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【カープ情報】2016.10.29 広島対日本ハム 日本シリーズ6回戦 2勝4敗で敗れ、日本ハムが日本一

2016年10月29日に行われた、広島対日本ハムの日本シリーズ6回戦の試合結果

日本ハム 100 300 060|10
広   島 020 011 000| 4

勝 バース 3勝0敗
負 ジャクソン 0勝2敗
S -

【本塁打】丸1号、レアード3号

三連敗を喫し、本拠地に戻ってきての6戦目。
中1日あったことで気持ちの切り替えが出来ているものと信じて応援したいが、試合を見るのが怖いという感情もある。

そして、野村の立ち上がりは、いきなり西川に右中間を破られる三塁打でピンチとなる。
アウトコースのシュートを、バットの先で拾って、ヘッドを利かせた非常に上手い打ち方をされている。

そして中島卓には全身守備を敷いてはみたものの、慎重になっての四球で、ノーアウト1、3塁。
こうなっては、1点は諦めて、大量失点を防ぐピッチングに切り替えるしかない。

岡にはショートへのタイムリー内野安打で1点を失うが、出来ればアウトを1つ奪っておきたかった。

ノーアウト1、2塁で中田を迎え、追い込んでからのアウトコースへのスライダーを、三遊間の深い位置へゴロを転がされる。
これも内野安打かという打球だったが、田中が追い付いてセカンド封殺。
そして一塁転送もアウトにし、ゲッツーという形で2つのアウトを奪った。
5番の近藤は、止めたバットにボールが当たり、ピッチャー右への緩いゴロとなるが、野村が好フィールディングで3アウトを取り、1点で凌いだ。

カープの初回の攻撃は、1アウト後、菊池が追い込まれてからアウトコースのストレートをライト前ヒットとしたが、丸はストレートとスライダーを2球見逃して0-2となり、追い込まれてからのボール気味のストレートで空振り三振。
増井に対しては、前回からタイミングが合っていない。
エルドレッドはフォークで空振り三振を奪われ、無得点に終わった。

初回で早くもビハインドの展開になったが、大量失点も覚悟という初回を1点で切り抜けたことで、試合の流れが日本ハムに明確に傾いているという雰囲気には感じられない。

2回裏のカープの攻撃では、先頭の5番松山がセンター前ヒット、鈴木がインコースのストレートを弾き返して二塁打とし、ノーアウト2、3塁のチャンス。
5戦目は、小窪、下水流という打線の組み換えが功を奏した形で、同じくノーアウト2、3塁のチャンスを作ったが無得点に終わって、流れを失っていったところがある。
この試合でも、打順を組み替えた松山、鈴木の連打でチャンスを作り、今度こそ得点を奪って、流れを掴みたいところ。

しかし、小窪はフルカウントまで粘ったものの、最後はフォークにバットが回って空振り三振。

日本シリーズノーヒットの石原に打席が回る。
この石原で得点できなければ、無失点という場面だったが、増井のワイルドピッチで思わぬ形で得点をもらった。
さらに、石原のサードゴロで、三塁ランナー鈴木が本塁突入。
松山から、鈴木に三塁ランナーが変わっていたとこで、レアードの本塁送球を焦る気持ちが出たのか、トンネルによるタイムリーエラーで勝ち越した。

形はどうあれ、組み替えた打順が機能しての得点ということは、2打席目以降も十分得点の可能性がある。

その追加点を奪うまでは、日本ハムの反撃を断たないといけない。
4回表の日本ハムの攻撃では、先頭の近藤にはセンター前クリーンヒットを打たれるが、レアードはアウトコースのスライダーで引っ掛けさせてショートゴロ。
しかし、バットの先で変則回転となった打球は、田中の前でバウンドを変え、エラーでノーアウト1、2塁とピンチが広がる。

田中賢はアウトコースのツーシームをライト前ヒット。
これがタイムリーとなるが、鈴木からの三塁返球が、三塁を狙ったレアードと重なって小窪が捕球できずにランナーが進塁し、同点に追い付かれてなおノーアウト2、3塁。

大野はサードゴロで本塁封殺して、ランナー入れ替わりとなり、増井の打席で早くも代打矢野を起用してきた。
相手の勝負手を封じきってこそ、試合の流れを渡さないことに繋がる。
その矢野との対決では、インコースへのシュートを見せて、アウトコース勝負と思わせておいてインコースへのチェンジアップで空振り三振を奪って2アウト。
踏ん張りどころを迎えたが、野村は捉まってしまった。
西川に初回と同じような右中間突破のタイムリー三塁打を浴びて、2点を追加されてしまう。

田中のエラーと、鈴木からの三塁送球はアウト2つを取れているプレーだったが、これが得点に繋がってしまったところには、流れの悪さを感じずにはいられない。

ただ、相手の勝負手はリリーフ陣から点を奪うことで相殺できる。
4回裏、日本ハムの2番手は鍵谷ということで、右投手から右投手への継投となっている。

先頭の松山は、振っていきたいところを我慢して四球を選ぶ。
鈴木は真ん中高めのストレートに押されて、セカンドフライで1アウト。
小窪は今度こそ四球を選んで、1アウト1、2塁。
そして何としても追い付かないとけないということで、石原に代打安部を送る。
その安部はファーストゴロ進塁打で、2アウト2、3塁となって、今度は野村に代打新井を送るが、高めのストレートで空振り三振。

日本ハムの勝負手がリリーフまで含めて当たり、カープの勝負手は決まらなかった。

あとは、ロングリリーフとしてヘーゲンズが試合を落ち着かせて、終盤の逆転に期待するという試合展開。
ロングリリーフとはいっても、打順が回ってくれば代打を出さないといけないわけで、9番の代打新井のところに、そのままヘーゲンズが入る。
終盤の長打攻勢を掛けるという点では、手札が徐々に失われていく。

