それにしても、この頃の夕子さんは直ぐに手が出ますな(この時は紫子が先に手を出している)。
貞一は夕子の感情表現の豊かさに驚き、納得もする・・・「普通のオンナノヒトだもんな」
風呂から出た後、アサが見当たらない事に夕子は気づく。
紫子も知らないと言う。 そして夕子は自分の手にしていたアサの着物が破れているのに気づくのだ。
夕子は事態を直感する。
アサを助けようと、急いで駆ける・・・しかし“これ”は違うのだ。
貞一は訴える、「違うんだ夕子さん、アサちゃんじゃないんだ! 歴史が証明している!」
アサの元に夕子は辿りつくのだが、その時・・・!
「夕子お姉ちゃん!」 アサは叫んだ、叫んでしまった。
「銅人様が名前を呼んだぞ!」 アサは銅人として選ばれていた、そのアサが名を呼んだ者こそが人柱とされるのだ。
この時、夕子さんの運命が決したのである。
この村人達、全くもって狂っているな・・・
夕子さんは村人達に捕まって、祠のある部屋に突き落とされる。
この時、夕子ではなく貞一自身の体で描写されていた。 恐怖と苦痛が共有されている状態である事が良く判る。
夕子さんの足は折れていた、最早 身動きは取れない。
こんな行為に何の意味がある? 貞一は怒りの叫びを上げるのだった。
「私が人柱になれば、私が死ねば、アサちゃんや紫子には何も・・・良かったんだ、これで・・・良かったんだ」 震えながら言う夕子、懸命に自分を納得させようとしてるようでもある、しかし・・・
夕子は闇の中に浮かぶ祠に気づいた。 そして何かに憑りつかれるように祠に寄り、観音扉を開けた。
「何、何なの?」 その中に鏡があった、そこに映った自分の姿に驚愕する。
「怖い、怖い!」 押し殺していた感情が溢れる、それは・・・恐怖だ!
死と云う現実が襲い来る、自分が死ぬのだ。
まるでタイミングを測ったように、蝋燭の炎が一つ一つ消えていく。
夕子は叫ぶ、「お願い助けて、助けなさいよ!」
「どうして、何がいけないの !? 」 蝋燭が全て消え、絶望の叫びが木霊する。
これが現実だ。 夕子さんは普通の人間、『普通のオンナノヒト』 なんだ。
死の恐怖の前に恐れ慄き、泣き喚くのは当然だ、自然の姿だ。
死を受け入れ、喜んで人柱になろうなど・・・それこそが異常なのだ。
少なくとも現代の我々は こう考える、60年前だって同じだ。
中世以前なら いざ知らず、人柱など有り得ないと思う。
それは夕子さんの時代、昭和20年代にも当てはまる筈だ。
衰弱と絶望の中で狂気じみた思考が夕子に芽生える。
「あの子のせい、アサが・・・」 醜い感情が溢れる。
「私は何を考えているの? あの子が悪い訳じゃない」 夕子は我に返るのだが、苦痛や悲しみは収まらない。
この時、貞一の体が夕子から離れる描写が為されている。
夕子の心の乖離の始まりを意味しているのだろうか、などと思った。
「私は怒ったりしない、悪いのは私じゃない、他の誰かよ。 私は・・・憎んだり・・・しな・い・・・・・・」 懸命に自分に言い聞かせるように言い、夕子は絶命していく、そして!
「そう、憎んだのは私」 直後 憎悪の声が響いた。
「憎い、憎い、憎い!」 影夕子の誕生だ。
夕子の死の瞬間、それが人格の乖離の始まりであり、影夕子が苦痛や憎悪の全てを背負わされる時の始まりだったのである。
本当に救いの無い話だ、全てを忘れたくなるのも道理だろう。
しかし こんな記憶を背負わされる影夕子の苦痛は、計り知れない。
狂いたくもなる。
果たして影夕子は、そして夕子は救われる事が可能なのだろうか?
