
パン工房アイのカフェには「
田舎暮らし」に係わる冊子やチラシがたくさんおいてあった。とくに『智頭町移住マニュアル』というパンフに神経集中。IターンやJターンを呼び込もうとするための広報誌であり、これまでの実績が網羅されている。アイのご主人もでているし、板井原「野土香」の店主さんも笑顔で登場している。そして、さらに驚いたのは、「野土香」が「野土花」であった時代の初代店主さんが那岐で廃校を改修した喫茶「ポスト」を運営されていることを知った(↓左・中)。西谷の車道を道なりに進めば那岐に至る。そのままひやかしに行こうかとも思ったが、次回の楽しみにとっておくことにした。カフェの壁はジャズ・ミュージシャンのコンサートチラシで埋め尽くされている。過去のものが多かったが、唯一カウント・ベイシー楽団の津山コンサートだけは今年の8月3日(金)開催のものだった(↓右)。流石、国際音楽祭のまち、津山だね。西谷から津山は1本道でつながっている。那岐から津山に足をのばすのもわるくないだろう。


アイの対面に奥神社の境内がある。新田の神様だね。それほど古い建物ではない。幕末~明治ころの本殿・拝殿だろう。奥神社から車にのって元きた道を下り始める。車窓にはいきなり棚田と民家が映り(↓↓)、右手にログハウス3棟がみえた(↑)。その下には、「文楽と体験農園 喫茶 清流の里 新田」という大きな看板を庇屋根に立てた木造平屋建の施設もある(↓)。周辺の棚田と茅葺き民家集落も見事だ。鉄板で覆われていない茅露出の民家を含んでいる(いちばん上の写真)。
ここは何なんだ。いったい何者だ。そういう驚きを禁じ得ず、帰宅後ネットで調べてみたところ、以下のサイトを発見した。
全国初の「集落まるごとNPO法人化」のむら
鳥取県智頭町 新田地区
http://www2u.biglobe.ne.jp/~SHINDEN/index.htm
↑清流の里 ↓車窓からみた民家と棚田


90年代の終盤から西谷新田は20余りの世帯をまるごとNPO法人化し、「時代に対応したむらづくり」事業として、幕末からの長い歴史をもつ「人形浄瑠璃芝居」と、長期滞在型や日帰り型の農業や林業を体験する「ふるさと山の村交流事業」を推進してきた。その活動業績と受賞歴等には瞠目せざるをえない。
1998年 「潤いと活力のある町づくり」優良地方公共団体自治大臣賞
2000年 「伝えたいふるさと鳥取の景観」百景に「新田の石積み畦畔」が選定
2005年 農水省「オーライ!ニッポン大賞」受賞
2008年 テレビ朝日と朝日新聞社の共同企画番組「にほんの里100選」にも
選ばれて全国放送。
わたしたちは、すでに県伝統的建造物群「板井原」の苦悩を知っている。同じ智頭町の山里「西谷新田」の行方をみまもりたい。

↑アイのカフェから棚田がよくみえる ↓奥神社拝殿
- 2012/04/09(月) 23:15:49|
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