またヘーゲンズは、登板していきなり中田にストレートの四球を与えてしまう。
しかし、近藤をやや逆球にはなったものの、カットボールでセカンドゴロゲッツーに仕留め、日本ハムの勢いを止めにかかる。
レアードに打たれては意味がなくなるところで、ショートゴロに打ち取って、この試合初めて三者凡退に抑え、求められている役割を完璧に果たした。

5回裏のカープの攻撃は、回跨ぎの鍵谷に簡単に2アウト奪われたが、増井にはタイミングの合っていなかった丸には、投手交代は良い方向へ作用する。
アウトコースから入ってくるスライダーを捉えると、右中間フェンスをギリギリ越える本塁打で1点を返す。

6回表のヘーゲンズは、2イニング連続で先頭打者に四球を与えてしまう。
大野にスリーバントで送りバントを決められ、日本ハムの得点パターンを作り上げてくる。
代打谷口は空振り三振を奪うが、西川、中島卓に連続四球で2アウト満塁と、今日もリリーフ陣の四球が致命傷になる展開が頭を過る。
もちろん、このヘーゲンズもペナントレースでここまで四球を出してしまう投手ではない。
それでも四球を出してしまうところに、短期決戦の難しさが表れている。

満塁の場面での岡との対戦は、全球アウトコースで攻め、ほとんどがストライクからボールになるコントロールで、コースに決め切って空振り三振。
3四球で満塁となったピンチを、犠打と三振2つということで、何とか自分の手で無失点で切り抜けられた。

6回裏の攻撃では、先頭の松山に対し、左の石井をマウンドに上げてくる。
終盤の打順の巡りを考えれば、松山に代打はないと読み切っての、石井への交代だったと思うが、松山がインコースのストレートに詰まりながら、強引にセンター前に運んで行った。

すぐさま投手交代、井口がマウンドに上がるが、鈴木はストレートの四球を選んで、ノーアウト1、2塁。
2塁ランナーを赤松に替え、小窪が送りバントで2、3塁に進める作戦なのは明らか。
普段は送りバントをする機会の少ない小窪だったが、一塁側に決めて1アウト2、3塁の形を作る。

そして途中出場の會澤が打席に向かい、三球三振となってしまう。
ここまでの出場が、1試合で、1四球を選んだのみという打席数という経験の少なさが影響したのかもしれない。

連続代打で下水流が起用され、ボールを見極め、ストライクを取りに来たストレートを、三遊間へ運ぶ。
球足は速く、レフト前に抜けようかという打球だったが、中島卓がダイビングキャッチ。
内野安打で1点を返し、さらに三塁を回っていた鈴木は三本間に挟まれたが、ランダンプレーのミスでランナーは残って、2アウト1、3塁のチャンスは続く。
ここで勝ち越すことが出来れば、初めて主導権を握ることが出来るところだったが、田中はファーストゴロで勝ち越しならず。

7回表のマウンドには、移動日を挟みながらではあるが、日本シリーズ全試合登板となる今村。
中田、近藤、レアードと続く打線との対峙は、非常に勇気のいる場面。
ボール先行となった中田に対し、真っ直ぐを待っている中田からストレートで空振りを奪ったことで、今村と會澤のバッテリーに若干余裕が生まれたのか、フォークで投ゴロ。
近藤もフォークでファーストゴロ。
2アウトとなってからは、長打を狙ってくるであろうレアードに対し、ほとんど低めのフォークだけを投げ込んで、四球を与える。
決して本塁打だけは打たせないという意思表示でもあり、ヘーゲンズが出した4つの四球とは意味合いが違う。

ただ、田中賢に対しては、ストレートのスピード、コントロールともに急激に落ち込んだ。
130キロ中盤のストレートが多くなり、どうしても連投の影響を感じずにはいられない。
それでもフルカウントから、フォークで空振り三振を奪って無失点で切り抜けた。

7回裏の日本ハムのマウンドには、シリーズ男となりつつあるバースが上がる。
4試合の登板で1点も奪えていない投手で、塁に出ることも難しい状況が続いている。
1アウトから丸が四球を選んだが、エルドレッドがインコースのストレートで詰まらされてショートゴロゲッツー。
今日も得点が奪えない。

1点が重くなってくる展開で、8回表のマウンドには、今村と同じく日本シリーズ全試合登板となるジャクソンが上がる。
今村の状態を見るに、ジャクソンの方が球速が落ちた時の不安が大きい。
1人目の杉谷に対しては、球速の落ち込みは見られずに、ショートゴロで1アウト。
2人目の市川には、スライダーのコントロールが付かずに、3-0とボールが先行したが、ストレート勝負に切り替えてセンターフライで2アウト。
3人目の西川には、ストレートで詰まらせたがライト前ヒット。
ボールがやや高かった分、ヒットゾーンに運ばれた。

4人目の中島卓の打席には、クイックの影響なのか、140キロ後半に球速が下がり始める。
高目が多いだけに、この球速では不安が増してくる。
西川の打席でスライダーがストライクが入らなかったことが投球の幅を狭めており、中島卓にはアウトコース高めのストレートをセンター前ヒットを打たれ、2アウト1、2塁のピンチになる。

岡に対しては、やはりスライダーが決まらず、球速がどんどん落ちてくるストレートを狙い打たれ、センター前ヒットで2アウト満塁。
中田にもスライダーが決まらず、3-0となってストレートを投げるしかない状況になってしまう。
そのストレートも決まらず、押し出し四球で1点勝ち越されてしまった。
さらに、投手のバースにセンター前ヒットを打たれ、試合の流れが決まってしまった。

