2015年7月2日に行われた、広島対巨人の公式戦14回戦の試合結果
広島 200 010 000|3
巨人 101 000 000|2
勝 福井 6勝2敗
負 ポレダ 5勝4敗
S 中崎 0勝4敗9S
【本塁打】シアーホルツ7号
共に今季初対戦となる、福井とポレダが先発。
ポレダに関しては、長身左腕で速球派、事前情報では荒れ球ということだったが、思いの外コントロールは破たんしておらず、立ち上がりをすんなり抑えられるようだと、ズルズルと行きかねない。
一応あまり点が取れないというプランを思い描いておくと、福井が持ち味を発揮できるかということが重要になってきそうだが、2度も先発機会が流れて、登板間隔が開いたことがどう影響するのか気になるところ。
そして今日は、エルドレッドが休養で、5番には鈴木誠が入った。
高めの速球に威力があるポレダは、エルドレッドが苦手としているタイプの投手には違いなく、なかなか思い切った起用をしてきた。
そして重要と思われていた初回の攻撃で、シアーホルツのツーランで、昨日同様2点を先制出来た。
これは巨人側に、嫌なイメージを与えられる、見事な先制劇となった。
ところが今日も長野が好調を維持。
いきなりスリーベースで、早くもピンチを背負ってしまう。
立岡の犠牲フライで1点を返されたのは、ある程度仕方のない失点と割り切って、ここから福井がどう立ち直っていくか、というのがこの試合のポイントとなってきた。
2イニング以降の福井は、ストレートもカーブもフォークも、かなりいい精度でストライクが取れている。
しかし3回には、どうも投げにくそうな印象のある長野に四球を与えてしまったことで、ピンチを広げて、またも犠牲フライで1点を失い、同点に追い付かれる。
ただ、どの球種でもストライクが取れることで、ピッチングは窮屈には見えない。
冷静に攻めたという感じが強く、あまり連打で崩れていくという雰囲気はなかった。
5回には、1アウト1、3塁のチャンスで、福井の詰まった当たりのショートゴロの間に1点を勝ち越し。
直前の會澤でランナーを帰すことが出来ていなかったので、どんな形であれ1点が入ったのは、良い流れ。
7回に入ると、福井のコントロールが甘くなり始める。
先頭の井端には、高めに抜けたボールを左中間へ大きな当たりを飛ばされる。
フェンス直撃コースの打球だったが、鈴木誠がタイミングよくジャンプして掴み取った。
鈴木誠は、直前のイニングで牽制に誘い出されて走塁死しており、守備に引きずらなかったのは評価できる。
何とか先頭打者を打ち取った福井は、その後も明らかなボールが増え、球数こそ90球前後だったが、投手交代のタイミングが近付いてきたのは明らかだった。
8回に先頭の會澤がピッチャー強襲の内野安打で出塁し、福井の打席で代打を送るのかどうか、と思っていたが、どうやらベンチは福井を交代させる意識は端からなかったようだった。
そのまま打席に向かい、送りバントを狙うも、キャッチャー前に転がり、2-6-3の併殺で、試合の流れを手放しかねないプレーとなってしまった。
とは言うものの、今日の試合に関しては、試合の流れを手放しかねない、ミスのようなプレーは数多く出てしまっていた。
昨日の薮田がそうだったように、自分のミスや、自ら招いたピンチは、自力でその芽を摘み取ればいいのだろうと、強い気持ちを持つことが、相手に流れを渡さない方法の一つ。
8回は、この3連戦でかなりの難敵として立ちはだかっていた長野を見逃し三振に打ち取り、強い気持ちで向かっていく姿勢を見せてくれた。
福井が8回まで投げたおかげで、抑えの中崎に直結することも出来た。
東京ドーム、ミスの多い試合、1点リードで抑え投手がマウンドに上がる。
かつて、サファテも、ミコライオも東京ドームでサヨナラ負けを喫したことがある。
2日前には、黒田もサヨナラ負けを経験しており、東京ドームで僅差で逃げ切ることの難しさは、身に染みて分かっている。
少なくとも、強い気持ちを持ってマウンドに上がらなければ、あっという間に飲み込まれてしまう。
そう考えれば、気持ちの強さでは薮田、福井に決して引けを取らない中崎が、今日の試合の抑えを任せるには、もっとも適任と言えるかもしれない。
中崎は、1球たりとも逃げているというボールはなく、攻め続けて、雄叫びをあげながら抑えきった。
3試合続けて、攻めるピッチングを見ることが出来たことは、今後の試合に大きな勇気を与えてくれたと思う。
- 関連記事
-