不可能な感じもする、それ程に深い憎悪の記憶だ。
どう決着つけるのか、見逃せなくなってきたぞ。
予告のナレーションが実に凄まじい。
怨念が籠りに籠っていた。
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それは悲惨なものだった。
貞一の意識は夕子の記憶(正確には影夕子の)の中に入ったのだが、感覚も共有している。
「いけない、見ちゃダメだ!」 肉体の操作はできないので、目も逸らせない。 見てしまった・・・
「うう、胸の重さが・・・」 巨乳の感覚か? どんなモノなのだろう?
貞一君は貴重な経験をしたね。
今回は夕子=貞一の一人称視点で話が進む、よって夕子の姿は最後を除いて殆ど見られない。
「痛ったったぁ、しっかりして下さいよ、夕子さん」 転んで小指を打った痛みがダイレクトに貞一君に伝わっている、ここまでは和やかとも言える展開だ。
しかし今回のエピソードは、重く、救いの無い展開となる。
今より 60年ほど前の夕子の村は何らかの疫病に見舞われていた。
村人の多くが犠牲となり、暗澹たる空気が村を覆っていた。
この少女の名は、『アサ』、彼女の家族は悉く疫病の犠牲となっている。 そして彼女自身も病に臥せっているが、疫病ではないらしい。
天涯孤独となったアサを、夕子は世話をしていたようだ。
「ダメ、夕子姉ちゃんに疫病がうつる!」アサは自分が疫病に罹っていると思い込んでいるらしい。
しかし夕子は大丈夫だと言う、その言葉に揺るぎはない・・・この時点では・・・・・・
庚 紫子(かのえ ゆかりこ)、夕子の妹、つまり霧江の祖母と云う訳だ。
彼女は夕子がアサの世話を続ける事に不安を感じている、疫病がうつるかもしれないと思っているからだ。
「みんなで助け合わなければ」 夕子は紫子を頬を叩いて、叱咤する。
夕子さんの優しさや毅然とした信念が現れているのだが・・・・・・
「人柱じゃの」しかも子供を人柱にすると言う。 何時 終わるとも知れない疫病の惨禍は、人々から正気を奪う。 村人達は人身御供を差し出す決定をした。
疫病は祟りだと言い出す、祠の上に学校を建てたせいだ、十分にお祓いをしなかったせいだ・・・
追い詰められた人間の心理は、時として異常を極める行動を取らせるのだ。
以前、学校祭のエピソードの時の 『アカヒトサン』 事件の時の生徒達と同じだ。
自分達は助かりたい、自分だけは助かりたい・・・こんな心理が人身御供を生み出すのだ。
誰を人柱とするのか?
「銅人(アカヒト) を決め、その者に委ねよう」 伝説が繋がり始める。
何と言うか・・・自分で決めたくないもンだから、誰か一人に責任を押し付けようとしているような・・・
夕子と紫子は、この話し合いを聞いてしまう。
怯える紫子、夕子は励ます。 気丈だなあ。
因みに後ろの壁は 後の怪異調査部 部室の壁で、この奥に祠がある。
その後、夕子はアサを自分の家に連れて来たみたいだ。
子供が人柱にされるので、一人暮らしのアサを放っておけなかったのだ。
何故か紫子が協力的になってる、改心でもしたのか?
しかし不安は やはり感じているようだ、何とかして人柱など止めさせようと言う夕子に対し、紫子は危険だと訴える。
「助け合わなきゃいけない時に、一人だけ逃げるなんて できない!」 夕子は言い切る、本心からの言葉だろう、しかし・・・
それにしても、この頃の夕子さんは直ぐに手が出ますな(この時は紫子が先に手を出している)。
貞一は夕子の感情表現の豊かさに驚き、納得もする・・・「普通のオンナノヒトだもんな」
風呂から出た後、アサが見当たらない事に夕子は気づく。
紫子も知らないと言う。 そして夕子は自分の手にしていたアサの着物が破れているのに気づくのだ。
夕子は事態を直感する。
アサを助けようと、急いで駆ける・・・しかし“これ”は違うのだ。
貞一は訴える、「違うんだ夕子さん、アサちゃんじゃないんだ! 歴史が証明している!」
アサの元に夕子は辿りつくのだが、その時・・・!