今村の投球からの流れで、中島卓への投球を見ていれば、ジャクソンの投球にも限界が来ているのは間違いなかった。
レアードに満塁本塁打を浴びて止めを刺されたが、移動日を挟んでの6連投というのは、体力的に相当の負担があったのだろう。

今季のブルペンを支えたジャクソンで打たれれば仕方がない、シーズン通りの投手起用をして敗れるのは、カープの戦い方を貫いて散ったと受け入れるしかないだろう。

8回裏の先頭赤松は、粘りを見せたが見逃し三振。
日本ハムのバースも5試合目の登板で、決して少ないという訳ではないが、1試合の差は大きいということになってしまう。
鈴木はスライダーで空振り三振となり、小窪はフォークで空振り三振。
決して諦めてはいない姿勢は伝わってくるが、6点差では厳しい。

6点ビハインドの9回表でも、この日本シリーズで出番のなかった福井、九里、一岡がマウンドに上がることはなく、大瀬良が回跨ぎ。
大瀬良が見事に抑えきったのは良い終わり方になったが、中崎はリベンジの機会がないまま、ということになってしまった。

そして6点差を追い掛ける9回裏の最後の攻撃は、會澤がライトフライで1アウト。
代打西川は低めのストレートを、非常に素直に打ち返し、右中間へのライナーのヒットで1アウト1塁。
ランナーが出ても、6点差ということで投手にプレッシャーは掛けられない。
田中が一塁ゴロに倒れ、二塁封殺で2アウト。
菊池が低めのストレートを打ち上げて、セカンドフライでゲームセット。

カープは2勝4敗で敗れ、日本ハムが日本一に輝いた。





【カープ情報】2016.10.27 広島対日本ハム 日本シリーズ5回戦 札幌ドーム三連敗で、土俵際に追い詰められる

2016年10月27日に行われた、広島対日本ハムの日本シリーズ5回戦の試合結果

広   島 100 000 000|1
日本ハム 000 000 104|5

勝 バース 2勝0敗
負 中崎 0勝1敗
S  -

【本塁打】西川1号

ついに、という表現が正しいかどうかは別として、カープも打線を入れ替えてきた。
下位で長打力を発揮していたエルドレッドを4番で起用し、新井を6番に下げた。

シーズンでもわずか2試合しかなかった4番エルドレッドが機能するかどうかはともかく、小窪と、スタメン抜擢の下水流の下位打線でチャンスが作れれば、十分得点能力が上がる。

まず初回のカープの攻撃は、日本ハム先発の加藤に対し、先頭の田中がスライダー気味の変化をするフォークを捉えて、センター前ヒットで出塁。
マツダスタジアムでの2試合では、送りバントをしていたケース。
ただ、加藤のストレートの球速は140キロ前後で、すんなり送りバントではもったいない気もするが、流れを取り戻す意味でも、連勝時の攻撃パターンの再現を狙い、菊池が送りバントを決める。

1アウト2塁となって、丸はカーブを引きつけてセンター前ヒット。
ライナーでセカンドの頭を越える打球ということで、田中のスタートが遅れて、1アウト1、3塁となるが、本塁に帰れない当たりでもなかっただけに残念な走塁と言える。
4番に入ったエルドレッドがインハイのストレートで詰まり、ファーストファールフライでランナーは動けず2アウト。
良い形を作りながら無得点だと、嫌な流れを引きずりそうになってくる。

5番の鈴木は0-3からストレートを打っていってファールとなるが、積極性を失っていないことについては、期待が出来る。
そして1-3からアウトコースのストレートを素直に打ち返し、センター返しのタイムリーヒットで1点を先制。

この時点ですでに、5試合連続でカープがリードを奪う時間帯があったことになる。

新井はインコースのストレートに詰まるバッティングを繰り返してしまい、センターフライで1点どまりだったが、ジョンソンの先発時に先制点を取れたというのは、まずは良いスタートが切れたと言える。

そのジョンソンの立ち上がりは、中4日の影響をまったく感じさせない三者凡退。
これで試合運びに不安がなくなる。

そして左の加藤対策でスタメン起用されている小窪、下水流の連続ヒットでノーアウト2、3塁のチャンスを作る。
特に下水流の右方向への当たりは、札幌ドームの最深部にもう少しで飛び込むフェンス直撃の二塁打だった。

このチャンスで石原がショートゴロで本塁突入できず1アウトとなり、田中が四球を選んで1アウト満塁となったところで、加藤がマウンドを降り、右のメンドーサに交代する。
そして菊池、丸が打ち取られて追加点ならず。

この継投策は、正直なところ予想の出来るものだった。
日本ハムにとって序盤の大量失点は避けたいところで、対左用のスタメンが機能しつつあったカープ打線の目先を変える右投手の起用。
こればかりは、分かってはいても日本ハムの策略に乗るしかない。

ただ、それだけ苦しい事情があるという裏返しでもある。
昨日バント失敗の鈴木の先制タイムリー、2回裏の1アウト2、3塁のピンチを無失点で切り抜ける田中のファインプレー、派手さはないがしっかりと地に足をつけてプレーが出来ている。

相手の策を受け止めた上で、カープの野球を貫いていくことが、勝利への近道には違いない。

5回裏の守りでは、1アウト2塁の場面で、中島卓の当たりは三遊間を破ろうかというコースに飛ぶ。
しかし、田中が追い付いて、三塁を狙っていた田中賢を三塁で刺した。
三遊間の打球に追い付いた田中の守備も見事だが、すぐさま三塁のベースカバーに戻った小窪も集中できている。

