2015年7月3日に行われた、広島対ヤクルトの公式戦11回戦の試合結果
ヤクルト 000 000 100|1
広 島 500 200 00×|7
勝 前田健 7勝5敗
負 古野 4勝1敗
S -
【本塁打】なし
前回のヤクルトとの対戦は、交流戦前まで遡り、その3連戦ではとにかくヤクルト打線の強気な攻めに屈したという記憶がある。
その時との違いは、セットアッパーに大瀬良が配置され、中崎の調子も上がって来ており、さらにヒースも一軍に戻って来ている。
後ろを任される3枚の投手がいるというだけでも、終盤のプレッシャーに負けることなく、自分たちの試合運びが出来るというもの。
ヤクルト先発の古野とはリリーフとして対戦しているが、先発としては今季初めての対戦となる。
古野自身は先発転向後4連勝中と、難敵という予感が漂う。
また何と言っても、絶好調の山田をどう抑えるかに、もっとも神経を使うことになりそうで、タフな試合になるかどうか、前田健次第といった面がある。
そして、立ち上がりの前田健は、きっちりと山田から三振を奪って、さらに三者凡退に抑えたことで、いいリズムをもたらせた。
すると初回のカープの攻撃では、古野が四球3つで満塁と、思っても見ない展開となった。
そしてその後は、エルドレッドのタイムリーで2点を先制すると、田中がヒットでつなぎ、木村の内野ゴロの間に1点追加。
さらに會澤のタイムリーに続き、前田健もタイムリーで計5点の先制劇となった。
エルドレッド、前田健のタイムリーは、決して芯でとらえた快心の当たりではなかったが、四球で苦しむ投球をしていた影響が出たのか、とにかく野手の間を抜けて行った。
前回登板で不用意なスリーランを浴びて、敗者のようなコメントをヒーローインタビューで述べていた前田健は、今日の試合では油断は見られない。
5点リードとなり、あとはどこまで自分のペースで投げていけるか、ということが注目点になる。
スイスイと投げている印象は強かったが、球数はその印象ほど少なくなかった、ということは、細心の注意を払いながらの投球だったということになる。
7回で100球を迎えるタイミングで、雄平に上手く合わされてレフト前に落とされ、ついに失点してしまう。
球数的にも、失点のタイミング的にも、ちょうど交代の踏ん切りがついて、8回からは大瀬良がマウンドに上がる。
ただ、その大瀬良は大量リードの展開で投げることに慣れていないのだなと思わずにはいられなかった。
決して集中していない訳ではないし、気合が入っていないわけでもない。
点差的に楽に投げられる場面だったことが、フィルターになってそう見えただけかもしれないが、緊迫した場面で投げる場合と、そうでない場合のオンとオフの切り替えは、まだ巧くないのかなと思ってしまった。
それでも無失点投球が出来たのは、マイナスにはならないだろう。
9回にはヒースがマウンドに上がり、こちらは気楽な場面で、気楽に投げていたように感じた。
これは経験の差と言えるのではないだろうか。
どれだけ点差があろうとも、積極的に攻撃の手を打ってくるヤクルトだったが、そういう雰囲気を感じさせなかったのは、前田健の油断しない投球の賜物。
もちろん、良い内容の勝利だった。
- 関連記事
-