「夕子お姉ちゃん!」 アサは叫んだ、叫んでしまった。
「銅人様が名前を呼んだぞ!」 アサは銅人として選ばれていた、そのアサが名を呼んだ者こそが人柱とされるのだ。
この時、夕子さんの運命が決したのである。
この村人達、全くもって狂っているな・・・
夕子さんは村人達に捕まって、祠のある部屋に突き落とされる。
この時、夕子ではなく貞一自身の体で描写されていた。 恐怖と苦痛が共有されている状態である事が良く判る。
夕子さんの足は折れていた、最早 身動きは取れない。
こんな行為に何の意味がある? 貞一は怒りの叫びを上げるのだった。
「私が人柱になれば、私が死ねば、アサちゃんや紫子には何も・・・良かったんだ、これで・・・良かったんだ」 震えながら言う夕子、懸命に自分を納得させようとしてるようでもある、しかし・・・
夕子は闇の中に浮かぶ祠に気づいた。 そして何かに憑りつかれるように祠に寄り、観音扉を開けた。
「何、何なの?」 その中に鏡があった、そこに映った自分の姿に驚愕する。
「怖い、怖い!」 押し殺していた感情が溢れる、それは・・・恐怖だ!
死と云う現実が襲い来る、自分が死ぬのだ。
まるでタイミングを測ったように、蝋燭の炎が一つ一つ消えていく。
夕子は叫ぶ、「お願い助けて、助けなさいよ!」
「どうして、何がいけないの !? 」 蝋燭が全て消え、絶望の叫びが木霊する。
これが現実だ。 夕子さんは普通の人間、『普通のオンナノヒト』 なんだ。
死の恐怖の前に恐れ慄き、泣き喚くのは当然だ、自然の姿だ。
死を受け入れ、喜んで人柱になろうなど・・・それこそが異常なのだ。
少なくとも現代の我々は こう考える、60年前だって同じだ。
中世以前なら いざ知らず、人柱など有り得ないと思う。
それは夕子さんの時代、昭和20年代にも当てはまる筈だ。
衰弱と絶望の中で狂気じみた思考が夕子に芽生える。
「あの子のせい、アサが・・・」 醜い感情が溢れる。
「私は何を考えているの? あの子が悪い訳じゃない」 夕子は我に返るのだが、苦痛や悲しみは収まらない。
この時、貞一の体が夕子から離れる描写が為されている。
夕子の心の乖離の始まりを意味しているのだろうか、などと思った。
「私は怒ったりしない、悪いのは私じゃない、他の誰かよ。 私は・・・憎んだり・・・しな・い・・・・・・」 懸命に自分に言い聞かせるように言い、夕子は絶命していく、そして!
「そう、憎んだのは私」 直後 憎悪の声が響いた。
「憎い、憎い、憎い!」 影夕子の誕生だ。
夕子の死の瞬間、それが人格の乖離の始まりであり、影夕子が苦痛や憎悪の全てを背負わされる時の始まりだったのである。
本当に救いの無い話だ、全てを忘れたくなるのも道理だろう。
しかし こんな記憶を背負わされる影夕子の苦痛は、計り知れない。
狂いたくもなる。
果たして影夕子は、そして夕子は救われる事が可能なのだろうか?
不可能な感じもする、それ程に深い憎悪の記憶だ。
どう決着つけるのか、見逃せなくなってきたぞ。
予告のナレーションが実に凄まじい。
怨念が籠りに籠っていた。
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テーマ : 黄昏乙女×アムネジア ジャンル : アニメ・コミック