6回裏は、1アウトから大谷にアウトコースのカーブを逆方向へ打ち返され、左中間を破る二塁打でピンチを招く。
踏ん張りどころを迎え、中田をアウトコースのカーブでわずかにタイミングを外し、浅いレフトフライで2アウト。
レアードを敬遠して、2アウト1、2塁の場面で、代打矢野を初球ショートゴロに打ち取って、6回無失点でジョンソンはマウンドを降りる。

今日は、プレーも采配も、まったくといっていいほど隙がない。

7回表の攻撃では、未だ続投しているメンドーサに対し、先頭の小窪が四球を選び、下水流が送りバントを決める。
対左対策でスタメン起用された2人でチャンスを作っており、ここでの追加点は試合の流れを呼び込める。
石原はセカンドゴロ進塁打で、2アウト3塁となって田中が打席に向かうが、メンドーサはそのまま続投。
しかし田中がセカンドゴロに倒れ、どうしてもあと一本が出ない。

追加点は入らないが、試合運びには問題がない。

7回からは今村がマウンドに上がり、小窪の代走に出た安部がそのままサードの守備に就く。
ただ、この試合で初めて、先頭打者へ四球を与えてしまう。
市川に初球で送りバントを決められ、1アウト2塁。
終盤に形を作り、反撃ムードを高めてくる日本ハムは初球攻撃。
中島卓が三遊間を破るレフト前ヒットで、1アウト1、3塁とピンチが広がる。

そしてアウトコースのフォークがやや高めに浮いたところを、岡にセンターへ打ち上げられ、犠牲フライで同点に追い付かれる。
ただ、同点であれば、ミスのない試合運びで集中力も高まっているカープ打線の、終盤の攻撃にも期待できる。

8回の攻撃では、ようやくメンドーサがマウンドを降り、谷元が登板してくる。
先頭の菊池がキャッチャーフライ、丸がセンターフライ。
エルドレッドはレフト線へヒットを放ったが、鈴木がアウトコースのフォークを引っ掛けてサードゴロで無得点。

8回裏はジャクソンがマウンドに上がる。
2試合連続で失点してしまっているが、その2試合ともインコースへのストレートは皆無だったように思うし、縦スラよりも横スラの割合が多かったようにも思う。
先頭の大谷には、インローへの縦スラ、インコースへのストレートを投げ込んでおり、攻め方を変えているのは明らか。
フルカウントになって、最後は高めのストレートで空振り三振を奪う。
続く中田へもストレート勝負で、アウトコースの155キロのストレートで空振り三振。
あとはレアードを力でねじ伏せられればというところだが、ここは2アウトで本塁打だけは絶対に打たれてはいけない場面。
ストレート2球がボールとなり、アウトコースに抜けたスライダーをフルスイングされるが、バットの先の浅いレフトフライで3アウト。

9回裏は、3連投のバースとの対決となり、先頭の新井は、追い込まれながらもアウトコースのボールに喰らい付きライト線へ落とすヒットで出塁する。
代走赤松を送り、今日の交代のタイミングは、ここで点を取るんだという意思表示が十分伝わる。
安部が送りバントを決め、勝ち越しのランナーを2塁に進める。
しかし下水流は、ストレートに力負けし、浅いセンターフライでランナー動けず。
石原は、アウトコースのカーブに見逃し三振、9回で勝ち越すことは出来なかった。

9回裏のマウンドには、3戦、4戦と出番のなかった中崎が上がる。
1アウトから田中賢に粘られて四球を与えると、8番市川がこの試合3つ目の送りバントを決める。
同点に追い付いた形を再現し、日本ハムの攻撃は意図がある。
2アウト2塁で、中島卓のピッチャー前への緩い当たりが内野安打となり、2アウト1、3塁。
岡には初球がデッドボールとなり、2アウト満塁で西川との勝負。
2球目の真ん中高めのストレートを完璧に弾き返され、ライトスタンドへのサヨナラ満塁本塁打。

札幌ドームでの3連戦は、四球が致命傷になるケースが続いた。
今村、ジャクソン、中崎は、ここまで簡単に四球を出す投手ではないのだが、慣れない札幌ドームに加えて、短期決戦でのプレッシャーも影響しているのだろう。
ビジターの雰囲気、洗礼を浴びるというのも、厳しい環境を作り上げられていると感じる。

今日に関しては、2回途中で、左の加藤から、右のメンドーサに代えるという日本ハムの試合巧者ぶりが勝負の分かれ目だった。
これで王手を掛けられたことになり、有利不利で語れば、間違いなく不利。

ただ、この3連戦は全て接戦で、きっかけ一つで流れは変わる。
満塁本塁打を浴びてのサヨナラ負けは派手に映るが、サヨナラ押し出し四球でプレッシャーに負けての敗戦よりは、よほどすっきりする。
大丈夫、中崎は切り替えられる。

あとは、マツダスタジアムでの2連勝を期待する以外に、何があるだろう。





【カープ情報】2016.10.26 広島対日本ハム 日本シリーズ4回戦 ジャクソン2試合連続失点で2連敗、2勝2敗の五分

2016年10月26日に行われた、広島対日本ハムの日本シリーズ4回戦の試合結果

広   島 000 100 000|1
日本ハム 000 001 02×|3

勝 谷元 1勝0敗
負 ジャクソン 0勝1敗
S 宮西 0勝0敗1S

【本塁打】中田1号、レアード2号

交流戦では、切れのよいストレートに押し込まれる場面が多かった高梨と、日本シリーズで対戦するカープ打線は、やはりストレートに詰まる場面が多い。
初回は、打ち上げてのフライアウト3つとなっており、簡単に攻略できる相手でないことを再認識する。

またカープ先発の岡田は、球速、球威ともにまずまずではあるが、微妙なコントロールがない。
際どいコースは外れ、大きく抜けるボールもあり、石原が初回から苦心のリードを見せる。

ストレートの球速と、スライダーのキレが今日の生命線で、追い込めたらスライダーという選択が多くなっている。
3回まで毎回ピンチを背負っているが、所謂荒れ球というピッチングになっているおかげで、何とか日本ハム打線にあと一本を許さない。

初回は2アウト2塁で、スライダーの抜け球がインハイに行ったことで、中田がミスショットで打ち上げて、ファーストフライ。
2回は、四球で崩れて1アウト満塁というピンチになったが、中島卓をインローへのカットボールで空振り三振、岡を2球で追い込んでから、アウトコースへのスライダーでセカンドゴロ。
3回は、2アウトからの四球と二塁打で2、3塁のピンチとなったが、レアードをアウトコースのスライダーで引っ掛けさせてショートゴロ。

また、3回までノーヒットのカープ打線ではあるが、岡田が球数が多くなっているのは当然としても、高梨も3回で49球と言う事は、簡単に凡打になっていないことを表している。

4回の攻撃は、先頭の丸が四球、盗塁死、新井四球という攻撃が出る。
点が取れないときに動いて、良い結果が出ないということはシーズンでも良く見られた光景ではあるが、これは明日以降に繋がることが多かった。
ということは、この試合では最後まで苦戦しそうなのは避けられそうもない。

鈴木が高めのストレートを打ち上げてセンターフライ、エルドレッドも打ち上げて右中間へのフライとなるが、これがなんと通天閣打法となった。
ライトの近藤が落下地点に入りきれず、捕球できずにボールがグラウンドに落ち、タイムリーエラーとなって1点を先制する。

四球とエラーでの得点で、こういう展開で、直後の日本ハムの攻撃を三者凡退で抑えることが出来れば、とりあえずの試合の流れを掴むことが出来る。
先頭の田中賢を一塁ゴロ、大野をストレートで空振り三振、中島卓を高いバウンドのセカンドゴロ。
見事に三者凡退という最高の投球を見せてくれた。

5回表のカープの攻撃は、石原の四球、菊池、丸の連打で2アウト満塁のチャンスを作り、新井に一打が出れば試合の流れを大きく引き寄せられるというところ。
初球のストレートを狙っていったが、逆球でインコースにシュート回転で食い込んできたことで、完全に詰まらされた。
セカンドフライで追加点ならず。

こういった満塁での得点機を逃し、5回裏の日本ハムの攻撃は1番打者から、となれば1人でもランナーを出すと嫌なムードになってくる。
岡のボテボテの三塁前へのゴロで、安部の送球と岡の足との競争が見られたが、安部の送球が勝って1アウト。
2番の西川のレフトへのライナー性の打球も、松山の正面。
3番の大谷には、アウトコースへの150キロのストレート、インコースへの149キロのストレートで追い込み、内外自在のコントロールがあれば、落ちるボールも活きる。
最後はアウトコースへ沈んでいくチェンジアップで空振り三振を奪い3アウト。
球数も5回を投げ終え87球と、まずまずのペースになってきている。

そして先に交代したのは高梨のほうだった。
6回表のマウンドにはバースが上がる。

エルドレッドのライト前ヒットはあったものの、松山、安部が低めの変化球で空振り三振となり、まずは日本ハムの継投策が成功する。

すると、6回裏、早めに野間をレフトの守備に入れ、少しずつ形を整えにかかる。
もちろん6回裏を無失点で切り抜ければ、継投策に移っていけるという理想的な展開が待っているが、中田のバットがそれを許さなかった。
初球の甘く入ったスライダーを完璧に捉えられ、レフトスタンドへの同点本塁打を浴びてしまう。
この日の生命線だったスライダーが甘く入り、捉えられたということは、岡田の交代時期が迫っているということにもなる。

5番の近藤のピッチャー返しの打球は、岡田のグラブを弾いた分、菊池が追い付いてセカンドゴロ。
続くレアードは、この試合で打ち取るパターンとなっていたスライダーを見極め始めたのは気になったが、裏をかいてアウトコースへの150キロのストレートで見逃し三振。
田中賢をレフトフライに打ち取って、同点までで留めた。

岡田は6回1失点でマウンドを降り、7回は今村がマウンドに上がる。
先頭の市川をフォークでショートゴロに打ち取ったものの、田中がボールを弾いてエラーで出塁を許してしまう。
先頭打者がエラーで出塁し、送りバントを決められて1アウト2塁というピンチとなるが、正直なところビジターでの試合で7回からの3イニングをすんなり抑えることが難しいのは想定している。

ピンチを想定していたかどうかはともかく、今村のポーカーフェイスが頼もしい。
岡をフォークで空振り三振、西川もフォークで投ゴロに打ち取ってピンチを脱した。

8回表のカープの攻撃は、代わった谷元から先頭の新井が四球を選ぶ。
そして昨日は出来なかった、代走赤松というシーズンでも威力を発揮したとっておきのカードを切ってきたが、これは昨日のことがあるだけに、積極的な策というよりは、失敗を取り戻そうとする交代にしか思えない。
鈴木は昨日谷元から三塁打を放っているが、今日の谷元の投球はさらに厳しいコースを突いてくる。
ただ、鈴木に送りバントのサインを出し、おそらく初球は見落として空振り、そして2球目の送りバントはファールと、今日は動くと裏目に出る流れが変わらない。
最後は打ち上げてライトフライで1アウト。
エルドレッドもライトフライに倒れ、2アウトからスタートを切った赤松が二塁で刺され、策が嵌らなかった。

この嫌な流れを断ち切るためには、8回裏の3番大谷から始まる日本ハムの攻撃を、三者凡退に打ち取る必要がある。
ジャクソンが先頭の大谷をショートゴロに打ち取り、まず1アウト。
しかし中田に0-2と追い込んでから四球を与え、三者凡退ミッションは失敗。
それでも無失点で切り抜けることが最低条件だけに、近藤をレフトフライに打ち取って2アウトと、ここまでは良かった。
本塁打だけは避けないといけない場面で、レアードに、やはり甘く入ったスライダーを捉えられ、左中間へのツーランで、完全にこの試合の流れを失った。

9回表の攻撃は、代打下水流が空振り三振、代打小窪のライトオーバーの飛球を岡がファインプレーを見せ2アウト。
代打會澤は四球を選んで、田中がライト前ヒット、菊池がスライダーをレフト前ヒットで2アウト満塁と、最後の粘りを見せる。
丸はフルカウントまで持ち込んだが、最後はアウトコースのスライダーで空振り三振。
2連勝の後、2連敗となり、2勝2敗の五分となった。

盗塁死、送りバント失敗といった仕掛けがことごとく失敗し、選手交代も上手く機能しない、守備でもエラーが出る、というのはシーズンの試合でも何度も見られた。
もちろんその試合で勝つことは出来なかったが、必ず次の試合には活かされていた。
強敵日本ハムに明日勝つために、今日の敗戦は、潔く受け止めよう。

3連勝を目指してくる日本ハムを、札幌ドームで止めてこそ日本一が見えてくる。





【カープ情報】2016.10.25 広島対日本ハム 日本シリーズ3回戦 延長戦で敗れ、シリーズ初黒星

2016年10月25日に行われた、広島対日本ハムの日本シリーズ3回戦の試合結果

広   島 020 000 001 0|3
日本ハム 100 000 020 1|4

勝 バース 1勝0敗
負 大瀬良 0勝1敗
S -

【本塁打】エルドレッド3号

札幌ドームに舞台を移して行われる、日本シリーズの第3戦。
今季の交流戦で2試合戦っているが、やはり日本ハムへの声援は、マツダスタジアムでのそれとは比べ物にならない。

ただ、黒田の現役最後になる可能性もある登板とあって、ビジター球場と思えないほどの声援が注がれる。

その黒田の初回の投球は、先頭の西川の三塁線への打球を安部が好捕して始まる。
ただ、近藤には低めのフォークを上手く捉えられてライト前ヒット、大谷にはアウトコースへのツーシームを、逆方向へ打たれ、三塁線を破る二塁打で、1アウト2、3塁というピンチを迎える。
4番の中田を迎えるが、内野は前進守備を敷かず、内野ゴロの間の1点はOKという指示。

そして、狙い通りインコースのツーシームで、詰まったショートゴロに打ち取り、1点の先制は許したが、傷口を広げない結果が出た。

すると2回表のカープの攻撃で、1アウトから鈴木が初球を打っていき、日本シリーズ初ヒットで出塁。
エルドレッドは、日本ハムバッテリーのアウトコース攻めを冷静にかわし、ボール球には手を出さず、フルカウントからのアウトコース高めに浮いたカットボールを右方向へ押し込んだ。
ライトポール際へ飛び込む、3試合連続本塁打で2点を返し、すぐさま逆転。

1本目がセンター方向、2本目がレフト方向、3本目がライト方向ということで、どの方向へもスタンドへ放り込んでおり、日本ハムバッテリーが攻め方を確立できないうちに、どんどん長打を稼いでもらいたいところ。

黒田のピッチングは、内外のコントロールが良く、ランナーを出しても本塁まで返さないように、逆算して一つずつアウトを取っていけている。
4回5回と連続してランナーを得点圏に進められているが、打たせて取るピッチングに野手も応えやすい。

5回の1アウト2塁の場面では、中島卓に左中間へヒット性の打球を飛ばされるが、打者の特性が頭に入っている丸は、左中間方向への打球への備えが出来ている。
ランニングキャッチでヒットを許さず、得点を与えない。

スイスイというピッチングとは少し違うが、淡々と、いつも通りのピッチングという感じ。
投球自体は今季限りで引退する投手の投球とは思えないが、やはり体は悲鳴を上げていた。

6回裏、大谷を打ち取って2アウトとなったところで、自らマウンドを降りて、治療のためにベンチ裏に退く。
太ももの裏がつったような仕草が見られたが、すぐに治療を終えて戻ってくる。
この時点で、投げてもあと一人、という可能性が高かったが、投球練習をしてみて、続投を諦めた。
おそらく、自分から判断してマウンドを降りたのだと思うが、あとは任せたという意思表示と、もう終わったという意識もあったのではないかと思う。

そして、ヘーゲンズがマウンドに上がるが、リリーフとして登板するのは約2ヵ月半ぶり。
ただ、ヘーゲンズはヘーゲンズだった。
きっちりと準備を終え、いきなりの中田との勝負でサードゴロに打ち取って、リードを守った。

リードを守って6回を終えたということは、今村、ジャクソン、中崎で逃げ切る形は整ったということになる。

日本ハム先発の有原も、エルドレッドの本塁打以降は、中田の好守備もあって安定感を取り戻している。
先発投手がビハインドでもマウンドを降りず、投げ続けるというのも指名打者制度のある試合ならでは。
なかなか追加点を取れないというのであれば、1点を守りきる形を取る、というのも当然考えられたケース。

その1点を守りきる継投策の一番手は、当然今村が任される。
2アウトを取ってから、田中賢に四球を与えてしまい、続く代打谷口を2球で追い込んだものの、一塁への牽制が悪送球となって一打同点の場面を迎えてしまう。
ここでは、しまったという気持ちを抑え、勝負を急がずに、じっくり確実に1つのアウトを取ることが求められるところ。
ストレートではファールで粘られてしまい、焦りに拍車がかかるかという場面だったが、フォークで空振り三振を奪って無失点で切り抜けた。

8回裏はジャクソンがマウンドに上がり、先頭打者中島卓との我慢比べが始まる。
ストレートもスライダーもファールにされ、基本的に2種類の球種の組み立てで投球するジャクソンにとっては、相性の良くない相手。
ジャクソンの投球も悪くなかったが、四球を選ばれて先頭打者の出塁を許す。

1番の西川に送りバントを決められるが、1つずつアウトを取っていければ問題ない。
2番の近藤には、150キロ超のストレートを連発し、レフトフライに打ち取って、2アウト2塁となって大谷を迎える。

ただ、ここは敬遠策。
2アウト1、2塁で中田との勝負を選択した。
敬遠の場面でのブーイングと、中田が打席に入った際の声援の大きさこそが、ビジターでの試合ならでは。

この場面で抑えれば、勝負は決まる。
しかし、アウトコースのスライダーで、バットの先で詰まらせた打球がレフト松山の前に落ちる。

もちろん、単なるレフト前タイムリーヒットであれば同点どまりだったのだが、ダイレクトキャッチを狙った松山が後逸。
逆転のランナーまで帰ってきてしまった。

結果論で言えば、1点を守りきる投手リレーに移っているので、レフトに赤松を入れておく選択肢もあったはず。
このまま負けてしまえば、敬遠策の裏目、守備のミス、選手交代の遅れ、などといったマイナス要素が敗戦に直結したことにもなり、2連勝の勢いもいったん止められてしまうことになる。

1点を追い掛けることになったカープの攻撃は、先頭の鈴木が、代わった谷元のアウトコースのストレートを右方向へ弾き返し、右中間を破る三塁打で同点のチャンスを作る。
しかし、エルドレッドはストレートとフォークの組み合わせで、空振り三振を奪われ、3試合連続本塁打の勢いを止められた。
1アウト3塁となり、先ほど拙い守備のあった松山が打席に向かう。
バットに当てることに関してはカープの打者の中でも屈指の技術のある打者で、汚名返上の機会だったが、フルカウントからのフォークを打ち上げてしまい、ショートフライで2アウト。

追い込まれてしまったカープだが、安部が高めのストレートをフルスイングすると、鋭い打球がライト前に抜けていくタイムリーヒットで同点に追い付いた。

これであれば、少なくとも相手に傾いた流れを止めることにはなる。
欲を言えば、2アウト1、2塁となってからの田中のレフトライナーがヒットになっていれば、中崎を投入することも出来たのだが、ここからは勝った方が明日も勝つのでは、というくらいの大事な場面が続く。

同点ということで、9回裏のマウンドには大瀬良が上がる。
9月18日のDeNA戦で、同じように9回表に同点に追い付いたが、10回裏のマウンドに上がってロペスにサヨナラ本塁打を浴びるという、高い授業料を払っている。
それだけに同じ失敗を繰り返すわけには行かない。

先頭のレアードを空振り三振に仕留め、田中賢をショートライナー、市川を150キロのストレートで空振り三振。
相手は違えど、見事にリベンジを果たし、延長戦に突入することになった。

大瀬良は延長に入っても続投し、先頭の中島卓をインコースのストレートで空振り三振で1アウトを取ったが、西川にはコントロールを乱して四球を与えてしまう。
陽はフォークで三振を奪ったが、大谷の打席で西川が二盗を決める。
2アウト2塁、カウント2-2で、そのまま大谷との勝負だったのかは分からない部分があり、インローへのボール球を大谷に打ち返された。
一二塁間を破るサヨナラタイムリーで、シリーズ初黒星を喫した。

ただ、今日の試合は考えられる敗因のある試合で、どうして負けたのか分からないという試合ではなかった。
8回裏に逆転され、9回表2アウトからの一打で追い付いて、最後は1点差で敗れた。
紙一重のプレーが勝敗を分けた部分はあり、大谷への最後の投球は完全なボールで、見逃してくるか、引っ張ってファールになるコース。
あのコースを、体勢を崩しながら一二塁間へ持っていくバッティングは、当分見ることはないだろう。

札幌ドームでの初戦に勝利したという、日本ハムの勢いは当然感じることになるが、1敗してからがカープの本領発揮となる。





【カープ情報】2016.10.23 広島対日本ハム 日本シリーズ2回戦 田中好走塁で試合の流れを引き寄せ2連勝

2016年10月23日に行われた、広島対日本ハムの日本シリーズ2回戦の試合結果

日本ハム 000 100 000|1
広   島 010 004 00×|5

勝 野村 1勝0敗
負 増井 0勝1敗
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【本塁打】エルドレッド2号

カープ先発の野村は、1アウトから中島卓に対し、高めに浮いたカーブを左中間に運ばれ、1アウト2塁とピンチを背負ったスタートとなる。
こうなると、とにかく時間をかけて、極端に言えば満塁にしてでもホームインだけは許さないというピッチングをする。
近藤を打ち取り、中田、レアードに対しては、シュート、スライダー、チェンジアップを低めに集め、甘いコースにだけは決して投げない。
中田に四球を与え、レアードにもフルカウントまで行くが、最後はアウトローのスライダーで、バットに当てるのが精一杯というライトフライに打ち取って、無失点で切り抜けた。

また、初回のカープの攻撃は、同じく1アウトから菊池がライトオーバーの二塁打でチャンスを作る。
同じ形で日本ハムを無得点に抑えているだけに、ここで先制できると流れを掴むことが出来る。
そして、丸はフルカウントから四球を選ぶが、最後のフォークがワイルドピッチとなって、菊池も三塁へ進めた。
松山は高めに浮いたスライダーを引っ張ると、ライト前へのライナーとなるが、ライト近藤がダイレクトキャッチ。
タッチアップを狙った菊池も本塁で憤死し、タイムリーで1点どころか、一気にダブルプレーでチェンジとなってしまう。

当然、試合の流れを掴むには至らず、ここからは我慢の展開が頭を過ぎる。

2回の野村のピッチングは、良いプレーがあった後に、先頭打者の出塁を許すと、相手に付け入る隙を与えることになるところで、田中賢を低めのチェンジアップでショートゴロに打ち取る。
ただ陽にはチェンジアップの抜け球で死球を与えてしまい、続く大野にはライト前へライナー性の打球を放たれる。
しかし、今度は鈴木がスライディングキャッチを見せ、ピンチを未然に防ぐ。
そして見方のファインプレーに応え、野村は増井を空振り三振に打ち取って、2回も無失点で切り抜ける。

すると2回裏のカープの攻撃では、1アウトからエルドレッドがインハイのストレートを、強引にレフト前ヒットにすると、小窪はフルカウントから真ん中やや外寄りのストレートを弾き返し、右中間を破るタイムリー二塁打で先制する。

先制直後の3回表、野村のピッチングにようやく余裕が出始めた。
カーブを使う割合が増え、1番から始まるイニングを三者凡退に抑えて、まずは試合の流れを引き寄せにかかる。

しかし4回表には、2アウト1、2塁という場面で、8番の大野をインコースのシュートでバットを折り、セカンドゴロに打ち取ったものの、不規則回転で菊池のグラブを弾く、タイムリーエラーで同点に追いつかれる。

点数的にも、試合展開的にもこれで五分という状況となり、ここからどちらのチームが先に点を取るかが次の焦点となる。
逆に言えば、このまま均衡状態で終盤まで引っ張られるならまだしも、リードを許す展開は日本ハムの今後の勢いを考えると避けたい。

4回裏は、エルドレッドが低めのストレートでショートゴロ併殺打に倒れ、いよいよ1球のミスが命取りという状況になってきた。

そして試合の行方を左右する、次の1点が入る瞬間が訪れる。
6回裏、先頭の田中がアウトコースのストレートを、コースに逆らわないバッティングでレフト線へ弾き返し、二塁打で出塁すると、菊池は送りバントの構えからバスター。
ボール気味の高さのストレートを叩き付けると、広く開いた三遊間を破っていくレフト前ヒット。
田中は三塁を回り、西川からのバックホームでクロスプレーとなり、一旦はアウト判定が出る。

しかし、ビデオ判定に持ち込まれ、キャッチャー大野のタッチが追いタッチとなり、田中の生還のほうが速く、本塁への生還が認められた。
この1点は、次の1点、単にリードを広げたというだけでなく、日本ハムとしては最高の外野守備を見せていた上での失点。

ムードが一変し、ノーアウト2塁の場面で丸が送りバントを決めると、増井が一塁へ悪送球し、タイムリーエラーで1点追加。
そして松山が初球を叩いて、良い当たりのライトライナーで1アウトとなったところで増井は交代。

代わった鍵谷は、代わり端にワイルドピッチして、1アウト3塁となり、鈴木がアウトコースのストレートを、センターへ打ち上げて、犠牲フライでこのイニング3点目。

2アウトランナーなしとなったが、エルドレッドが高めのストレートを捉え、レフトスタンドへのソロホームランで、もう1点追加。

次の1点が大きな影響を与えるという予想通り、一気にカープに流れが傾いたという一面もあるが、自力で流れを手繰り寄せたという面もある。
これは田中の走塁を指しているが、運が良くて本塁がセーフになった訳ではなく、スライディング技術、ベース前でのスピード、これは練習の成果がもたらした結果と言えるだろう。

6回を終え、5-1と4点差に広げ、7回からは勝利の方程式の一番手、今村がマウンドに上がる。

その今村はストレートで陽、岡から連続空振り三振を奪い、代打谷口をセンターライナーに抑え、三者凡退で文句なしの結果を残す。

8回のマウンドにはジャクソンが上がり、西川をセカンドライナー、中島卓をショートゴロ、近藤を空振り三振で三者凡退で抑える。
今日のジャクソンのストレートは、スピード、キレともに十分。
まともにバットに当てられることもなく、危な気なかった。

8回裏のカープの攻撃の際、日本ハムはメンドーサがマウンドに上がる。
負傷して帰国したマーティンの代役として、9回のマウンドを任される可能性も示唆されていたが、この試合では4点ビハインドの場面での登板。
先頭の菊池が四球を選び、丸がセンター前ヒットで続く。
ノーアウト1、2塁のチャンスを作ったが、松山がフォークで空振り三振、鈴木の打席で、投球がワンバウンドとなった隙を突こうとして菊池が走塁死、そして鈴木がサードゴロで無得点となる。

そして点差が変わらないまま、9回のマウンドには中崎が上がる。
先頭の中田には、所謂あっち向いてホイという感じの、引っ張りのスイングから放たれるライト方向への打球がヒットとなり、先頭打者の出塁を許す。
レアードには、追い込んでからの真ん中低めへのツーシームを引っ張られ、レフト前ヒットでノーアウト1、2塁。
しかし、田中賢を2球のストレートで追い込み、スライダーで三球三振を奪って1アウト。
大谷には外のスライダーとインコースのストレートで追い込み、最後もインコースのストレートで空振り三振を奪って2アウト。
岡をアウトコースのスライダーでセカンドゴロに打ち取り、2試合連続でリリーフ陣が無失点リレーで試合を締めた。

これで2連勝で、来週からの札幌ドームに乗り込むことが出来る。
昨日の試合もそうだったが、今日の試合もシーズン通りの試合運び。

ただ、日本ハムもこのまま引き下がるチームではない。
来週も厳しい試合となると思うが、今日のように、試合の流れをつかめる場面を、確実にものにする試合を期待したい。





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